「クマ増えてね?」「昨日も出た」調べてみたら驚きのデータ。格安クマ対策スプレーを買ってみた!効くのか!?

クマの子のこのこ虎視眈々! 最近、渓流にクマ増えてます。怖いです! 世界的に有名なクマ撃退スプレーがあるのですが『高い』!命を守るものとはいえ高いっ!ので、日本製のクマよけスプレー買ってみました。

●文:ルアマガプラス編集部(深谷真)

2024 ショアジギング特集

実はクマの個体数は増えてるっぽい。

先日、木曽の山奥に取材に出向いた際、長年、猟師をやっているオジサンと話をしました。すると、『昔は熊なんてなかなか見かけなかったんだけどねぇ、最近増えてるねぇ』としみじみ。

渓流釣りは景色も美しく気持ちいのですが、熊の影には毎回怯えております。

そして、つい最近もキャンプ場に出向いたら『いやぁ、管理棟にでっけぇ熊がでましてですねぇ、怖いんでJポップガンガンに鳴らしてるんですよぉ、え?いつ出たかって?昨日です』

とか情緒もへったくれもねぇ警告が。

かく言う記者も、1年前に熊見てますし、体感、ワンチャン個体数増えてねぇか?と思っていたら驚きのデータが。

  • ヒグマは、平成15年度と30年度の比較で、分布域は約1.3倍に拡大。令和2年度の推定個体数は11,700頭(中央値)で30年間で2倍以上に増加。
  • ツキノワグマは、平成15年度と30年度の比較で分布域は約1.4倍に拡大。他方、四国は分布域が縮小、九州は絶滅。
  • 本州の多くの地域で推定個体数は増加又は安定化。
  • 人口減少・高齢化等により、クマ類の分布が人の生活圏周辺まで拡大する中、令和5年度は、秋の東北の堅果類(どんぐり)の凶作等により、クマ類による人身被害が過去最多(198件、219人)を記録。

農林水産省のHPより抜粋

こりゃ、熊対策必須。山の状態はどんどん悪くなってエサがなくなり、比較的人里にも出現することが多くなり、ついでにハンターも減ってるとくりゃ、そりゃ、熊だって増えるはずです&見かけることも多くなるはずです。記者の自宅は首都圏の山の麓のベッドタウンで、田舎とはいえ人口が多いのですが徒歩圏内の河川に、そういや熊が出たって騒いでました。

と、まぁ、よりニアに生活圏に接近する渓流釣りの人には必須なのがクマ対策

我々、渓流釣り師のクマ対策といえば、クマ鈴、爆竹、笛などの『自分の位置を知らせる系』。クマだって人間には会いたくないので、これら『人が居ますよと』知らせる系は有効です。月並みですが、今後は必須グッズになるのではないでしょうか。

次が、『忌避スプレー系』。これがあるのとないのとでは気持ちが違います。ただ、世界的に効果が認められている『カウンターアソルト』という優秀な製品があるのですが、海外製で最近は公的機関などにも導入が始まったために品切れ気味かつ『高い』。どんな製品かというと、濃厚カプサイシン成分を噴射するスプレーなのであります。射程も9mほどと心強い。

ちなみにカウンターアソルト用の便利なホルダーがフルックスさんというところから販売されています。クマ鈴サイレンサーなどの素敵な機能付きですので、気になった方はどうぞ!熊スプレーケース(フルックス)。カウンターアソルト以外でも流用できると思います。

何気に人気で、結構、品薄状態。

鳴らしたくないときはここに収納。鳴らしたいときはホールドをはずします。

まぁ、命を守るものですので、お金なんて。と思うかもですが、それでも下手するとロッドやリールが買えてしまう値段なわけです。躊躇してしまうのも人情ってもんでしょう。

国産の熊避けスプレーを買ってみた!リーズナブルな3000円台!

そこで、記者が買ってみたのが、下手すると1/10の値段で買えてしまう。『くまいちばん』というクマの忌避スプレー。電話して聞いてみたところ、小型の缶で6mの射程とのこと。中身は同じくカプサイシン系にクマが嫌がる籾酢(モミサク)が成分。

250mm缶より少し細くて長いくらいのサイズ。カバンのホルダーなどに収納できるちょうど良いサイズ感も購入の決め手

成分はやはりカプサイシン。そして籾酢だそうだ。どちらもクマの忌避効果が高いとのこと。

まぁ、会ったら、会っただな。というスタンスなので、これに頼ってみることに。なにせ安い。4000円でお釣りがくる。

ほかにもポリスマグナムなんてスプレーもあります。上の『くまいちばん』よりは少し高いですが、日本に生息するクマ向けに作られているという解説がありました。なんでも、効き目が強力すぎると、場合によっては熊が後日凶暴化するなんてお話もあるようです。そういった部分も含めて推しとのこと。

こういった商品を使わないに越したことはないのですが、背に腹変えられぬ局面もあることでしょう。

猛暑などの気候変動、大雨、山が痩せてきている、ハンターの減少。そんな状況ですので、今後、クマとの遭遇確率は笑い事でなく上がってきます。自分の身を守る準備だけは怠らないようにしたいですね。

最後に一般的に知られている『熊に出会った時』の対策。記者も何度か実践しているので効果はありますが、もちろん安全を保証するものではありませんのであしからず。兎に角、合わない工夫をするのが大前提ではあります。

  • 背を向けて逃げない。急な動きを見せない
  • 対峙したら、目はあわせず向き合い、視界にクマを入れながらゆっくり後退り
  • 小熊を見たら急に動かない、ゆっくり離れる。
  • 襲ってきたら自身を大きく見せて威嚇する(小熊がいる場合は逆効果)
  • 組み合いになったら、頭、首を守ってうずくまる。ナイフ、ナタがあったら戦う(しかない)


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