
タイニークラッシュ人気により、今やバスアングラーでその名を知らない人はいないであろう『DRT』。その最新作として登場予定であり、少しずつ明らかになるその全貌に注目が集まっているのが『ファラオ』と呼ばれるルアーだ。最大の特徴ともいえる「布」はなぜ使われたのか?そして今はどんな状態なのだろうか?
●文:ルアマガプラス編集部
白川友也
しらかわ・ともや/三重県出身、滋賀県在住。30歳にしてカスタムロッドから釣り事業を開始。その後はDRTブランドでオリジナルロッド、ルアーを制作。シャトル、タイニークラッシュが大ヒットし、新時代の旗手として頭角を現す。元パンクスという出自を活かし、ロックなデザインを製品に落とし込むことに成功。新しいファン層を獲得している。
ジョイントボディへと進化!
さすがのアメリカ人もこれは思いつかなかったようだ。
バスルアーの歴史上、類を見ない布製ベイト、その名もファラオ。アイデアのきっかけは釣具店で売られていたバス型の鯉のぼりだったという。それを買って泳がせてみると…数匹のでかバスのチェイスがあった。
それから数年後の2022年、ついに開発に着手する。
白川「ファラオのコアは今はジョイントですが、元々ワンピースでした。それに布が被さっている。例えるなら、コンビニの袋に石を入れて投げて、それを水中で引くイメージです」
2年前の2022年6月17日。白川さんが初めてファラオでキャッチした8ポンドのバス。表層をただ巻きしていたところ、いきなりドカン! と食ってきたそうな。ちなみにたまたま近くで釣りをしていた栗田学さんが撮影してくれたらしい。
初期のファラオは、浮かせる、沈ませる、まっすぐ引く…くらいしかできなかったという。その後、コアをクラッシュシリーズのようにジョイント化することとなった。
ファラオ・プロトタイプ
白川「ジョイントならばまっすぐ引くこともできるし、首振りなどの操作も可能。その自由度はジョイントの方が高い」
ジョイント化することで若干飛距離は落ちたが、多彩なアクションが可能になり、あと一歩でバイトに至らないバスに対して食わせのアクションで追撃するという選択肢が増えた。
初期のビッグベイトを彷彿とさせる集魚力を持つファラオだが、でかバスを魅了する要素とはなん
なのだろうか?
白川「ファラオを使ってみて感じたのは、まず視覚。バスがファラオを見て寄ってくるという要素は、他のビッグベイトよりも明らかに上です。強烈な勢いで寄ってきて離れないこともある反面、あと一歩が詰まらないことも多い。本当に1センチとか数ミリ。『理由はなんやろ?』と考え、自分の中で出た答えは、水を動かすパワーが足りないんですね。そこに気づくまでは、スローにゆらゆらと動かしたり、魚にルアーを見せて寄せていました。布パワーで」
それでもバイトまではなかなか至らないことが多かったという。バイトするにしても、疑いながらチョンと啄むような軽いもの。視覚だけでは完全にバスを狂わせることができないのだろうか…。
白川「そこで、リップを付けてみました。今年の2〜3月くらいに、ライブスコープで確認しながら魚礁の上で浮いているバスを狙ったんですね。冬にやるような釣りじゃないクランキングをわざとグリグリやったんです。そうしたら、思いっきり食ってきた。これは今までのファラオと反応が違うと感じました」
その後、早明浦ダムのテストでも高速のクランキング&ポーズを試したところ、バスの反応が激変したという。
白川「それまでは、布を動かすなど視覚的な動きを気にしすぎて、側線に訴える部分が弱かった。ルアー的な波動をすっかり飛ばしてしまっていたんですね。今はアイの位置やコアの構造を変えるなどして、波動を出す方向にシフトし様子を見ています」
ファラオのタックル
●ロッド:プロトタイプ(DRT)●リール:カルカッタコンクエストDC200HG(シマノ)+バリアルハンドル110(DRT)●ライン:フロロ25ポンド