
オカッパリ、ボート問わず、ハイシーズンの大きな武器になる「チョウチン」は、ラインを枝などのカバーに引っ掛けてルアーを吊るし、水面で誘いをかける釣りだ。繊細な釣りだがバイトはエキサイティング。チョウチンの第一人者である青木大介さんに、その心技体を教えていただいた。
●文:ルアマガプラス編集部
青木大介
あおき・だいすけ/国内トーナメントのビッグタイトルを総なめにして2019年からは米国トーナメントに参戦。2021年B.A.S.S.サザンオープンダグラスレイク戦優勝。2024年からはJBトップ50で活躍中。虫ルアーでのチョウチンを得意とする自称「チョウチニスト」
チョウチンの『心』:吊るし場の見極め方
サイトが基本。カバーや岸に寄っている方が食わせやすい
カバーの奥や岸際にバスが止まっていたり回遊していたりすればチャンス到来。写真のように張り出したレイダウンのシェードにもバスが止まっていることがあるのでチェックすること。
壁に生えた植物に吊るし、壁を伝うようにルアーを吊るせばバスをだましやすいが、高いキャスト精度が要求される。とはいえ、カバーから離れて沖を泳いでいるバスはチョウチンでは狙いにくい。
例えばAからBの方向に見えバスが泳いできたとしよう。その場合、①に吊るして食うバスはイージーなバス。気難しいバスを食わせるためには、バスの進行方向の先にある濃いカバーの②に吊るしておき、バスがカバーに近づいたときに気づかせて食わせる。また、Cのような沖側を泳いでいるバスはチョウチンの守備範囲外。
チョウチンの『技』:ルアーの動かし方
変幻自在の「揺らし」パターンを習得せよ!
1
吊るせたら、まずは水面からあまり離れないようにピョンピョンと小刻みに虫ルアーで水面を叩く。
2
1の動かし方でバスに気づいてもらえなかった場合は、上下動の幅を大きくして、より水しぶきが出るように激しく誘う。これでも気づいてもらえない場合は、吊るす位置が悪い。
3
バスが虫ルアーを発見して近づいてきたら、虫ルアーを水面から出して、空中で止め、バスを焦らす。空中でシェイクするのもあり。このあとに再度、ルアーを水面に落としてバイトに持ち込む。
4
3までの誘いに反応しなかった場合は、沈む虫ならではの奥の手として、スッとルアーを沈めてみよう。水面には反応しなくてもこの誘いで口を使う場合も多い。
吊るしの具
ムシエモン[ ディスタイル]
エラストマー素材の浮くタイプの虫ルアー。チョウチンでの使用はもちろん、浮力を生かして、水面で放置したり、ドッグウォークさせたりできる。柔らかい素材と深いスリットでフッキング性能も抜群だ。
SVSB[ ディスタイル]
虫ルアーの絶対的定番。こちらは沈むタイプ。フォールではそれぞれの触覚がピリピリと細かく振動してバスを誘う。水面チョウチンに反応しなかった場合、沈めるという次の一手を繰り出せるので、青木さんはまずはSVSBを使うことを勧めている。
ミミキング6.8インチ[ディスタイル]
エラストマー素材のロングワーム。変化球として、ロングワームをチョウチンで使うこともある。ただし、虫ルアーよりはフッキングが悪いので、青木さんは虫ルアーをメインに使用していた。オープンウォーターのサイトではミミキングの出番が圧倒的に多い。
チョウチンの『体』:チョウチンの命は正確なキャスト
基本はピッチングで、手首のスナップを効かせて鋭い直線的な弾道で虫ルアーをカバー奥に送り込む。
青木「チョウチンの成否はキャストで8割が決まるといっても過言ではないくらい重要です。鋭く強めにキャストして、フェザリングで調整するとよいです。角度が難しいときはサイドキャストも使います。あと、最近はPEラインにフロロリーダーを組むようにしています。カラミ防止になるのと、結束強度も強いので」
青木大介御用達のチョウチン対応PEライン
ザルツ ゼノス X8 BASS[ラインシステム]
フロロカーボンのような滑らかさのPEライン
ハイグレード原糸をINFINITY PITCHという精密なピッチで編み込んだザルツ史上最強の8ブレイドPEライン。直線強力、耐摩耗性、飛距離という相反する要素を高次元で融合した。
青木「触ればわかるんですが、フロロカーボンのような滑らかさで表面の凹凸をほぼ感じない。チョウチンの釣りでカバーに引っ掛けてもスルスルと落ちてくれるし、飛距離も出ます。直線強力が0.8号で16ポンドあって強い。PE っぽくないPEラインですね」