
エギングはほぼ初挑戦のルアマガ女子部片原さんに、エギングエキスパートの湯川さんが釣り方をレクチャー! 湯川さんは基本のキの字からしっかり教えつつ、必釣のコツを惜しげもなく伝授! 入門者養成企画にしてガチでエギングを楽しむためのバイブルをお届けしよう。
●文:ルアマガプラス編集部 ●取材協力:(株)シマノ
エギングほぼ初挑戦で湯川さんとキロオーバーのダブルヒット。ここに至るまでの基本と必釣のコツを紹介!
結果からお伝えすると、エギング歴は「友人と海に行き、数投しただけ。10分くらいです」という片原さんが、実釣通算約8時間後にはキロオーバーをキャッチ!
その理由は…湯川さんが実践する必釣のエッセンスのレクチャーを受け、しっかりと実践できたからだ。エギング入門者の方が基本をマスターしつつ、いち早く釣果を手にする方法を教えます(動画はホントに必見です)!
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エギング入門実践編「もう入門者のレベルじゃない!」(JOE)。釣れすぎ! 片原さんに教えたこととは?
湯川さんは片原さんにキャストからシャクリ、ピックアップまでエギングの一連の動作やエギの選び方を伝授。実釣開始1時間も経たないうちに湯川さんからこんな言葉が出た。
JOE「もう入門者のレベルじゃない(笑)。中級者といってもおかしくない。片原さんはいろいろな釣りをしてるから飲み込みが早いですわ」
そして実釣開始1時間後には湯川さんのエギに付いてきたイカをサイトフィッシングで釣らせてもらい、エギングで初めてのアオリイカをキャッチ! 順調すぎるエギングデビューを果たした片原さん。その後の実釣の模様をお届けしよう。湯川さんのアドバイスが片原さんを上達&釣果アップに導く!
片原さんの記念すべき1杯目は湯川さんのエギで誘き寄せたイカをサイトで仕留めた。
エギング入門実践編 潮目や沈み根など変化があれば狙い撃ち、効率良く探る!
エギングはほぼ初めてでも様々な釣り経験を持つ片原さんは、釣りをしながらいろいろな疑問が浮かんでくる。その一つがコレ。
EMMA「エギングってどんなところを狙えば良いんですか?」
JOE「堤防のように水深のある海が目の前に広がるところは扇状に広く探るのも一つありやし、あとは潮目が入ってきたらそこは絶対に狙う。堤防の付け根側のシャローに見える水中のシモリ(沈み根)や海藻などの障害物も。イカは変化についていることが多く、そこを撃つほうが効率良く探れるからね」
海藻などの浮きゴミが溜まる潮目や流れのヨレなど海面の変化も狙いどころ。水道のような地形も潮が動けばイカが回ってきやすい。
海底にある沈み根や、海底が急に落ち込むブレイクなど地形の変化も狙い目だ。
風を正面または背から受ける立ち位置をとる!
エギングをするなら無風がベスト。風が吹く日の釣り場は、風裏エリアに入るのが大前提だ。だが実釣時は終日南寄りの強風が吹き、風裏エリアでも巻く風が釣りを邪魔する。片原さんも釣りにくそうだ。
JOE「立ち位置を変えよう。堤防の先端側に行こう」
そこは港内に向かって風を背で受ける立ち位置だ。
EMMA「エギがめっちゃ飛ぶ(笑)」
JOE「追い風やからね。重要なのは風が吹くときは、風を正面か背中で受ける立ち位置のほうが良い。ラインを真っ直ぐにコントロールしやすい。横風を受けるとラインが引っ張られて、フォール中のエギの姿勢が安定しない」
EMMA「イカが抱かないということですね?」
JOE「そう。あと風の吹く日は着水後、サオ先をなるべく水面に近づけて糸フケを巻き、ラインを真っ直ぐにすることも大事」
風が吹く日のエギングは、風を正面または背中側で受ける立ち位置がベター。風が強いほど横風の影響を受ける立ち位置は、ラインが風で引っ張られて釣りにくくなる
エギング入門実践編「糸の動きが変わりました」(EMMA)。ラインの変化でアタリがとれれば一人前!
EMMA「糸の動きが変わりました」
これでバシッとアワせて獲ったのが、ボトムに潜むモンゴウイカだ。強風下でも正しい立ち位置でラインを真っ直ぐに保ち、底付近をしっかり探っている証拠だ。
JOE「ドンッというアタリやったやろ! モンゴウは触腕でバッ! とエギを引き寄せるからね」
その捕食行動がラインの動きに出たということだ。
JOE「それにしてもラインの動きでアタリがとれればもう一人前やわ(笑)」
EMMA「違うアタリの出方もあるんですか?」
JOE「エギをひったくるように持っていくアタリもあれば、触腕でパンッと触るだけのアタリもある。アタリがわからず、次のシャクリでのってた! ということもある。入門者の方に限らず、自分でもたまにあるからね(笑)」
アオリイカのアタリは繊細。入門者の方はアタリかな? と思ったらまずはアワせてみよう。空アワセでもそれがアピールになり、フォールで抱くこともある。
ラインがピンッと張ったり、緩んだり、フォール中に水中に引き込まれるラインが止まるなど、ラインに出るアタリは様々。ラインの動きに変化があればアワせてみよう。
ラインの変化でアタリをとってかけるのもエギングの魅力。エギングほぼ初挑戦の片原さんもその楽しさを体感。
ヒットエギ セフィア クリンチフラッシュブースト3.5号ピンクグローG(シマノ)
堅実なやりとりはテンションを一定に保ってリールを巻く!
EMMA「ボトムを探ってたらラインがピンッと張った」
片原さん、またしてもラインの変化でアタリをとり、今度はブラインドで2杯目のアオリイカをかけた。
JOE「すごいなっ(笑)。はい、そのままゆっくり一定のテンションを保って巻く。イカが引いたら巻くのを止めて」
湯川さんのアドバイスで遠くでかけたイカも無事にキャッチ。エギのカンナ(ハリ)はカエシがない。テンションが緩むと抜ける可能性があるので、ロッドの角度を一定に保って巻く。慣れないうちはロッドを立てながら寄せ、戻しながらリールを巻くポンピングは避けよう。
イカとのやりとりはロッドの角度とテンションを一定に保ってリールを巻くのが基本。イカが引いたら巻く手を止め、サオの曲がりやドラグで吸収。イカ独特の引きを楽しもう!
ヒットエギはセフィア クリンチフラッシュブースト3.5号ピンクグローG(シマノ)。ピンクグローGはローライト時にも有効なカラーだ。
実釣の締めはまさかのキロオーバーダブルヒット!
実釣は、湯川さんが爆風の中で釣れば、片原さんは自分のエギに付いてきたイカをサイトで仕留めるという入門者らしからぬ釣果を披露。
湯川さんは釣り上げたイカが風になびくほどの強風下でヒット。
ヒットエギ セフィア クリンチフラッシュブースト3.5号Fライムブルー(シマノ)
片原さんは自分のエギに付いてきたイカをサイトで抱かせた。ヒットエギはセフィア クリンチフラッシュブースト3.5号ピンクグローG(シマノ)。
実釣終盤の間もなく夕マヅメというタイミングで、突如、クライマックスはやってきた! 湯川さんが堤防先端から沖に遠投したエギに良型のイカがヒット!!
JOE「うわっ、遠い(笑)。1シャクリめでダンッやった。なかなか寄ってけえへんぞ。キロは超えてるんちゃうかな」
かけたイカが水面に浮上するとキロ超え確定!
EMMA「えっ!? 大きい! すごい!」
JOE「後ろ、付いてきた? あっ、そこ、投げて投げて!」
湯川さんがかけたイカに付いてきたキロオーバーを片原さんが至近距離で抱かせた!
サイトはエギをしっかり止めて喰わせる。イカが引くときはリールを巻かない…片原さんは湯川さんの教えを身につけているか? それを試すかのようなイカが現れ、片原さんはしっかり応えてみせた。
片原さんのヒットエギはセフィア クリンチフラッシュブースト3.5号Fライムブルー(シマノ)。湯川さんのヒットエギはセフィア クリンチエクスカウンター3.8号ピンクグローG(シマノ)。
「この釣りに出会えて良かったです!」(EMMA)。初めてでもエギングは100%楽しめる!
二人そろってキロオーバーを手にし、今回の実釣は華々しく幕を引いた。
JOE「どうでした、初めてのエギング?」
EMMA「とにかく感動です。エギングは難しいっていうイメージが先行してたんですけど、こんなに楽しいんだ! と思いました。この釣りに出会えて良かったです!」
JOE「片原さんはキャスティングもシャクリもどんどん上手くなって、ラインメンディングもできるし、ラインでアタリもとれる。いろいろな釣りをしてベースができているから上達が早い」
JOE「今回は風が強くて一つの堤防にしか入れなかったけど、秋になればまた違った攻め方、楽しみ方がある。行きますか?」
EMMA「ぜひ! よろしくお願いします!!」
お二人の釣行はまだまだ続くようだ。
アングラープロフィール
教える人 JOE(湯川マサタカ ゆかわ・まさたか)
和歌山県紀伊半島をホームに活躍するエギングのエキスパート。攻撃的なラン&ガンから丁寧なボトム攻略まで釣りの振り幅は広く、1杯を獲るまでの過程にもこだわる釣りを展開する。JOE STYLE EGING RUN&GUN ADVENTURE でガイドとしても活動し、一般アングラーへのエギングの手解きもお手のもの。
教わる人 EMMA(片原恵麻 かたはら・えま)
釣りは3、4年前に船釣り体験ツアーのキス釣りに一人で参加して以来、熱中。持ち前のアクティブさで細のタナゴ釣りからキハダマグロの船釣りまで幅広い釣種にチャレンジしているルアマガ女子部メンバーだ。エギング歴約10分とほぼ初体験で湯川さんのレクチャーを受けつつ、でかイカ捕獲を目指す!