アカムツのジギングといえば、水深200m以深の中深海のイメージが強い。「エキスパートの領域。そんなのムリムリ」と思っている方に清水一成さんが提案するのが今回の釣行だ。「富山なら水深100m前後から150m。130gのジグで釣れます」。なるほど、これなら通常のジギングの範疇。清水さんの釣りを参考にすればアカムツが手軽に狙えるかも? 早速、レクチャーいただこう! まずは富山湾アカムツジギングの概要と使用メタルジグについてだ!
●文:ルアマガプラス編集部(双木直行)
アングラープロフィール
清水一成(しみず・かずなり)
親の代からの釣り具屋稼業で反抗期?としてルアーを追求。伊勢湾で培ったスキルを日本のみならず世界で磨きをかけるエキスパートだ。愛知県蒲郡市「ポイント釣具」を営みながら伊勢湾ジギング船「39」を駆る。DAIWAフィールドテスター。
釣り場は水深100~150mの近海。130gのメタルジグで勝負!
今回実釣をする富山湾は水深1000mを超える海底谷がいく筋も走り、沿岸に向かって深海が迫り上がる地形で流入河川も多い。ホタルイカ、シロエビ、寒ブリなどの特産魚も豊富な日本海の天然の生簀と呼ばれる海域だ。そこに生息する人気ターゲットの一つがアカムツ。ノドグロの通称でも知られる高級魚だ。
清水「富山のアカムツは近海の水深100m前後と比較的浅いところで釣れる。しかも居れば素直に喰ってくることが多い。僕の大好きなフィールドです」
アカムツにはフォールで暴れないメタルジグが有効
アカムツにしては浅い近海で狙えるとはいえ、メタルジグの選び方や探り方にコツはあるはず。実釣で清水さんが選んだジグはソルティガ・ジャイブチョッパー130g(DAIWA)。清水さんが監修したショートタイプのベイトジギング用ジグだ。
清水「アカムツはジグがバタバタ動くのを嫌がる。ジャイブチョッパーは、リアバランスでフォールはテールからスッと直線的にやさしく落ちる。アカムツにも非常に有効です」
ソルティガ ジャイブチョッパー(DAIWA)
フックは#2/0。
清水「#3/0でも良いです。暴れすぎを抑えるために、フックの長さを足し算しジグに抵抗をつけることも覚えておいてください」
底から1mでレンジキープ! 細かい底どりが釣果を出す秘訣
使用するロッドはアウトレイジSJ61B-1と同61B-2(DAIWA)。アウトレイジSJシリーズの中ではライト寄りのスロージギングロッドだ。
清水「底付近をゆっくり丁寧に探ります。コツとしては底から上1mでレンジキープ。そのためには細かく底どりをして喰わせにいく。カケサガリならシャクってもリールを巻かなくて良いし、傾斜が急ならラインを送り込む。カケアガリを探るときは上がる傾斜に合わせてリールを巻く。とにかく底のレンジをしっかりキープするのが基本で、細かく底どりしている人が良く釣ります」
富山のアカムツ狙いにジャイブチョッパー130gを選ぶ理由
アカムツはジグがバタバタ動くのを嫌う。レンジは底から1mをキープ。そのためにはボトムの傾斜に合わせて細かく底をとる、といったアカムツ攻略のキーワードが出てきたが、それを実行するためにもソルティガ•ジャイブチョッパー(DAIWA)が適任ということだ。
清水「アカムツを寄せるシャクリや、ラインが張るか張らんかのゼロテンションフォールなど、アカムツを釣るためのテクニックはほかにもありますが、それをやりやすいジグがジャイブチョッパーなんです。アカムツはフォール中のアタリが多い。アカムツはバタバタ動くものを嫌うので、リアバランスでスーッと真っ直ぐ落ちるジャイブチョッパーに反応しやすい。ゼロテンションフォールだとアタリもとれます」
ではジャイブチョッパーの130gを選ぶわけは?
清水「ジャイブチョッパーの150gも180gも釣れます。ただ、ジグが重いほどシャクったあと、瞬時にフォールしていく。それが効くときもあるし、130gだとスッと瞬間的に横を向いてから落ちる。フォールに入るまでに一瞬の間ができる。このほんのちょっと間がアカムツにアピールするというイメージですね。あとは魚にフォールを見せたいので130gでフォールスピードを落とすという意味もあります」
このジグセレクトが奏功し、難敵のイメージが強いアカムツ1尾目があっさりと顔を見せてくれた。
これは便利! パッケージ活用術 ジグ収納に再利用!
ソルティガ•ジャイブチョッパー(DAIWA)のパッケージ開口部はボタンが付いていて、清水さんはメタルジグの収納に再利用している。
清水「パッケージのフタがパチッとしっかり閉まるのが良い。サイズが表記してあるシールを切って貼り、ジグとジグがぶつかっても傷つかないようにして、ジグを2、3本ずつ詰めてタックスボックスに収納。ハリをつけたままでも収納しやすいし、安全です」
カラーセレクトはグローを配したカラーを中心に目先を変えるカラーも有効
アカムツ狙いのメタルジグで清水さんはカラーにも気をつかうということだ。
清水「この色じゃないと釣れないということはないですけど、富山をはじめ全国的にみても、アカムツにはオレンジゼブラグローなどグローが入った色が必要になります。というのも、アカムツはイカを喰っていることが多く、イカを捕食しているときはグローが効きます」
清水さんのカラーセレクトは、過去の経験からグロー系を意識。さらに2024年秋のジャイブチョッパー追加2色にも期待を寄せる。
清水「アカムツは、今まで見たことのないカラーが意外と有効。ブラックパープルグローは太陽が高いときにシルエットがしっかり出る。パープルも深いところで見えやすいカラーでテールにはグローも入っている。ライムグリーンブラックも見たことのない色という意味で良いですよね。あとゴールド系やチャート系は潮が濁り気味のときのために必ず用意しておきたいカラーです」
富山のアカムツジギングで欠かせないメタルジグがソルティガ・ジャイブチョッパー130g(DAIWA)。初めてアカムツを狙う方は清水さんのアドバイスを参考に富山の海を訪れてみよう。
使用タックルデータ
上
- ロッド:アウトレイジ SJ61B-1(DAIWA)
- リール:ティエラA IC150-DH(DAIWA)
- ライン:UVF PEデュラセンサーX8EX+Si3 1.2号(DAIWA)
- リーダー:ソルティガ フロロリーダー X’LINK(クロスリンク)20lb(DAIWA
下
- ロッド:アウトレイジ SJ61B-2(DAIWA)
- リール:ティエラA IC150H(DAIWA)
- ライン:UVF PEデュラセンサーX8EX+Si3 1.2号(DAIWA)
- リーダー:ソルティガ フロロリーダー X’LINK(クロスリンク)20lb(DAIWA)
取材協力:強神丸
富山県射水市の新湊マリーナを拠点にする遊漁船でアカムツをはじめスルメイカ、オニカサゴ、根魚五目など幅広い魚種、釣種に対応。近年のアカムツブームを牽引する船の一つでもある。
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