
カリスマトーナメンターに岸釣りスペシャリスト、そしてギル型ビッグベイトの使い手。
常に水辺に立ち、水辺に浮かび、人生の大半をバス釣りに捧げてきた達人3人が本音で語るブルーギル&ギルルアーのすべて。
身近なようで意外と知らないブルーギルとバスの関係が、ちょっとずつ見えてきました。
●文:ルアマガプラス編集部
profile
三原直之(みはら・なおゆき) 左
JBトップ50で活躍後、現在はイマカツで自身の新ブランド「WAZAMONO」を立ち上げ、ルアー開発を行なったり、「NEW KABUKI BRAND」でアパレルを展開するなどマルチに活躍中。ギル型ビッグベイト・ギルロイドシリーズの使い手としても知られる。
金森隆志(かなもり・たかし) 中央
長年、日本のオカッパリシーンを牽引してきたエポックメーカー。陸王では3度の栄冠を手にし岸釣りのイメージが強いが、艇王でも2度の優勝を果たすなど優れた観察眼と爆発力はスタイルを選ばない。レイドジャパンからはヒラタイラーやGダッシュといったギル系ルアーを輩出。
青木大介(あおき・だいすけ) 右
JBトップ50で3度の年間優勝、バサーオールスタークラシックで2度の優勝など国内のビッグタイトルを総なめにしたバスプロ界のカリスマ。代表を務めるディスタイルからはギルーラやトラスターなどのギル系ワームを発表している。新作ギル系ワームのギーラカンスも発売間近。
シークレット・ギルルアー・カタログ①
ブルフラット(デプス)
陸王2015遠賀川戦における青木大介さんの爆釣劇があまりにも有名。デプスの奥村さん曰く、「釣れる最大の秘密はテールの波動」らしい。亀山ダムでの釣果報告から全国的に人気に火がついた。
トラスター(ディスタイル)
ツインテールがパタパタと細かくはためいてバスにアピール。琵琶湖ガイドの西平守良さんが上下動するギルの動きに反応するデカバスを何度も目撃し開発。実はギルをイミテートしたワーム。
ギルロイドJr.(イマカツ)
三原直之さんの十八番とも言えるギル系ビッグベイト。三原「ジュニアは50アップ担当で45cmくらいのやつはミニーでしっかり吸い込ませます」。関東の亀山ダムでもロクマル実績が高いデカバスキラー。
シークレット・ギルルアー・カタログ②
ギーラカンス(ディスタイル)
昨年までJBトップ50で活躍し、今年から米国バスマスターオープンに参戦している青木唯さんプロデュースのエラストマー製ギルワーム。「この発想はなかった」と金森さんをも唸らせた。
ギルロイドミニー(イマカツ)
ギルロイドブラザーズの末弟で手のひらよりも小さい最小サイズ。リップ付きでクランクベイトとして使えるが、三原さん的には「泳がせるためではなくブレーキをかけて移動距離を抑えるためのもの」とのこと。
ギルロイドソフト(イマカツ)※プロト
ギルロイドJr.のソフトベイト版で、三原さんの新プランド「WAZAMONO」で開発中。ボトムに置いてバスに「吸わせる」ための設計。ハードプラグよりも口の中に入りやすい。ジョイントにより小技も効く。
シークレット・ギルルアー・カタログ③
上:チビタレルデッドライズ(ジャッカル)下:VERO120F(ベトベト)
リーリングでは立って泳ぐが、止めると横倒れになって浮き、瀕死のブルーギルを演出する。本誌50ページの吉田秀雄さんの記事にも関連するが、扁平なベイトフィッシュの横倒れにはまだまだ可能性がありそう。
Gダッシュ(レイドジャパン)
レイドジャパンを代表するギル型ジョイントベイト。ゆっくり漂わせたり、そこから名前の通りダッシュで逃してバスにスイッチを入れることができる。青木大介さんも思わず「これ、めっちゃ釣れそうっすね!」
ヒラタイラー(レイドジャパン)
スパイラルフォールとリブによる水噛みを両立させたギル系ワームのレイドジャパン的解答。最大サイズは5.7inもあるが、ボディの芯が細くよくねじれるため、フッキングは抜群にいい。
青木大介PICK UP ギルルアー
ゾーイ(T.H.タックル)
ギリング125(ジークラック)
日米で活躍したギル系ルアーは対極の使い方
青木「ゾーイはギルネストパターンを最初に始めたときに使っていたルアー。基本的には置いておくか、見に来たときにチョンと動かす感じの使い方。あと、アメリカでめちゃくちゃ釣れたのがギリング125のハイフロートモデル。アメリカっていろんな種類のギルがいて、どのギルを食っていたかはわからないんだけど、これを速巻きでブリブリブリッと動かすととにかくよく釣れました。165の大きい方のサイズもあるけど125で速さを出す方がそのときは効きましたね」
三原直之 PICK UP ギルルアー
フリップギル+フラチャット14g(ノリーズ)
フリップギルは水中の羽根モノ
三原「理解するまでにけっこう苦労したのがノリーズさんのフリップギル。これは亀山ダムのロクマルハンター・城ノ上巧さんから頂いた通称ギルチャットです。僕はよくブレーデッドジグにハドルギルをつけて巻くんですけど、基本速巻きなんです。城ノ上さんはめちゃくちゃゆっくり巻きます。フリップギルをトレーラーにしているからそれができる。ネコリグでもよく使われますがとにかく水押しが強い。フリップギルは僕の中では水中の羽根モノ。強くて遅いもので『おいでおいで〜』って誘うイメージです」
金森隆志 PICK UP ギルルアー
ベローズギル(ジークラック)
水噛み最強ギルワームをi字で使う変則技
金森「陸王の遠賀川戦で青木がブルフラットのi字引きで爆釣したのを見て、自分もギルワームのi字引きを研究しようと思って使っていたのがベローズギル。2inや2.8inといった小さいサイズは、マスバリを中通しの下出しでセットして使います。まさに稚ギル。秋や初冬に、浮いた稚ギルを食いたい上目線のバスに対し、これをi字でスーッと引くとチュポッと食ってくれます。もちろん3.8inや5.8inの大きいサイズも大好きです」
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