【正直レビュー】渓流シューズの最終回答?キャラバンのガチモデルをマジ釣りで履き倒す【KR_MSF WIDE】

2024年にデビューするやいなや、渓流フィッシングで最注目モデルとなった「渓流」ブランドの「KR_MSF WIDE」。沢登りファンいわゆる沢屋たちにもガチ信奉されるブランドが満を持してリリースした、釣り特化モデルだ。その真価を知るべくルアマガ編集部員が実釣インプレする!

●文:ルアマガプラス編集部

恩恵? 御利益!? 34cmイワナも飛び出すロケ!

かなり開けた場所から小渓までいろいろ巡った

訪れたのは信越地方の河川上流部。小一時間ほど林道を歩いた先で、しっかり2日実釣インプレッションを敢行してきた。インプレ当日は盛夏後半で、いわゆるウェットウェーディングスタイルが気持ちいいシーズン。上流部はイワナオンリーの渓で、泣き尺サイズも飛び出した。

渓流「KR_MSF WIDE」(キャラバン)

KR_MSF WIDE

ハイブリッドな素材で構成されるアウトソールと、突出した水抜き性能を隠し持ったフェルトソールで仕上げられたKR_MSF WIDE。沢登りで定評のある同ブランドの基本設計を継承し、釣りに特化させたモデルとなる。日本人に多い幅広の足に合わせた形状で、安全性能と快適指数を向上させている。

  • カラー:グレー/ブラック(全2色)
  • サイズ:25.0〜29.0cm(1cm刻み・全5サイズ)
  • ワイズ(足幅):3E WIDE
  • 重量:約450g(26.0cm片足標準)
  • 素材【アッパー】ポリエステルメッシュ/樹脂(トゥバンパー+ランドラバー補強)
  • 素材【ライニング】ポリエステルメッシュ
  • 素材【ソール】13mmPPフェルト(ミッドソール:EVA)
  • 素材【インソールボード】エクストラライトフレーム
  • 素材【インソール】EVAインソール

気になる【フィット感】【陸歩行&登坂】【水中遡行】【耐久性能】をインプレ!

ルアマガ編集部員からはフカタニ、カミオカが参戦。フカタニはフライフィッシングで、カミオカはルアーフィッシングで釣り登った。今回テストしたKR_MSF WIDEのサイズは28.0cm。渓流 CRスパッツ&ソックスを着用してインプレした。

カミオカ

足のサイズ:27〜27.5cm。渓流歴だけは35年と長い隠れメタボ中年。10年前から渓流ミノーイングにハマったミーハー気質だが元はフライマン。スピニングタックルでのルアーフィッシングでテストする。渓流ソックスの下にはルアーマガジンリバーとrootwatsocksのコラボアイテムソックス(5本指タイプ)を着用した。

フカタニ

足のサイズ:27.5cm。渓流歴は33年。右膝に故障のあるメタボ中年(その2)。渓流は基本、フライフィッシングがメイン。夏のお手軽ゲータースタイルと称し、パンツはワークマン。上のド派手なシャツはルアマガで販売したオールバリアシャツ。

【フィット感】歩く、しゃがむ、立ち続ける…釣りの動きに追随

この日はウェットウェーディングだったがソックスタイプのウェーダーにも当然使える

カミオカ

履き口後ろ側はネオプレーンのような素材でピッタリしているのにキツくなく、ジャリとか異物も入りづらくなっている

元々そんなに足の幅は広くないので、ワイズの圧迫感はまったくなし。また靴ヒモ金具の上2つがフックタイプになっているので、つま先から足首まではガチガチに締めて最後2つはゆるめに。そうすると中はしっかりホールドされて歩きやすい。一方、ひざまづくときは履き口周辺が柔軟に追随して動きを邪魔しない。

フカタニ

自分は基本的に日本人にありがちな、甲高幅広タイプの足形なんですが日本製ということもありフィット感はバッチリ。ほぼ新品のサンプルだったのでこなれるまで履きづらいのかな?と思っていましたが、最初から快適すぎて感動。足首もガッチリ固定されるタイプが好きなので、しっかりと靴紐を上まで締め込みましたが、それが苦手な方でも結び方で調整できるとのこと。

【陸歩行&登坂】密度高いフェルトで意外と歩きやすい

小一時間林道を歩いたが歩きづらさは感じず

カミオカ

ソールは完全フラットなフェルトなんだけど、足裏形状に合わせてか厚みに若干テーパーがついている

乾いた石を踏んでも、土踏まずあたりに若干余裕があって踏み込みでの突き上げが和らいでいた印象。フェルト自体は高密度で硬めかなと感じた。クッション性のあるインソールが欲しくなる。普段ウェーディングシューズではスポーツ用のインソールを愛用。今回も試してみたら割とアリだなと感じた。

フカタニ

フェルトシューズの場合、林道などの陸路移動時はもちろん、崖や藪漕ぎなどでラバー系などに機動力で劣るイメージなのだけど、全体的に軽いし嫌なホールド感がないので歩きやすかった。渓流釣りの場合、陸での移動と水辺の移動の割合はイーブンでどっちの性能も捨てがたい。でも硬めのフェルトということもあってか陸でも快適。

【水中遡行】衝撃的な水抜け性能!

前方から水が気持ちよく流れ出る

カミオカ

これはインソールの下、ここの穴からフェルトを通じて排水される

はっきり言ってシューズ内に入った水の抜けっぷりは異常。コップを逆さまにしたように…というと大げさかもしれないけど、次の一歩を踏み出すときにはソールからほとんど排水されている。これは足上げ時に水の重みが軽減されるので疲れなさに直結しそう。もちろんサイドにも水抜き穴はあって(空気穴的に働くこともあるのか?)、排水に貢献。

フカタニ

年々脚力が落ちてくると、ウェーディングシューズの重さが気になるんですが、とにかく排水力すごくて移動時の軽さが素晴らしい(水が抜ける!)

やや硬めのフェルトということもあって、水辺でのグリップ力は落ちるかもしれない?と警戒していましたが、必要十二分でした。個人的に使用しているラバー系のソールより、当然ながらグリップの安定感はありましたし、陸上使用の軽快さを鑑みると乗り換えたい気持ち。ただ、フェルトの耐久力に関しては長期使用していないため評価保留。硬さ的に一般的なフェルトソールよりは長持ちするとは思いますが。

【耐久性能】1年後が楽しみな高耐久ギミック

アッパーのソール側はラバーで保護されている(黒い部分)

カミオカ

耐久性に関しては…答えは1年後!?

こればっかりは釣行日数重ねるしかないので…。極悪非道にも岩に当ててダメージ与えてみようとしたら、キズ自体が付きにくい。メッシュのアッパーで軽量かつ柔軟なんだけど、樹脂プリントされているパートが本当に強い。ダメージが起きやすい靴ヒモを通す穴やフックも、樹脂プリント部に配されていて補強されている印象。

フカタニ

自分は、渓流釣り以外にもガサガサ遊びなどでもウェーディングシューズを投入して酷使するタイプなので耐久性は大事。ただ、足が石と石などに挟まった局面での足へのガード能力が高い上に、素材的にしっかりしていたので、結構、耐久性も高いのでは?と思っています。縫製などは実際に使用してみないとわからないところですが、沢登りシューズの老舗。そのあたりは抜かりないのではないでしょうか。

【総合インプレ】迷わず買い。釣り用ウェーディングシューズにしても格安

水の中を歩くのが楽しくなってくる

カミオカ

釣りの動作を妨げず、立ち続けるのも容易

柔軟性はありつつも、がっちり防御できるハード系の印象が残るハイカットウェーディングシューズ。僕は普段ソフトな履き心地のシューズが多いけど、軽くて強靭な1足というイメージで物欲が刺激される。それと長持ちするためのギミックがいくつも盛り込まれていて(ソールも、メーカーでの張り替え対応可能)、絶対長く付き合えそう!あと、このグレーの配色もフィールドで映えるのに汚れにくくココロ捉まされました。

フカタニ

はい。おべっかでなく次はコレにします。

フライマンは舶来系ブランドに惹かれがち。アメリカのめちゃ高級メーカーなどを履きこなすのがアイデンティティだったりするのですが、僕には微塵もそういう趣向がないので、むしろこなれた価格で長く使えそうな、このシューズを次は選ぶ気満々です。日本の方が設計してテストを繰り返してるわけですから、日本の渓流で使うのにいいに決まってる!と思っています。それに驚異的な水抜け機能に惚れました。

【KR_3XF】釣り人に人気の沢登り定番品は、やっぱり凄かった

KR_3XF

日本製のフェルトソールを採用した、まさに日本の渓流を遊び尽くすための一足。登攀などの沢登りにテキした2Eラスト(幅広の靴型)の設計、生地も柔軟でカッチリ系より、ソフトな履き心地を好む人にはこれがベストバイ。とにかく履きやすいキャラバンの軽量ウェーディングシューズ。

  • カラー:ブラック/レッド/ブルー(全3色)
  • サイズ:22.5〜29.0cm(レッドカラーのみ22.5〜28.0cm)
  • ワイズ(足幅):2E(レギュラー)
  • 重量:約385g(26.0cm片足標準)
  • 素材【アッパー】合成皮革+メッシュポリエステル(ラバー補強)
  • 素材【ライニング】不織布
  • 素材【ソール】13mmPPフェルト(ミッドソール:EVA)
  • 素材【インソールボード】エクストラライトフレーム
  • 素材【インソール】EVAインソール

カミオカ

サイズが22.5〜28.0cmまでは0.5cm刻みで展開するのも素敵

自分の周りでも履いていて超気になっているモデルトップクラスのコレ。エキスパートな人ほど履いている印象で…履いてみると納得。メチャクチャ足になじむんですよ。フィット感も高くて、足に当たるパートは柔らか。KR_MSF WIDEの方が高機能だけど、これは履き心地良き…。

フカタニ

柔軟性のある非常に履き心地の良い一足。林道を歩く時などは一般的なトレッキングシューズかと思うくらい快適。

先に紹介したKR_MSF WIDEはカチッと足首まわりをホールドしてプロテクトする安心感。こちらは柔軟性が高くフィット感が半端ない感じ。性格が違うので欲を言えば2足買って、渓流のタイプによって履き替えたいくらい。林道を長距離歩いてポイントにアクセスするときはこっち、車を止めてすぐに入るようなポイントはKR_MSF WIDEなんて使い分けができれば個人的には盤石。いや、どちらも欲しいっす。

同じ淵の表層にいた泣き尺29cmをフカタニがフライでゲット。

突如現れた深い淵のボトムでカミオカのメタルバイブに反応した34cmのイワナ。もちろん自己記録


※本記事は”ルアーマガジンリバー”から寄稿されたものであり、著作上の権利および文責は寄稿元に属します。なお、掲載内容は公開日時点のものであり、将来にわたってその真正性を保証するものでないこと、公開後の時間経過等に伴って内容に不備が生じる可能性があることをご了承ください。 ※特別な記載がないかぎり、価格情報は消費税込です。