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世界を旅する釣り人であり、釣り具メーカーのツララ(エクストリーム)のフィールドスタッフもつとめる前野慎太郎さん。今回は前野さんのYouTube『セカマタ』から、マレーシアを舞台に『カジキ』を狙うエピソードを紹介。釣り人なら一度は夢見る大物スプリンターが相手なだけに、観ている方も気が抜けないぞ!
●文:ルアマガプラス編集部 ●写真:セカマタチャンネル(前野 慎太郎)
2年ぶりのカジキ釣り! 友達と全員安打を狙う!!
いつもなら世界中どこでもひとりでヒョイヒョイと行ってしまう前野さんだが、今回は友達が4人も同行(ひとりは撮影担当)するというにぎやかな体制。全員前日から気合いが入りすぎて、あまり眠ってなさそうな顔をしているが…大丈夫だろうか。まあ、出す竿の数が増える分だけ、カジキと出会う確率も上がる…かも、しれない。
河口域の船着き場から出船するため、当然ながらカジキはまだいない。それでも水辺を見ると無条件で覗き込んでしまい、魚がいるかどうかを確認してしまうのが「釣り人の性」。カジキを釣ろうっていうのに「25cmくらいのがいる!」と興奮する、ある種の矛盾…。釣りの喜びに魚の大小は関係ないということか。
まずは「エサ」となる魚の調達から釣りをスタート。アジなどの小型魚をサビキやエサ釣りで釣るのだが、もうショッパナから“鯉のぼり状態”で釣れまくり! 仕掛けが絡んで“アラバマリグ”のごとく上がってきたアジの群れは、初めて見るかもしれない。
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建前は「まずはお手本」。しかし、本音は「オレが一番!」
エサも十分に確保したので、ここから本命のカジキ釣りがスタート。エサ釣りで出せるロッドは2本までのようで、現地のやり方ではリグの近くに目印となる風船を結び付けて、トローリングのようにゆっくりと流すようだ。この日は風船を買い忘れた(お約束!)こともあり、素の状態で流しているのだが…大丈夫か?
「風船なんて心配御無用!」とばかりに、いきなりのヒット! 一気に突っ走られて、ドラグが「ジーッ、ジ~ッ!!」と鳴りまくる!! しかし、カジキ釣りの本当の闘いはココからで、「醍醐味」であると同時に「地獄」とも言える、寄せては離れるを繰り返す反復運動が延々と続くのである。
しばしのファイトを堪能した後、肉眼でも魚体が確認できる位置までカジキが寄ってきた! 実は2年前にもここを訪れており、自らの手によるカジキを目撃するのはそれ以来。懐かしさが脳裏をかすめ、ある種の「賢者タイム」に陥りそうになったその時、目の前でカジキがジャンプしてビビる!!
そして、2年ぶりにバショウカジキをキャッチ! ご覧の通り大きな背ビレが最大の特徴で、バナナの仲間に属する植物「芭蕉(バショウ)」の葉に似ているということから、日本ではバショウカジキと呼ばれている。成魚になると最大で3mを超える、トローリングでは人気のターゲットだ。
貴重な生命であると同時に観光資源でもあるため、エラに海水を通して酸素を送り込んで蘇生させてからリリースする。各船のキャプテンたちは魚が釣れるたびにこの行程をゆっくり、そして丁寧に行うので、釣り人としてはしっかりと見守りたい「儀式」だ。
ほぼビギナーのカメラマン、カジキを釣ってしまう!
さて、とりあえず1本釣り上げて「ボツ」にはならないと安心したのもつかの間、今度はカメラを担当していた庄野さんのロッドにヒット! 「釣り動画あるある」なのだが、どういうワケかカメラマンが釣る。そして、それが一番大きかったりする。しかも、この庄野さんは釣りがほぼ初めてなだけに要領もよくわからず、体力だけが消耗していく…。
これぞ(ほぼ)ビギナーズラック! ただ、いきなりこのサイズを釣り上げてしまうと、後に釣る魚のほとんどを「小っさ!」と思ってしまうだろうと考えると、良いんだか悪いんだか…。しかし、これも運命。この先も釣りをするのなら、カジキより大きな魚を狙ってほしいものだ。
片や本命ゲットで「天国」、片や食材ゲットで「微妙」
続いてヨッシーさんもヒットするがバラシ! さらに続いてしょうごさんもヒットさせるが、カジキのハイパワーに翻弄されすぎて体力消耗MAX! 足がガクガクだ!!
やったゼ! 本日3本目!! マレーシアの海がスゴイのか、キャプテンがスゴ腕なのか、それとも彼らが強運の持ち主なのか。あまりにも順調すぎる釣果に、この後何か良からぬコトが起きてしまうのではないかと、見ている方が不安になりそうだ…。
目の前で3人に釣られ、置いてけぼりを食らうワケにはいかないヨッシーさんだが、どういうワケかこの日は「外道王」。クイーンフィッシュとスギが連発したが「食材確保」という意味ではありがたい釣果だ。
本命を釣らずに「タダの豚」で終われるのか!?
そして、最後に残されたナリさんのロッドに待望のアタリ! このスピード、このファイト…おそらくカジキかと!? 前野さん曰く「天然のギンバル(腹の贅肉とも言う)」にグリップエンドをガッチリとホールドしての、見事なファイトだ!!
これで全員安打達成!(ボウズなし、という意味では) 「現実離れしすぎていて、ちょっとピンと来てないトコロがある」とコメントしてしまうほど、これまで体験した釣りとは次元の違いを感じたようだ。釣り上げてから改めて、思い出し笑いならぬ「思い出し震え」が来たようだ(笑)。
外道王、ついに汚名返上か!? 最後の最後でヨッシーさんがカジキを掛ける! 「釣れない豚はタダの豚だ!」と、自らハードルを上げながらも内心ビクビクの渾身ファイト!! 果たして、ヨッシーさんは釣れる豚になるのか!? それともタダの豚で終わるのか!? その真実を知りたいアナタは、ぜひとも動画本編へGOだ!
帰港後、やはり釣り人の性なのか水辺が気になって仕方がない2人は、ちっちゃいテッポウウオに夢中になっていた。魚のサイズが大きかろうが小さかろうが、やっぱり釣りは面白いのだ!
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