
ルアマガプラスをご覧になっている皆様こんにちは。 東京湾でシーバスをメインにベイトタックルオンリーでプロガイド、プロアングラーとして活動させて頂いているDAIWAフィールドテスターの世良勇樹と申します。 今回私のシーバス人生において一つの目標であったメーターオーバー、100.3cm20lbのシーバスをキャッチしたので記事にさせて頂きましたのでご覧ください
●文:ルアマガプラス編集部(
ボートゲームにおけるメーターオーバーの難しさ
東京湾のボートゲームでは、一般的にメーターオーバーシーバスが釣れにくいとされています。
実際、31年間にわたるスニーカースタイル、ウェーディング、ボートでの自身の経験からも、メーターオーバー情報の多くは河川でのウェーディングやスニーカースタイルによるものだと実感しています。
その主な理由
それは超大型となるシーバスのとる行動に理由があると考えます。
超大型になるには危険を冒さず、安定して最小限の動きでなるべくカロリーを使わず捕食出来る事が大事なのだと思います。
そのため、ベイトを追い込むことが難しい水深があるエリアではなく、ボートが入れない極めてシャローなエリアや、ボートプレッシャーのかかりらないオカッパリだけが出来るショアラインに超大型が高確率で差してくるのでしょう。
私自身はオカッパリもボートも同じ位大好きですし、違った難しさをもった釣りを行う事によって自分のスキルが上がり引き出しが増えると思っております。
しかし私は、メーターオーバーが出難いとされる東京湾ボートゲームにて、自ら操船するスタイルでプロとしてプライドを持って、いつか必ずボートでメーターオーバーをキャッチする!と情熱を注いで取り組んできました。
ボートとオカッパリの戦略的違い
ボートゲームにおいて飛距離はオカッパリ程必要ないと思われている方もいるかもしれません。
でもオカッパリ(スニーカースタイルとウェーディング)、ボート(私の場合自分で操船)、どちらもやっている私的にはボートの方が人的プレッシャーが高く、特にボートシルエットやエンジン音を魚が嫌がるため、フルキャストでギリギリ届く距離までボートを離しトレースする事が大事だと考えております。
川バチシーズン終盤から早春の生態系変化
さて、東京湾のランカーが比較的出やすいシーズンと言えば秋〜初冬を想像される方が多いとは思いますが、超弩級のサイズは晩冬〜早春に出る事が多いんです。
特に川バチシーズンはサイズも出やすく、自己記録をこの時期に獲った方も多いと思います。 私も例に漏れず自己記録を狙うにあたり晩冬〜早春が記録更新を意識するシーズン。中でも川バチシーズン終盤以降は気温・水温ともに春らしくなっていき、それにわせてベイト量も多くなり、マイクロ〜大型までベイトの種類も多くなります。
そんな中、サイズを捕る為に常にベイトで意識しているのは、やはりコノシロ、イナッコ等の大型ベイト。そして群れの総量が多いカタクチイワシの様なベイトです。
ハクやアミも大量発生する時期ですが、大型のシーバスが付く確率が下がるため私はこの時期はコノシロ+カタクチイワシに標準を当て立ち回ります。
コノシロだけでも超弩級サイズは出るのですが、秋〜初冬よりはコノシロの群れの総量も少なく、必然的にシーバスの群れもそのベイト量に相対して規模が少なくなるためです。そのため、コノシロ+カタクチイワシの混合ベイトの方がシーバスの群れの総量も多くなり、必然的に超大型がバイトしてくれる確率を上げることができるわけです。
コノシロ単体 vs 混合群れの比較

この比較からもわかるように、混合ベイトの群れを狙うことでランカー出現の確率を格段に向上させることができます。
今年も例年通り真冬の沖ではカタクチイワシの大きな群れにシーバスが付き、川バチが終わりかけになると沖からショアラインにカタクチイワシと共にコノシロも差し始め混在するエリアが増えておりました。
ベイト総量が多く尚且つ大型ベイトの割合が高いエリアは毎日のように場所が変わるのですが、ベイトの動向を予測し追いかけこのメーターが出た1ヶ月間はランカーを多くキャッチ出来ておりました。
キーとなったタックル選択
その日は単に釣るだけなら簡単な当たり日ではありましたが、ルアーサイズを落としたり波動を弱めてしまうとカタクチだけを意識している、比較的小さいシーバスが先に口を使ってしまう為、コノシロをメインに意識している個体にアプローチ出来るには大型かつ強波動が必要でした。
そこでチョイスしたルアーが、モンスターウェイク156Fのマットライトニング。
モンスターウェイク156Fの高波動に加え、マットライトニングの膨張系カラーでシルエットも大きく見せコノシロのサイズに近づけます。
タックルは私が監修したモアザンブランジーノEX88MB AGS にIMZ(モードは監修したPEロングキャストモード)。
ラインは現在私が監修しているDAIWAのベイトキャスティング設計のプロトPEライン1.2号+リーダー5号です。
そしてその時が来た!100cm超モンスターキャッチの詳細レポート
小潮周りで上げ8分と流れの変化はほぼ無くなり、小型〜中型サイズのバイトが無くなったタイミングでした。
はっきりとした明暗とぼやけた明暗が重複するストラクチャーの暗部にキャスト。 そしてコントラストがハッキリとした明部に出た瞬間ドスッと重量感のあるバイト!
モンスターウェイク156Fに変更してから1投目で81cmのランカーをキャッチです。
さっと写真を撮ってリリースし、先程バイトがあったトレースラインを少し暗部寄りにずらして再びキャストしました。
モンスターウェイク156Fの一番高波動を出せるリトリーブスピードでややレンジを噛ませトレース。
すると
ドスッ!!!
と、先程より明らかに抑え込まれるバイト。
そして喰わせた瞬間から大きなヘッドシェイク。
先程より大型なランカークラスであると確信。
なるべくヘッドシェイクをさせない様ロッドを下げて、筋肉質なパワーのあるモアザンブランジーノEX88MB AGSとIMZのハイパードライブデザインのスムースかつ巻きの強さでシーバスの頭をこちらに向け一気に寄せる…!!
足元まで寄せ、ライトを着けた瞬間その堂々たるシルエットに身体に緊張感が走り呼吸が荒くなるのを感じました。
船下の水深が16m以上あったこともあり、ライトに驚いたシーバスが一気に下へ下へ走ります。
ですが焦る気持ちを押さえ冷静にファイト。
モアザンブランジーノの高反発かつ機敏な追従性に優れたブランクスと、IMZのベイトリールでは現状唯一無二の多板ドラグユニットATDのお陰で、常にラインテンションは一定に保たれファイト時の不安はありませんでした。
そして…
無事ランディング成功!
100.3cm!!
ネットに入った瞬間から手が震え、メジャーを当て夢であった東京湾でのメーターオーバーを確認出来た時、自然と涙が溢れました。
今まで何度も惜しいサイズをキャッチしては嬉しくも悔しい思いが長年経験してきた為、達成感は計り知れないものでした。
最後に
東京湾でシーバス釣りを始めて早31年。
夢であった地元東京湾でメーターオーバーをキャッチする事が出来本当に嬉しく思います。
こんなにも心から感動出来るシーバスフィッシングが本当に大好きだと再確認致しました。
いつもサポートして頂いているスポンサー様、支えてくれている家族や仲間達。 心から感謝の気持ちでいっぱいです。
これからもさらなるサイズを求めて最高のターゲットであるシーバスを、私のスタイルであるベイトキャスティングタックルオンリーで追い求めて行きたいと思います。
タックルデータ
ロッド:モアザンブランジーノEX88MBAGS(DAIWA)
リール:IMZ(DAIWA)
ライン:DAIWAベイト設計PE1.2号プロト(DAIWA)
リーダー:5号 ルアーモンスターウェイク156Fマットライトニング(DAIWA)
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