
フロロカーボンラインをメインに使用するのはバス釣りならではだ。そして各社が力を入れる肝いりラインはどれも甲乙つけ難い高性能なのも事実。サンラインが2025年に新しく送り込むのは、群雄割拠のフロロライン抗争から頭一つ抜けるかもしれない、「頂を超えた」ラインだ。サンラインの田中和希さんに語っていただいた。
●文:ルアマガプラス編集部
ガラス質ポリマーで耐摩耗性が大幅にアップ
新銘柄となるフロロカーボンライン、オーバーテックス。
サンラインのバス用フロロラインの最高峰はシューターだったが、それを超えること、新たなハイエ
ンドモデルを生み出すことをコンセプトとして開発が進められたという。
田中「超えるという意味のオーバーと、頂点を意味するバーテックスという単語を繋ぎ合わせた造語がオーバーテックス。新たなシューターのハイエンドモデルとして生み出されました。感度重視、操作感重視、低伸度というのはシューターと同じコンセプトになっています。フロロカーボンに慣れていない人には多少硬さが気になるかもしれませんが、硬さは耐摩耗性につながりますし、実釣面での性能を完
全に目指し切ったところが特徴になります」
前述のFCスナイパーと同様、こちらもプラズマライズ加工が施されている。しかし、プラズマライズはラインに様々な特徴を持たせることができるそうで、オーバーテックスへの効果はFCスナイパーとはまた違うらしい。
田中「オーバーテックスには、糸の表面にガラス質のポリマー層を纏わせるようにプラズマライズの処理を施しています。このガラス質というのが大事。スマホのカバーや車のコーティングもそうですが、価格の高いものほどガラスの硬度が高くなって傷がつきにくくなる。もともと硬くて耐摩耗性に優れていたシューターよりも、さらにもう一枚ガラス質の層を作ることで耐摩耗性が10〜15%向上し、糸の耐久性も上がっています。ハイエンドラインの性能をプラズマライズを使ってさらに高めています」。
究極の原糸×究極の加工…さらに視認性も大幅に向上した
サンラインのハイエンドハリスに使われるレベルのフロロ原糸にさらに最高峰の加工であるプラズ
マライズを施し、シューター史上最高傑作を謳う自信作。強さだけでなく、表面の滑りが長く持続す
る性能をもたせたのは理由があるという。
田中「ここ10年くらいでロッドもかなり変わってきました。昔はテスターが使用していたロッドはわりと綺麗に曲がるレギュラーテーパーが多かったのですが、そこからカーボンやガイドが軽量化され、ソリッドティップ搭載のモデルが増えているのも紛れもない事実。トーナメンターに限らず、普通のオカッパリユーザーが使うロッドも同様です。ソリッドティップで急な曲がり方をしたり、への字を描くような急テーパーの竿が増えたんですよ。当然、竿を曲げたときにラインに対して点で熱が生まれやすくなったり負荷が掛かることが増えました。なので、開発者はラインの滑り性能の向上というのを意識して取り組んでいます」。
また、これまでのバス用フロロにはあまりない、マーキングシステムを採用。長さ毎にイエローグ
リーンやオレンジ、レッドなどにマークされている。
田中「サンラインにはアザヤカという糸全体を見やすいように染色したフロロラインがあるんですけど、よりトーナメントシーンでの使用も想定して染色しています。あまり濃く色を染めるとラインが柔らかくなってしまうので、オーバーテックスならではの高感度、硬度を崩さないようなギリギリの塩梅で色をつけている。自分が狙っているレンジや釣りのリズムを把握しやすくなるし、スピニングでもドラグを出された長さを可視化することができるんです。釣りをしている情報量が多くなり、精度や再現性の高い釣りができるようなシステムになっています」。
では最後に、オーバーテックスが向いているバス釣りのスタイルはなんだろうか?
田中「糸の硬さが活きる、バーチカルにライトリグを使う釣りだったり、カバー撃ち全般。このあたりは専売特許です。中層の釣りでも高い精度でレンジコントロールしたいときでもマーキングがドンピシャに機能しますね」。
シューター・オーバーテックス(サンライン)
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