フローティングのビッグベイトで水深10mオーバーを攻略⁉ロクマル捕獲術クラッシュ9の『デッドウォーク』を解説!

春の琵琶湖で驚愕の釣果を上げているアングラーがいた。DRTの國澤高士さんだ。使っているルアーはクラッシュ9。これを使って、水深10メートル以上を狙って釣っていくという。果たしてその方法とは…⁉

●文:ルアマガプラス編集部

國澤高士
くにさわ・こおし/蓬莱浜にてディープコンタクトボートクラブを経営しながらガイド業も行う。大ベテランながら、琵琶湖のトーナメントシーンでは誰もが恐れる存在。2021年の第1回MUTAクラシック優勝を果たした。1967年、三重県出身。

クラッシュ9のデッドウォークとは?

水深11.5メートルのポイントにやってきた國澤さん。

魚探には底に沈んだオダが映っている。

オールドスクールなバスフィッシングであれば、ここはフットボールジグやメタルジグでも落とした
くなるところだが…。國澤さんが投じるのはクラッシュ9。しかもシンキングチューンではなく、ス
ローフローティングだ。

クラッシュ9[ DRT]

クラッシュシリーズのオリジナルルアー。セッティングはノーマルリップ(スペアリップ)にノーマルテール(スペアテール)を吊るしの状態のまま。ボディの下側に鉛シールを貼ってサスペンドに近いスローフローティングにする。

國澤さんはリップの後ろに鉛シールを貼っていた。頭下がりの方が潜って行きやすい。標準的なのは2グラムくらいだが、0.5~ 3グラム程度を動きを見ながら調節する。

國澤「重くした方が深く潜るけど、魚の反応がいいわけじゃない。より魚に近づけるほうがいいのではなく、離したほうが食う場合もある。活性が高いときは上のほうがいい。基本的にレンジを合わせたほ
うが釣れるんだけど、より浮かせたほうが釣れるバスがちょっとデカいかな」

沈みモノの向こう側へとクラッシュ9を投げたら、アクションを加えずにしばらく待っている國澤さん。着水からアクション開始まで数えていると、1分近くかかっていた。

國澤さんがクラッシュ9をフルキャストすると50メートルほど飛ぶが、オダなどを正確に狙うためにアキュラシーを重視して飛距離は40メートル以下に抑えている。

國澤「かなり待つよ。ラインが沈むまで。これをウェイトで沈ませるとあまりいい軌道を描かないし、ルアーの動きもあまりよくない。このへんがディープのキモかな。ちょっとめんどくさいけど。でも南湖の水深3・5〜5・5メートルくらいならすぐにアクションを始めてもいい」。

クラッシュ9のデッドウォークで狙うのはどういうポイントですかね?

國澤「魚礁、沈みモノ、取水塔、ウィードパッチ、なんでもいい。なかなか食わないけど魚が絶対いるだろうなというところがいいね」

では、デッドウォークの釣れるアクションの付け方を教えてください。

國澤「トン、トン、と左右に首を振らせる。ドッグウォークの弱い版みたいな感じ。ルアーができるだけ前
に行かないようにその場でトントントントンと。ルアーのカチャン、カチャン、という音で気づかせて
寄せて食わせる感じやね」

エクストラハイギアのリールを1回転させる間に6〜10回くらい首を振らせるリズム感とのこと。それが4回ではルアーの前方移動が大きすぎる。なるべくその場でテーブルターンさせる方がいいい
そうだ。

國澤「オカッパリや浅い場所でやるなら潜らせすぎないようにナイロンラインもアリ。フロロなら25ポンドだけど、ナイロンなら35ポンド。デッドウォークの動きが機敏になる。細いと伸びで動きが悪くなるからね」。

ロクマルをバラしたと思ったら…すぐに取り返した!

水深11.5メートルにあるオダに付いたバスを狙って、クラッシュ9をゆっくりと沈めていく國澤
さん。ノーマルリップのフローティングなのに潜っていくこと…なんと10メートル! オダからバス
が浮いてきてルアーと重なると…すかさずアワせた!

國澤「ああ、バレた! やってもうた。デカかったな…。底ベタでずっとついてきて、スーッと浮いたなと
思ったら、ガッ! ときたね」

ラインを沈めているせいでスラックも大きく出ていたのだが、ちょっと慌ててしまい、十分に巻き取る
前にフッキングしてしまったという。

しかしそれから2投目、今度は完全にラインスラックを巻き取り、重くなってから渾身のアワセを入れた!

國澤「これで終わりやろ。そんなに大きくないけどな。よいしょ」。

ボートに横たわったバスは…デカく、太い。計測したところ、60センチ、4380グラム。文句なし
のスーパーランカーだ。

國澤「フル遠投して、狙っていたポイントより先にいたバスがたまたま反応した。そのままゆっくり引いて
きたら、自分が思っていたスポットに着く前にバスに囲まれて食われたね」

バイトレンジは6メートル付近。このバスは回遊魚だったそうだ。

デッドウォークはFFSなしでも可能?

ところで國澤さん、このクラッシュ9のデッドウォークはやっぱりライブスコープ(FFS)ありき
の釣りなんですかね?

國澤「そんなことないよ。オカッパリの人はみんなやってるし、元々はそこから始まった釣りだからね。
逆を言えば、ディープでやってるのは僕らくらいじゃないかな。時期によっては水深1〜2メートル
くらいのどシャローで、ショートキャストをしてトントンとデッドウォークさせるとよく釣れるね」。

デッドウォーク用のタックルに國澤さんはアーテックスのR2を使用している。ただ、いかんせん入手困難なロッドでもあるので…一般的にはどういう竿がこの釣りに向いているのだろう?

國澤「シャキっとした張りのあるロッド。でも、うまく使わないと乗りはよくないし、バレるときはバレる。最初にデッドウォークをやるならあまりシャキっとした竿だとアクションが難しいと思う。ちょっとの入力でパーン!と動いちゃうもんで。レギュラー気味の竿で優しく一定のリズムで当たり感も同じようにトントンやれるようになったら、R2のようにシャキっとした竿でも最後に仕掛けるアクションで食わせられるようになる。難しいけどね」。

國澤さんの使用タックル

●ロッド:アーテックス A710CXHF R2(DRT) ●リール:アンタレスDC XG(シマノ) ●ハンドル:バリアルハンドル100(DRT) ●ライン:SF80 25ポンド(Sタイトル)

デッドウォークのやりかた

動きはテーブルターン

ドッグウォークというよりも、前への移動は極力抑え、その場でテーブルターンするようなアクション。グリン、グリン、と左右に180度近く回転させる。一定のリズムを繰り返すことが大事。

ロッドアクション

ロッドを斜め下に構えて動かすのだが、アクションは意外に小さい。一般的なドッグウォークよりもティップの動かす幅は狭めで、リズムもゆっくりだ。

リールアクション

細かいロッドの動きに合わせてリールもアクションを加える。エクストラハイギアのリールで、リール1回転に6 ~ 10回ほどの細かいデジ巻きを繰り返す。

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