この連載では、かつて環境コンサル会社に勤めていた福重が、そこで得た経験・知識をバス釣り界にフィードバック!もしかした釣りに使えるかもしれない、フィールドに関する情報をお届けします。
今回のテーマ アシ・ガマ(その3)
前回は、アシのエグレについてのお話を紹介させていただきました。
前回の記事はこちら↓
バックスライドさせたくなってきません? それはともかく、今回は「ガマ」のお話を掘り下げてみます。
ちなみに写真を用意できなかったのでイラストのみでの説明となっております・・・了承ください・・・。
ガマ!!
アシと同様、抽水植物とも呼ばれる水際に生えている代表的な植物ですね。ソーセージみたいなガマの”穂”は何となく見た事がある方もいるのでは?
日本には主に三種類が生えているらしいのですが割愛します。因みに古事記の有名なお話”因幡の白兎”に登場するウサギが体中に塗ったくるのはこのガマの穂の花粉です。てゐ。
アシに比べて水深が深い場所に生えている事が多いガマ。
第一回目でも紹介しました通り、深いところだと水深1メートル近い場所から生えていたりもするわけなので、それ相応に立派な葉っぱを持っています。
夏には嫌になるほど旺盛には生えているガマですが、冬になると枯れ、水上に見えている姿はとてもみすぼらしい物に。
ですがそんな状況でも、葉っぱの一部は水中には残っているかもしれません。根元に近くなるほど太く立派な葉っぱになるので、枯れたその葉っぱが翌年の夏も水中にあるかもしれません。
一見、まばらに生えている様なガマ地帯も、水中には沢山のポイントが・・・!?
生物にとってのガマ
「生物」、バスフィッシャーマン的には「ベイト」の存在とガマに関するお話です。
わざわざ説明するまでもありませんが、ベイトにとってガマが密集して生えている場所というのは隠れ場所に最適です。水深もあるし、上から鳥に狙われる心配も少ない。
また、ガマが密集して生えている場所は水質が良いというのもあります。こちらに関してはそのうち紹介させていただきます。
そして今回、特に紹介したいのが、エビやザリガニにとっての”ガマ”
モツゴや小さいフナなど、泳ぐ能力の高い魚類はともかく、エビやザリガニといった甲殻類系のベイトは泳ぐのがあまり上手ではありません。
水底を歩き回るのはいいのですが、縦方向へ泳いで移動する事が難しいのです。
しかしガマがあれば、縦方法への移動も楽ちんなんです!!
例えば悪天候による冷え込みが続き、水温が低下し続けていたある日、快晴の日が!
太陽光によって温められ、表層の水温はぐんぐん上昇! エビやザリガニも温かい場所(表層)に行きたいけど上に泳いで行くのが苦手・・・そんなときにはガマ!!
水底から水面に向かって伸びるガマの葉をつたっていくだけで表層に行けるし、泳ぎ続けなくても掴まっているだけでOK! ガマって何て素晴らしいんでしょう!
と、言うわけで、エビやザリガニのようなベイトにとって、ガマの存在は隠れ家となるだけでは無く、移動の手助けともなってくれるのです。
また逆に、ガマの葉の表層の方にエビやザリガニがいるのを見かけた場合、もしかしたらその場所の表層は生物にとって環境がいい状態、または底層の環境があまり良くない状態であるとも考えられますね。
ちなみに福重は、前職でガマが生えている水域をウェーダーを履いて歩きまわっていた際に、ザリガニがガマの葉に掴まって、水面直下にたたずんでいる様子を良く見かけました。
今にして思えば、あのザリガニが何かの拍子にそこから落下して、バスに食べられているのかなと。
そしてそこから想像すると、ガマが生えている場所にラバージグやテキサスリグを撃っていく釣りと言うのは理にかなっているのかなと思います。
つまりどういうことよ!?
今回は・・・
・ガマは目に見えている範囲に生えているだけでなく、水中にも枯れた葉として存在し、それが魚の付き場になっているかもしれない。
・ガマは甲殻類が縦方向に移動する上で重要な存在。よく観察すれば、フィールドの情報が読み取れるかも。
というお話でした。
どうです?ちょっと賢くなった気がしませんか?
次回は改めてアシとガマの違いに関するお話です。
※この連載は福重の経験を元に書いております。相手は自然。全てが書かれている通りであるとは限りません…。
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