菊元俊文直伝Q&A! ライン(釣り糸)の太さの選び方【バス釣り初心者必読|特選一刀両断】



ルアーマガジン本誌で最長期連載を誇る「菊元俊文のQ&A一刀両断」コーナーから、選り抜きの名回答をお届け。特に初心者にピッタリなクエスチョンを一刀両断!

<きくもと・としふみ>’97初代JBワールドシリーズチャンピオン。元祖ビッグベイターにしてジグ番長の通り名でも知られるプロフェッショナルアングラー。エバーグリーンインターナショナルで、タックル開発やプロスタッフを統括するプロデューサーとしても活躍。

今回はバス釣り初心者が迷いがちな「ラインの太さ」を決めるコツです。

Q.ライン(釣り糸)の太さの選び方は?
A.カバーの濃さやルアーの動きにあわせて選択しよう

(質問者の方は、「スピニングタックルは3ポンド、ベイトタックルは6〜8ポンドがメイン」とのこと)

「スピニングの3ポンドはともかくベイトの6~8ポンドは細いですな。ベイトフィネスを専門にやるならともかく、8ポンドではやはり細すぎると思う。使えるルアーも限定されてきます。

菊元的にはラインの太さは狙うバスのサイズより、むしろ使うシチュエーションで選ぶ。クリアでプアカバーならある程度、遠投できるディスタンスも必要だし、カバーに巻かれる心配も少ないので同じルアーでもラインは細くする」

ヘビーカバーを攻めるなら当然、太いラインを選択する場合が多い

「また、ボートで釣るならおかっぱりに比べ、ランディングまでのやりとりがボートの方が大体は有利なので、細くできる。おかっぱりでは手前になる程、浅くなったり、障害物があったり、玉網使用なら細くても大丈夫な時もあるが、時には足場が高く、大きなバスでも抜きあげないといけない状況が存在するからだ」

足場が高い岸釣りにくらべ、ボート釣りではより細いラインでも切れる危険性は低い。


同じルアーでもラインの太さが違うと潜行深度が変わる

「また、同じクランクベイトやジャークベイトでももう少しレンジを浅くしたい、深くしたいという意図でラインの太さを変えることもある。もちろん、細くすればルアーの潜行深度は深くなるし、太くすれば浅くなっていく。

通常はコンバットクランクなどの水深を細かく刻んだシステムクランクなどではクランクを変えることでレンジ対応するわけだ。しかし、特定のクランクの動きに強くバスが反応する、あるいはそのクランクに強いコンフィデンスを持っているときは同じロッド、同じリールで全く同じクランクを結ぶことも。12ポンドでは3メートル潜るがわざともう1本は20ポンドにして2メートルちょいのレンジを釣るのだ」

まったく同じクランクベイトでもラインの太さが変わると潜る深さが変化する

「また、クランクなどはボトムやカバーなどでラインがこすれやすいので、リップラップなどでボトムノックを多用するなら僕は16ポンドフロロを基準とする。また、ジャークベイトも通常僕はサイドステップやフェイスはフロロのマジックハードR14ポンドが標準。でも、バスのレンジがより深いと感じたら、10ポンドにして少しでも深い水深を攻めることもある。当然、細くすることで遠投力もアップする」

ラインがこすれやすい状況ではフロロカーボンの16ポンドが基準となる

「以前、極寒の雪の取材時でもプロトのサイドステップ95SPを少しでも深く攻めるため10ポンドにまでラインを落として3本連続50アップを獲った。ただし、カバーはほとんど無く、入られる心配がないからできるライン選択であった。

逆にサイドステップのハイフロートモデルで濁った川のカバーをタイトに『ウキウキテクニック』などで攻める時のラインはナイロンのフレックスハード20ポンドなどを選ぶ。理由はルアーを『遠投せずよりタイトに狙う』『潜らせたくない』『掛けてからカバーに巻かれない太さ」ということと、太いラインの方が伸びが少なくルアーにアクションがダイレクトに伝わるからだ」

太いライン、細いラインそれぞれのメリットを知ろう!

ラインの太さ選択はここでは語り尽くせないほど様々なパターンがある。

太いラインだからこそ攻められるスポットがあり獲れるバスがいること。細いラインだからこそ深い水深で繊細に操作できてバイトが獲れること。

など様々なことをこれから経験して覚えていってください。

喰わせることが優先ならラインは細くなる傾向だが、獲ること前提なら太くなります。ちなみに僕は2ポンドから100ポンドまでの太さのラインでバスを釣ったことがあります。

ティンバーフラッシュなどの存在感のデカいビッグベイトなら、たとえクリアでもバスはラインの太さを気にしません。第一、8ポンドなんかでキャストしたら飛んで行ってなくなりますわー」

◆この記事はルアーマガジン2012年4月号に掲載された内容をもとに再編集しています


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