魚眼の構造を知ればシェードの攻め方がわかる&広がる!実は明暗のコントロールが苦手!?【釣り人の知らない魚眼の世界】



ハイ、フカポンです。魚の眼の構造を知れば、ちょっと釣りの幅が広がるぜ!的なお話を少し。

釣りPLUSのゴシップ記者枠と揶揄されちょっと傷心なので(嘘です褒め言葉)、たまにはタメになるお話を…。アルティメット・ハイパー・フィッシング・エディター(なんか増えてる)の数多の経験と取材からまとめてみたいと思います。hey! PPAP!

ということで、魚の眼の仕組みを雑いイラストにしてみた。

クオリティは無視してください(AHFEが最近導入したMateBookというタブレットで作成)。水晶体が丸いおかげで、水の屈折率をうまく網膜に投射でき、水中ではバッチシ見えるのだとか。空中に出るとぼやけるんだって。虹彩での露出調整は行わない。ピントは水晶体の出し入れで合わせる。

哺乳類と違い、虹彩の仕組みがちょっと違うのよ。虹彩の仕組みがね!

虹彩ってのは、我々人間や哺乳類の場合、いわゆるカメラで言う絞りの役割を担います。

猫の目が暗いところではまん丸く、明るいとこでは細くなるのをご覧になったことがあるかと思いますがアレです。目の網膜に送り込む光の量を調整し、明暗の変化に対応する仕事を担います。

猫の目。ちな、うちの愛娘きなこ。黒目がきゅーっと虹彩により狭まっています。これが虹彩による光量コントロール。

結論から先に言うと、魚族(属)はこの機能がほぼ備わっていません。

はい、ここ次の試験にでるよ〜。つまり、明暗の急激な変化におそらく視覚的には対応できていません。お前は魚になって見たのか。ええ。前前前世は魚でしたので見ました。と、RADWIMPSな発言をしてもしょうがないので、物理的にそーとしか思えない、私めの妄想です。妄想ですが、符合する案件も非常に多いのです。

で、過去の様々な取材を思い出してみました。



影(シェード)、障害物に寄り添う魚は、明るいところは見えてないんじゃ??

もっとも印象的だったのは、トラウトの取材時のハナシ。場所は岐阜県蒲田川。天気はドピーカン。狙っていた対象魚はイワナ。イワナはストラクチャーに身を寄せる魚でシェードを好みます。

イワナのライズ(魚が水面付近の水生昆虫などを捕食する際に起こる波紋)がないか観察していると、照りつける太陽を遮る小さな橋のシェード部の帯の中だけで、ライズが繰り広げられていました。光の照りつける明るい部分には一切出ません…。これって……。

単純に影が好きというお話じゃなくて、水面に流れている水生昆虫を、影で、光量が落ちているエリアのものしか認識できていないのではないか?と仮定しました。で、諸々を思い返してみたのです。特に天気のいい日に、上部に木々が生い茂っていない渓流などのポイントでイワナを狙う時、まぁ、見事に岩陰のシェード部分にタイトにフライ(毛鉤疑似餌)を通さないとバイトがないのです。そこから外れると途端に喰いが浅く、ヒット率が下がるのです。

いやいや、ピーカンのときでも瀬にいるヤマメやイワナは日の当たっているところでは釣れるぜ? それについてですが、目が光に慣れている個体は問題なく見えていると思っています。ただ、イワナのような障害物に付きやすい種の場合、そういう事象がより顕著に発生していると考えられます。

ということは「天気のいい日は釣れない」じゃなくて、もしかして、ルアーやエサが視認しにくいから、魚が反応しない。なんじゃないの??

さて、他の魚の話に移りましょう。

ご存じのようにブラックバスや海の根魚などは障害物やシェードを愛する魚です。天気がいいと、障害物によって出来る影と、それ以外の明暗の差、いわゆるコントラスト差が大きくなりますよね。夏の暑い日、ドピーカンの日なんかは、いわゆるそういった魚たちはタイトにシェードに付くようになります。

ブラックバスはシェードを愛する魚ですよね。ちな、ダウザー秦さんに釣らせてもらったおサカナ。ドピーカン、ウィードのホールを見つけて障害物の中にいる魚を釣る…。フリックシェイクだわさ! まさに暗い場所にタイトに落として釣った50up。ヒーハー!

そういったシェードを好んで潜む魚を狙うセオリーってなんでしたっけ。そう、シェードを直撃するか、なるべくタイトに攻めてそこに潜む魚を引きずり出すかですよね。コレ、タイトにシェードに魚が付く傾向があるからタイトに攻めるべしだけでは…正解なんですが、なんか引っかかっていたんですよね。

虹彩の機能で目に入る光量を調整することができる人間でさえ、暗い場所から極端に明るい場所に出るとどうなります?目がなれるまで、眩しくてなんにも見えませんよね?なら、そういう光量変化に対応する仕組みがほぼ無い魚たちが、自分の潜んでいるシェードから、明るい場所にあるエサやルアーをばっちり視認して捕食行動をとったりできるでしょうか? これつまり、明暗差がありすぎると、索敵範囲が極端に縮まるから。なのではないでしょうか。

ほら、曇りの日が釣れる(やすい)、理由とも符号しませんか?

光量差が少ない曇りの日は、一部をのぞき、魚の活性があがり釣れやすい! というのが定説です。シェードや障害物を愛する魚たちにとっては、そこに身を寄せていても、環境の光量差が少ない曇りの日は、目で視認できる範囲が広がる(=警戒心が薄れる)のでは? つまり、多少ラフなアプローチをしても、魚のほうがルアーやエサを視認しやすくなる=釣れるに繋がる…。

アジやメバルをやり込んでいる人が、マズメ時、太陽が落ちてすぐに途端に喰いが悪くなり、少したってからそれが戻る。とおっしゃられる方が結構おられます。画一的な現象でないにしろ、そういった光量変化に敏感な事象を、たぶん感じておられる方も多いのでは?

メバルちゃんも明暗の変化に敏感な魚。昼間ですが、のぼーっと中層を浮いてる魚をキャッチ。晴れていても急激な明暗の差がなければ、水中のものを視認できるハズ。

お魚さんは、視覚以外に犬なみの嗅覚、側線による波動感知能力などがあり、目の構造を知り、妄想しただけでは測れない感覚器官による行動ロジックもございましょう。でも、目の役割は非常に重要なハズ。

ですので、この明暗の変化に対応しにくい構造を理解しておけば、ちょっと釣りにも応用が効くと思うのです。晴れの日、曇りの日、夜の街頭…、明暗の境目…、月の光、満月と新月…魚の目の構造を知ればヒントになることは多々あるかと思います。

晴れてる日は回遊タイプを狙ったほうがいいのか? シェードから出ると見にくいなら、大きなルアーが実は誘い出すには、有効なんじゃね? シェードって暗いよね、暗いってことは黒が目立つよね(違和感なく目立つ)、あ、そういやラバージグって黒系が良く釣れるよね! とか…。 

逆にドピーカンでも釣れる魚代表格。シイラ。まぁ、浅く日の当たるレンジを常に回遊するような魚ですし、目は慣れてますよね〜。

ということで、少し長めに書きました。魚族にも様々な種類がいるので、その能力も様々だとは思います。が、基本構造は同じ。

海も、川も、湖も様々な取材を思い起こし考察してみました。お役に立てば幸いです。


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