バス釣りに役立つ、アシとガマの最終話:ソコは硬いの?柔らかいの?【頭でっかちフィールド講座|その4】



この連載では、かつて環境コンサル会社に勤めていた福重が、そこで得た経験・知識をバス釣り界にフィードバック!もしかした釣りに使えるかもしれない、フィールドに関する情報をお届けします。

今回のテーマ アシ・ガマ(その4)

前回は、ガマとそれを利用するザリガニの事をお話ししました。

前回の記事はこちら↓

初回にざっとした話、そしてアシ、ガマそれぞれに関するちょっとだけ詳しいお話をこれまでしてきました。

今回は改めて、この2つの植物について比較するお話をさせていただきます。

アシとガマの生えている場所

コチラ、第1回目に紹介したアシとガマの違いのイラストでございます。せめて地面くらい色を塗ればよかったと後で後悔しました・・・。

アシとガマの違いの一つとして、生えてくる、あるいは生えやすい水深に違いがあるという事を第一回目で紹介させていただきました。

岸際に生えている似た植物のうち、アシは水深の浅い場所、ガマは水深の深い場所に生えやすい

この事から、その場所のおおよその水深が分かるというお話でしたね。

でも実は、これらの植物の生息場所に関する大きな違いがもうひとつあるんです。

それが・・・

底質

なのです!!

読んで字のごとく、底の質。なかでも今回紹介したいのはバス釣りで言う”ハードボトム”と”ドロ底”のことになります。

では一体アシとガマとはどういう関わりがあるのでしょうか?

バスが大好きなハードボトムはアシのそばに!?

ブラックバスが好む環境の一つとして、非常によく聞くのが”ハードボトム”。

何でハードボトムをバスが好むのかはバスに聞いてみないとわかりません。

個人的には、ドロ底よりもハードボトムの場所の方が急な環境変化が起こりにくく、また水質が悪くなりにくい事が大きな要因だと思っております。ドロはすぐに水中にまき上がって水質を悪化させて、しかもそれが元に戻りにくいので・・・。

ですが、”ハードボトム”を好むのはバスだけでは無いのです。では誰が好きなのか?

それがアシなんです。

そうです。アシが生えている場所と言うのはハードボトムで有る事が多いのです。

アシは第2回目で紹介したとおり、根っこや地下茎を伸ばして背の高い茎をのばしています。そのために自分を支えるしっかりとした土壌が必要なようです。

またドロ底の場合、根っこや地下茎が取り込める栄養分が多すぎる事も良くないようです(厳密に言うと、窒素・リン・カリウムの量以外にも底質の酸化還元電位や硫化物、CODの値も関係してくるようです。)

ちなみに、アシが生えている”ハードボトム”と言ってもコンクリート護岸されている場所という意味では無く、砂底で有る事が多いようです。



ガマが生えているのはドロ底が多い

と、言うわけで(?)、ガマが生えている場所は逆にドロ底で有る事が多いんです。

ちなみにザリガニもドロ底の場所に居る事が多いので、ガマとザリガニはやはり良い関係にあるようですね。

ガマが生えている場所は水深が深いという話の補足ですが、単に水かさが多いだけでなく、ゆるゆるのドロ(いわゆるヘドロみたいな)が堆積している場所は見かけが浅くてもガマが生えやすい場所であると言えます。

ドロ底を狙う際にリーダーレスダウンショット系が有効といわれるのは、テキサスリグではシンカーごと泥の中にワームが沈みこんでしまうかもしれないからなのです。

つまりどういうことよ?

今回は

アシは砂底などのハードボトムに生えている事が多い!

ガマはドロ底に生えている事が多い!

というお話でした。

どうです?ちょっと賢くなった気がしませんか?

アシガマ編は今回が最終回!!

4回にわたってご紹介させていただいた頭でっかち「アシガマ」シリーズはこれで終了といたします。最後にこれらのお話を通したまとめ?をさせていただきます。

アシの方がハードボトムに生えていることが多いわけなのですが、初めにお話しした通り、生えている場所が浅い事も多いんです。水たまり程度の場所にもよく生えているので、アシが生えているからと言ってその場所を狙っても、そもそも魚が入ってこられない可能性がある・・・

そんな時に心掛けたいのはアシとガマの境目になってくるんです。
全体的に見たときに、この境界部は

・植生:アシーガマ
・水深:浅いー深い
・底質:砂ードロ

と、3つの変化が複合したポイントになるわけです。なんだかおいしそうな場所に思えてきませんか!?

もちろん、そこを狙ったからといって絶対に魚が釣れるわけではありませんが何かの参考になれば幸いです。

次回は番外編をお送りします↓

※この連載は福重の経験を元に書いております。相手は自然。全てが書かれている通りであるとは限りません…。


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