親子でつくろう! 世界にひとつの “プラモ de ルアー”![少年釣り師育成ものがたり|7話]



子連れで行きたいフィッシングショー

1月に横浜で行われたジャパンフィッシングショー2017に行ってきました。

僕のメイン業務は内外出版社ブースの応援。でも、幼い子を持つ父親としては、ついつい子供が喜びそうなアトラクションを探してしまうわけです。せっかくなので、空き時間に会場をぶらぶら散策してみました。

公益財団法人日本釣振興会さんの「釣りゲーム」はチビっこたちで大盛況。
マルキユーさんの「金魚釣り」も楽しそうだ。
ハヤブサさんが誇るゆるキャラ「はやたくん&はやなちゃん」。たくさんのゆるキャラに出会えるのもフィッシングショーの魅力だ。

魅惑のポイント「釣りはじめてクン広場」

僕の“親心メーター”が振り切れたのは、「マス釣り体験コーナー」と「おサカナ体験コーナー」が織りなす、釣り好き親子の魅惑のポイント、その名も「釣りはじめてクン広場」。

マス釣り体験コーナーは人気の高いアトラクションで、整理券をもらって参加するらしい。

「マス釣り体験コーナー」では、たくさんのマスが、大きないけすの中を元気に泳ぎ回り、お子様の狩猟心を刺激すること必至。さらに、いまや遅しと開演を待つファミリー軍団の熱気が、コーナーのボルテージを高めていきます。

「マス釣り体験コーナー」の開演前には長蛇の列が。
釣れたマスは2匹まで持ち帰って食べられる。

「おサカナ体験コーナー」には、「金魚すくい」「エアーおもちゃ釣り」「メダカすくい」に加えて、「ソフビ人形すくい」がラインナップ。チビっ子釣り師たちを楽しませずには帰さないという、企画サイドの意気込みが伝わってくるようです。

ここにうちの子がいたら、きっと喜んだだろうなあ。

「おサカナ体験コーナー」も大人気だ。

Make Up My Mind

数日後、「釣りプラス」編集メンバーから、またまたプレゼントをもらってしまいました。

フィッシングショーでDAIWA YOUNG FISHING CLUBさんを取材した折、お預かりした撮影サンプルを、撮影終了後にご厚意でいただいたとのこと。これを「お子さんにどう?」とのオファーです。

いつもいいものを、ありがとうございます。

それでは、ここで久~しぶりにクエスチョン。「釣りプラス」編集メンバーが、DAIWA YOUNG FISHING CLUBさんからいただいた、この箱の中身は何でしょうか!?

※実物にはモザイクは入っていません。

その週末、別件の仕事で立ち寄った町田駅前の東急ハンズで、僕は8色の油性マーカーを調達します。

(左)なんでもそろう東急ハンズ町田店外観。(右)全8色の油性マーカーは細身のタイプをチョイス。

こうして作戦計画が練り上がり、いよいよ工作部隊が動きます。



おもしろいあそび、やるひとー?

週末の午後、お昼寝から目覚め、おやつのミカンとクッキーを頬張る息子がいます。

その視界に、さりげなく得物を忍ばせて、僕はこう囁きます。

「おもしろいあそび、やるひとー?」

ニコニコしながら激しくうなずく息子。でも何をやるかは、おたのしみ。

「これなーにー?」

「箱を開けてごらん」

息子は、箱の中身や裏面に書かれたものなどを、不思議そうに眺めています。

む?
むむ?
むむむー?
む~。

もうおわかりですね?

正解は、プラモデル。今日はこれで、自作のルアーを組み立てます。

自慢のルアーを「みほん」にして

工作開始のその前に、意外と難しかったのが、「プラモデル」の概念的なものを幼い息子に教えること。なかなかピンとくる説明が見当たりません。「人形みたいな…、トミカのような…?」。うーん、どうにもしっくりこない。子育てをしていると、こういうことがよくあります。

しばらく思案した後、僕はポーンと手を打って、去年のクリスマスにもらった息子自慢のタックルボックス(釣りの道具箱)を引っ張り出しました。「これこれ! これが『みほん』だよ!」

お気に入りのルアー。我が家の客人はほぼもれなく、彼のコレクションを見せてもらえる。解説つきで。

「みほん」というのは、彼が最近、幼稚園で習ってきたお気に入りワード。家の中でも「みほん」とにらめっこしながら、大好きなサッカー選手の名前や絵を書いて楽しんでいます。今日の遊びの意図も、どうやらこれで伝わったようです。

パーツを分解する前に、まずは色を塗っていきましょう。

「このマジックで、好きなように塗ってごらん」

すべてのカラーをバランスよく使って一所懸命に、塗る。

本体部分のペイントがひとまず完了しました。

「めだまもかいたよー」

できることからコツコツと

パーツの組み立ては、まだちょっと難しいようなので、少し手伝ってあげました。

慎重にシンカーを落とし込む。
渾身の力を込めて左右のボディをはめ込む。

付属のカスタムパーツ(スクリュー)の色塗りを忘れていました。もう一度ペンをとって、色塗りを再開します。

細心の注意を払って、塗る。

スクリューの羽を一枚塗り終えたところで息子が、「つかれちゃった」と一言。

そこで残りの色塗りは、お母さんにバトンタッチ。ここまで、よく集中して、がんばりました。

ひとやすみ。

お母さんに色塗りを手伝ってもらっている間に、息子は自作のルアーを「みほん」と見比べて、何やら考えています。

悪くない仕上がりに見えるが…。

塗り残しが気になるらしく、仕上げの筆入れにとりかかります。

う~ん、こだわるねぇ。

仕上がったスクリューを本体にはめ込んで…、

検品中。

「プラモdeルアー」(自作自塗り系)が完成!

カスタムパーツのスクリューは「大」と「小」が付属しており、いずれも着脱可能。今回は「大」を装着。写真左は時間の都合で塗りかけとなった「小」。

おもちゃのカチャチャ

このタイミングで、おもちゃ箱へと走った息子が、おなじみの「ポケモンマスターズ すごいつりざお」(電池は入れてもらえない)を掘り起こし、さっそく自作ルアーの釣り味を確かめます。

ところで、電池が入ったおもちゃのスイッチが、何かの拍子にONになり、ビクっ!とすることってありますよね。そのため我が家は、「電池はとっても高くてねぇ」と節電に励みつつ、新規のおもちゃには電池を入れません。息子が自分で気がつくまでは。

でも、今日の彼には、思い当たる節があったのでしょう。白いボタン(写真内囲み部分)を、カチャカチャいじくり始めました。どうやら「いままで、いまいち遊び方がわからなかったけど、なんかおかしいぞ」という気持ちが芽生えてきたようです。そんな日常のディテールに息子の成長を感じる、今日この頃。

何かをどこかに入れると何かが起こることに、彼は気づき始めている。

ひとしきり遊んだあとは、おかたづけ。

タックルボックスに自作のルアーを大事に収納する。

自宅のリビングで開いたルアーづくりのワークショップ。

自分で塗って、自分で組み立てた特製ルアーの出来栄えに、寝起きの息子も大満足。さらに釣りへの好奇心をたくましくしてくれたことでしょう。

来年は一緒にフィッシングショーへ行ってみよう。

DAIWA YOUNG FISHING CLUBさん、ありがとうございました。

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