エリアトラウト神々のタックルボックスを覗き見【道具へのこだわりと準備に秘訣アリ|松本幸雄×伊藤雄大の極意Part-1】



魚は確実に目の前にいて、だけど釣れる人と釣れない人がいる。それは、アングラーの腕の差が如実に出ているという証拠。何も考えずに釣るのでは釣果は伸びない。嘘がつけない釣りだけに、釣れると楽しい…、それがエリアトラウトの世界。トーナメンターとしても活躍する松本幸雄氏と伊藤雄大氏のタックルボックスの中身を見せてもらい、”釣れる”ための秘訣を探ってみた。

ルアーマガジン・ソルト連載企画「ウグイ将軍」のロケで、ロデオクラフトの松本幸雄さんにジョイバレーでエリアトラウトの釣りを教えてもらって以来、エリアの魅力に惹かれた筆者。その後も、プライベートでジョイバレーに行き、吉羽園に行き、ベリーパーク小山に行き…。

つまるところ、ハマってしまった。

そして、ニジマスが予想外に美味かった。

松本さんに教えてもらった昆布締めのレシピを何度か実践しているが、家では大好評だ。

しかし、そうやってエリアトラウトが好きになってくると、ますます欲が出てくるのが人間の性というものである。『またいろいろと教えてもらいなぁ』と考えた私は、松本さんに連絡をとって、彼が釣りに行くタイミングで一緒に釣りをし、そして話を聞けることになった。当日はトラウトキング選手権大会で史上初の2戦連勝を飾り、波に乗っているもう一人のエリアトラウトの神様、伊藤雄大さんも来るからみんなで釣りしましょうとのこと。トラキンの試合が控えているなか、こんなに空気の読めないお願いをされても嫌な顔せず了承してくれる松本さんに感謝しつつ、再びジョイバレーへと向かった。

松本さん、伊藤さんと合流。エリアの神々の釣りを間近で見て、聞けて、一緒に釣りを楽しめる。これほど、編集者冥利に尽きることはない。

プロが使うタックルボックスの中身を覗いてみました。

当日のジョイバレーは、試合後で魚がスレてしまったのか、かなり厳しい状況。活性が低く、魚信は遠め。それでも、松本さんのロッドはコンスタントに綺麗な弧を描くのだ。

「トラウトキングの試合に出るプロの道具は、どうなってまとめられているのだろう」そんな疑問が、ふと頭を過る。…ということで、気になる松本さんのタックルボックスの中身を拝見。

ひとつのバッカンにロッドホルダーが4つ。そこにはこだわり抜かれたタックルがささっている。そして、D菅にはワレットが下がり、取り出しやすいように配慮。他にもスプーンやクランクなどがワレット、ルアーケースごとにきちんと整理されている。

松本「僕のよりも、雄大のタックルボックス見てみてください。驚くと思いますよ(笑)」

ということで、次に伊藤さんのタックルボックスを覗いてみました。

いとう・ゆうだい 菅釣ドットコムの大会で5連覇という偉業を成し遂げ、さらにトラウトキング選手権大会でも何度も優勝経験をもつエリアトラウトマスターのひとり。ルアマガソルト・ウグイ将軍でも過去に登場し、そのときは伊豆のアカハタ・アオリイカ釣りを伝授してくれるほど、マルチに釣りに対する造詣が深い。

バッカンの中蓋の上に置かれたタックルボックスを開く。さっそく、覗き込んでみると…凄い! 何かわからないけど、とにかく凄い!

ボックスの中に、さらに小さなボックスがあって、ルアーがこれでもかと。ボックスの側面にもフックがかけられていて、スプーンやクランクでビッシリ。
ルアーだけじゃなく、リーダーも常備。伊藤「試合だと何が起こるかわかりませんからね」。バリバスのエリアマスターリミテッドショックリーダー3ポンドだ。3ポンドが何やら重要そうだが、これはまた次回のお話で。

驚いて見ていると、まだまだそれだけじゃなかった。バッカンの中に入っているルアーボックスも見せてもらう。

大量のクランク、ミノーが…。伊藤さん、1個ください!
こちらは、スプーン。EVAボックスの中に、サイズごとに綺麗に仕分けされ敷き詰められていた。伊藤「ウレタンフォームを100均で購入して、そこに刺していきました。なんとも使いやすそうだが…伊藤さん、1枚ください!


トーナメンターにとって大事なのは意外にもフック!?

前回のウグイ将軍のロケで、松本さんからフックの重要性を聞いたが、伊藤さんも同じくフックにはとても気を使っている。

伊藤「トーナメンターにとって、フックはとても重要です。使い続けていると、ニジマスが噛んだり、掛かりが悪かったりするとだんだんフックが鈍ってしまいますからね」

フックを爪に当てて刺さり具合を確認し、ダメならこまめに変えることをおすすめする。これで、全然釣果は変わってくる。フックの交換は、ルアーについてるフックをリングから外し、同時に新しいフックをその後ろから通して2本同時に回転していくと古いフックは外れ、新しいフックが装着されるから手間取らず簡単だ。

伊藤さんは、フックだけの専用ワレットを見せてくれた。このように、フックサイズごとに小分けし、腰に携帯しておく。こういった用意周到に準備や整頓を欠かさない『準備力』が釣りが上手くなる秘訣なのだ。

さらに、伊藤さんの先ほどのタックルボックスをもう一度よく見てみると、ケースの裏面に小物ケースが張り付いていることがわかる。その中身は・・・。

こちらも、サイズごとに仕分けされたフックや、スナップが!

伊藤「また、この小さいケースの底にはマグネットシートを貼ってあるので、磁石でハリが1本1本引っ付くから取り出しやすいんですよね」

これが、プロの効率を考えた道具の整頓術なのだ。

自分がいかに試合に集中できるか。そのためには、手間取らずにいかに効率良く道具を交換できるか。

これは、エリアトラウトというゲームにおいて、過酷な試合を勝ち抜くための術ではあるが、

どんな釣りにおいても準備に余念がなく、道具を整理整頓できるアングラーは総じて釣りが上手い。

それが、今回の釣りで学んだことだ。ただ、私の場合は整頓するほどの道具すらまだ揃えられていないのだが(笑)。

さて、今回のジョイバレープライベート釣行なのだが、まだまだ話は終わらない。次回、part2においてエリアトラウトの極意をもっともっと紹介していく予定なので、乞うご期待!


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