第2回目はシャフトを切ります。
第1回はコチラ↓
エレキのシャフトカットと一口に言いますが、実際にカットする箇所は2ヶ所あります。
また、モーターガイド製ツアーエディションの最終形やFWシリーズなどではシャフトカットがむずかしく、こちらの場合は短いシャフトの交換ということになるワケです。
現行のXシリーズは構造がミンコタ製に近く、好きな所でぶった切れる構造になっている模様。そのため、自由な長さにできるようです。
ツアーエディションの中でも、今回ウチに来たコのように、ピニオンギヤがビス止めもしくはリベット止めの前〜中期モデルのみシャフトカットが可能です。
今回の手順!
以下、シャフトカットの手順です(自分メモ兼用)。
1.分解
2.シャフト長さ決定
3.アウターシャフトカット
4.インナーシャフトカット
5.ピニオン固定用のネジ穴を3.2mmのドリルで開ける
という感じ。
カットするのは2ヶ所
フットコンの構造上、シャフト部分はアウターチューブとインナーチューブの2ヶ所に分かれています。
このそれぞれをカットしなければなりません。
1.分解。〜とりあえずシャフトまでバラしましょう。
まずはヘッドを開けて、配線をカット。デジタルモデルは基盤がないのでサクサクいけますね。
配線は基本的に同色同士を接続するので分かりやすいですが、電球のソケットの繋ぎだけわかるようにマスキングテープでチェックしています。
ヘッド部分をワイヤーまでバラしたら、次はアウターシャフトの分解。アウターシャフト下部、シャフト全体の中央にあるベアリング部分をバラします。
インチサイズのヘックスレンチで緩めます。水の中に入りやすいため、たいてい錆びてます。
コイツもそうでした。
力任せにやりすぎるとヘックスレンチが折れそうになって怖いので、あきらめて556かラスペネあたりの浸透潤滑剤をぶっかけてから回しましょう。
ここもまあ、グリスの劣化がひどいありさま。年式相応といえばそうなんですが。左に見えるのがアウターシャフトです。
フットコンエレキは、ピニオンギア下部とこの部分のベアリング2点でインナーシャフトを支持しています。で、インナーシャフトをワイヤーで繋がったペダルでグリグリ回してコントロールするワケです。
下が外れると、今度は上が出てきます。
躊躇無くピニオンギヤのネジをハズしましょう。
これでインナーシャフトとアウターシャフトが分離します。
再利用するパーツはパーツクリーナーとウエスで、できるだけキレイにしておきましょう。
2.カットする長さを32インチぐらいに決定
まず、インナーシャフトをカットする長さを決めます。エレキのシャフト長はインナーシャフトの長さで決まるので、ここは大切。
編集部ニッシーのTR82が32インチだか34インチだかのようですが、チョイと長目のように見えます。なので、ネットでいろんなHPをザっと見ながら調べていきます。すると、レンタルには30インチがベストだ。いやいや32だ。実は28くらいでもなんとかなど…。
手持ちに27インチはあるんですが、コイツはやり過ぎという話は間違いなさそう。組んで使えなかったら辛過ぎます。
ここはギリギリを攻める30インチ以下にするべきか、それとも安全作で32インチにするべきか……。
いろいろ考えた末に32インチぐらいにすることにしました。
だって、しくじってもまたカットできるじゃん。
ネジ用の穴開けしくじるかも? という恐れもありますから。
ささっとネットでセンチとインチを変換して、32インチ(約82センチ)くらいの位置にマーキングします。
インナーシャフトの長さが決まったら、それにアワセてアウターシャフトのカットする長さも決めます。
3.アウターシャフトのカット
いよいよカットしましょう。
さて、この手の金属シャフトをカットするには工具が必要です。ディスクグラインダーとか金属カッターとか、金ノコとかいろいろありますが、今回使うのはパイプカッターです。
ディスクグラインダーとかの電動工具が一番速いんですが、パイプカッターの利点もあります。それは平行カットがやりやすいということ。パイプに挟んでグリグリ回してカットする機構なので、上下のズレが少ないのが特徴なのです。
ただし、パイプの径に合ったモノを使う必要があります。アウターチューブが40mmほどあるので、今回は50mmまでカット出来るタイプを使います。
というわけで、カッターでパイプを挟んで回します。
すると、平行になるハズの溝がどんどんズレて行きます………。
なんでや!
32インチ設定にしといて良かった!
溝がネジ切れるようにズレて行く…。ということは力が横に逃げてる?
もしかして刃を押し込み過ぎ? このことに気がついて、最初のうちは刃を押し込み過ぎないようにして溝をまずは作るようにしました。
これがやっぱり正解だったようで…。
一本の溝が付いたら、あとはひたすら回していきます。
ひたすら…。ひたすら…。ひたすら…。ひたすら…。
切れた!
いやー、長かった。アウターシャフトをカットするだけで20分くらいかかりました。右に見えているのは溝のズレをどうにかするために試行錯誤しながら切ったテストの部分。つまり、2回切ってるんで40分くらいは回してたワケですよ。
次はインナーシャフトです。
が、ここで問題に気づきます。
それは……、インナーシャフトはアウターシャフトよりも分厚い!ということです。
どれくらい時間かかるんだろう…………
4.インナーシャフトをカットします……
ともあれ、切らなきゃ始まりません。
ハラを括ってカットスタート。
10分…
20分……
さんじゅう……
なんだか果てしなく回してる気がしてきます。
腕も痛くなってきたし。
結局インナーシャフト切れるまでにざっと1時間くらいかかりました。
つかれたよ!
時間がかかった理由はいろいろあると思いますが、きっと刃を傷めるのが怖くて、力の掛け方が足りなかったんだと思います。
※この後筋肉痛になりました。
5.ピニオン固定用の穴を3.2mmのドリルで開ける
今回ラストの工程です…。
が、コレ大変だったので途中の写真撮り損ねましたので、結果写真のみ。
自撮りが無理な工程は結構撮れてません…
一応ポイントは…
1.インパクトドリルは穴開けにはNG。ドリルドライバーを使いましょう。
2.できるだけパワフルなヤツをチョイス。弱いとダメらしいです。
3.ドリルの刃はステン用。いろいろ有ります。
4.冷却用の専用オイルを掛けつつ、体重をかけて一気に。
てな感じで、上手く開きました。
大体1ヶ所30秒も掛かりません。
こんなカンタンに開けられるならもうちょっと攻めた長さにしてもよかったかもとは思いますが、カットし直すのは面倒なのでパス。
カット面は若干外に広がっていて、このままだとピニオンが入りませんから、ヤスリでゴリゴリと削っておきます。
今回はここまで!
次回は塗装とペダル回りの組み立ての前に『トラブルシューティング』をお届けします ↓