インドアを狙え!
息子の釣りデビュー戦(金魚釣り)での劇的クライマックス以来、すっかり屋内型釣り堀の快適さに心を奪われていた僕。
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当然、次の狙い目もインドアとなります。ほどなく千葉県内にターゲットを発見。下調べもそこそこに、息子と現場に急行しました。
この日の息子は機嫌の虫の居所が悪いのか、車中でグズグズ…。それをなだめたり、すかしたり、林の中で道に迷ったりしながら、1時間ほどでお店に到着。
千葉県富里市にある「海釣りハウス コリュッシュ」さん。大型の屋内型釣り堀です。
さっそく店内を偵察します。
房総半島内陸部で海釣り気分
こちらのお店の特徴は、房総半島の内陸部にいながらにして海釣り気分を楽しめること。この時期だと40尾ほどのマダイ、カサゴ、ヒラメのほか、10尾以上のオマールエビが、大きな水槽に放されているのだそうです。
2時間コースでは、釣れた魚が2尾まで持ち帰り可能。3尾目以上は魚種に応じた別料金でお持ち帰りができるシステムです。釣れなかった場合は、くじ引きで商品をもらえます。これには弱気な取材班も一安心。
このところは水温がやや低く、魚の活性がいまひとつなんだそうです。お店の方はその点を気にかけていましたが、前日のお客さんは、たくさん釣って帰ったとのこと。
期待と不安が入り混じります。
デビュー戦(金魚釣り)で強烈なジリジリ感を味わっただけに、マダイをはじめとする本格派を相手にする2戦目は、さらに難しい展開になるというのがコーチ(僕)の見立て。うちのエースが店内の片隅に設置された砂場で躍動する…という展開は回避したいものです。
忘れちゃいけない、おやくそく
お店のスタッフの方に竿を借り、エサのつけ方と、釣り方を教えていただきます。
エサはエビの一種で「オキアミ」というそうです。エサを投げたらリールのロックを外し、釣り糸がたるんだところで、リールを2回、ぐーるぐる。覚えることがいっぱいあるなぁ。
いよいよ、インドア海釣り体験のスタートです。さあ、今日もがんばってみよう。
忘れちゃいけないこと。
子連れの釣りは、安全面の注意が常に必要なことは言うまでもありません。その点、この水槽は手前側が浅い構造になっているので、安心感があります。
初めての親子釣り
この日は僕も、息子と一緒に釣りを楽しみます。
そういえば、前回の金魚釣りはお子様限定だったので、親子釣りはこの日が初めて。なんとなく感慨にふけっていると、僕の竿の針先をコツコツするような感覚がありました。すかさず合わせてみたところ、なかなか立派なマダイが1尾かかりました。
でも、カメラ操作をもたついている間に、残念ながらバラしてしまいます。
これには息子もしょんぼり、がっくり。現在の僕の技術レベルでは、釣り竿と一眼レフのマルチタスクには少々無理があったようです。
そもそも、釣り上げてから撮ればよかったわけです。
その後、アタリは鳴りを潜めます。僕はモクモクと、息子はモジモジと、ただ釣り糸を垂れるのみ。
そして少しずつ、(だが確実に)息子のコンセントレーションは低下していきます。しばらくすると、僕に釣り竿を預け、「様子を見てくる!」と駆け出していきました。
SUNABA!
やっぱり砂場で遊びたかったようです。
というわけで、父は孤独な“二丁拳銃”スタイルに。
それでも、息子なりに釣果が気になるらしく、①ときおり戻って来ては、②しばし釣り竿を握り…、
③「何もない」とわかるとダッシュで砂場に戻るという、行動パターンが確立されていくのでした。
息子の竿で父が釣る
左右両脇に2本の釣り竿を挟み立ち尽くす僕の指先に、先ほどのマダイとは違うアタリが。グイと引きずり込むような動きに戸惑いましたが、思い切って合わせてみると、なんとオマールエビが食い付いているじゃないですか?
「釣れたよー」
大きな声で、僕は砂場の息子に呼びかけます。すると息子が、息せき切って駆け戻ってきます。
左側の竿なので、本来これは息子の獲物です。でも、先ほどの“幻のゴール”の経験から、むやみな“竿回し”は危険と判断。慌てて引き上げましたが、せめて、一緒に竿を引き上げるくらいはやらせてあげられたかもしれません。
「オマールエビっていうんだよ」と僕が言うと、息子はびくびくしながら甲羅を指で突っつきます。
「怖くないから持ってごらん」
初めて触ったオマールエビに、文字通り触発されたのか、再びやる気を取り戻した息子です。
でも、そうこうしているうちに、この日の釣りはタイムアップとなりました。
初めての親子釣り、釣果はオマールエビ1尾。息子にも釣らせてあげたかったところですが、これが今の僕らの実力ということでしょう。
この日お邪魔したコリュッシュさんには、子連れでの海釣りに挑戦したい親御さんが、シミュレーションを兼ねて来店するケースも多いそうです。週末は混雑が予想されるので、事前の予約がおすすめ。
今後の育成方針についての一考察
その日の夕飯のメインはもちろん、オマールエビ。『アニー・ホール』のワンシーンのように決死の覚悟で茹で上げたエビは、殻をむいて、身をポン酢につけて、みんなでおいしく食べました。
小さな息子と肩を並べて、水面に釣り糸を垂らすひと時は楽しいもの。でも、ビギナーズラック重視の育成スタイルに、ある種の限界を感じ始めていることも確かなわけで…。
息子との釣りの思い出の1ページに「課題」の二文字が浮かび上がった、インドア海釣り体験の一日でした。
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