火山の島”伊豆大島”で荒ぶる地球のワイルドな自然を堪能【釣り島さんぽ|一度は行きたい伊豆諸島案内】



東京都に属する離島・伊豆諸島は、都心からちょっと離れているだけなのに、透き通るように青く綺麗な海が最大の魅力。黒潮がぶつかる島々は、絶好のフィッシングスポットとして多くの海釣りファンを惹きつけている。そんな伊豆諸島に釣りに行く機会に恵まれたら、メインイベントの合間にちょっと足を伸ばして、島々の魅力的なスポットを訪れてみるのはいかがだろうか? 伊豆諸島の旅をさらに楽しめるプラスワン情報、今回は都心にいちばん近いネイチャーアイランド「伊豆大島」を紹介する。

ナビゲーター:ヒラマツ カズヒロさんNPO法人「Nature Service」の島事業リーダーとして、伊豆諸島を全島を巡り取材する「伊豆諸島全島制覇」を企画。伊豆諸島を飛び回っています。海に入った後のビールと、民宿のご飯が大好物。ビールが美味しくなる景色を巡って飲む「ビールおじさん」。

都心にいちばん近いネイチャーアイランド「伊豆大島」

今回ご紹介するのは、伊豆諸島で最大、都心に一番近い位置にある「伊豆大島」。

都心からの船便が多く就航率も高いだけでなく、島内には宿泊施設やスーパー・居酒屋なども充実しており、初めて訪れる人にも優しく便利な島です。

伊豆大島の最大の魅力は、なんと言っても「火山」が生み出した自然の姿。

数十年周期で噴火を繰り返す「三原山」は、現在も活動する活火山。状況によっては島民が避難を余儀なくされる場合もありますが、一方でその活きた自然の力は島に大きな恩恵も与えてくれます。

三原山山頂のカルデラ、流れ出た溶岩の跡、火口湖跡にできた港、海に突き出た筆のような島など、火山活動によってできた珍しい地形が多く残り、それらが作り出す雄大な景色を見るために多くの観光客が訪れます。

伊豆大島の中心・三原山。カルデラ内の中央火口丘は標高758m。山頂への遊歩道だけでなく、火口の周囲を巡る「お鉢めぐりコース」もある

その自然は、地質学的にも貴重な自然資源として「日本の地質百選」や「日本ジオパーク」にも選定。地球が産み出した地形・地質、そしてそこで暮らす人々の暮らしや歴史を学び、感じられる島です。

まるで月面のような異世界!? 日本唯一の砂漠「裏砂漠」

そんな伊豆大島のオススメスポットは、「ここに来ないと大島に来たと認めない」と言う島の方もいる「裏砂漠」。

見るものを威圧するような黒い砂漠が見渡す限り広がる「裏砂漠」

噴火により発生した火山灰と砂礫が積もって出来た地形で、実は日本で唯一「砂漠」と地名のつく場所なんだとか。吹き続ける強い風により草木が定着せず、見渡す限り荒涼とした真っ黒な大地が広がっています。

「地球とは思えない」「まるで月面」と印象を語る人も多く、宇宙を舞台にした映画やテレビの撮影にもよく使われるなど、訪れた人に強烈な印象を与えてくれます。伊豆大島を訪れたらぜひとも見ておきたいスポットです。

Tips!:広い伊豆大島での移動はレンタカーが便利。集落の反対側にある裏砂漠の入り口へもクルマで。ただし、砂漠の中までクルマで入ることはできません。詳細は借りる際にご確認ください。

火山が生み出したバウムクーヘン「地層大切断面」

島の南西側、島を一周する道路を走っていると、急に現れるのが「地層大切断面」。

この見た目から「バウムクーヘン」と呼ばれていて、土産店にはこの切断面をイメージしたお菓子のバウムクーヘンが売られている

伊豆大島の長い歴史において繰り返し発生した噴火による降下火砕物が堆積した地層で、その迫力に圧倒されます。道路工事中に偶然発見されたもので、貴重な自然遺産として海外の火山研究者の間でも有名なのだとか。高さ20mほどの地層が600m以上に渡って続く、珍しい景色を見ることができます。

もちろん火山あるところに温泉あり!

火山と温泉は切り離すことのできない間柄。もちろん伊豆大島にも温泉施設がいくつかあります。その中のひとつ「元町 浜の湯」は、水着着用で入る公共の露天風呂。温泉に入りながら青い海と伊豆半島が広がる景色を楽しめますが、オススメなのは夕方。伊豆半島に沈む夕日が実に綺麗です。

温泉に入りながらこんな美しい夕日を眺められるヘヴン!

温泉についての詳しい情報は「伊豆大島ナビ:温泉でくつろぐ」サイトにて。
http://oshima-navi.com/hotspring/

というわけで、次回はみなさんを秘境露天風呂で温泉三昧の島「式根島」へお連れします。どうぞお楽しみに!

その他の島の魅力については、我々NATURE SERVICEが手がけるWebサイト「NATURES.」の連載企画「伊豆諸島全島制覇」で紹介していますので、こちらもご覧ください。



さぁ行こう伊豆諸島!「チケットの買い方」編

今回ご紹介した伊豆大島をはじめ、伊豆諸島への旅は大きな荷物も運べる船が便利。JR山手線・浜松町駅から徒歩10分ほどの竹芝桟橋から就航する「東海汽船」の船が、それぞれの島へ誘ってくれます。

東海汽船の大型客船に乗り込んだ瞬間から、胸躍る非日常が始まる(写真は「さるびあ丸」)

まずは「行きたい! どうやって乗るの?」という方へ。チケットの取り方は大きく3つあります。

(1)竹芝桟橋の窓口で直接購入
(2)東海汽船ホームページからネット予約
(3)電話で予約

(1)は思い立ったら居ても立ってもいられず、という場合でしょうか。ですが、夏休みやGWの繁忙期には席がない場合もあるので注意が必要です。

オススメしたいのは(2)。会員登録してクレジットカードで購入する形で、15~20%も割引されておトクです。予約時にメールで届く「予約確認書」をプリントアウトして、乗船日に窓口で引き換えるだけ。あらかじめ日程が決まっている場合はコチラが便利。出航の2ヵ月前から購入可能です。

(3)は受付センターの人が優しく説明してくれるので、座席の種類などを相談しながら決めたい場合はコチラ。予約番号を教えてくれるので、乗船日に窓口でその番号を言ってチケットと引き換えます。

さらに、東海汽船のツアーで宿までまとめて、という方法もあるので、詳しくは東海汽船のWEBサイトをチェックしてみてください。

もっと自然を楽しもう!「Nature Service」の活動

さて、我々「Nature Service」は自然に触れる機会を増やすために様々な活動を行うNPO法人。この場を借りて活動内容の一部を紹介します。

ドローンを使って自然の姿を撮影

日常の中に少しだけ自然を思い出させるきっかけ作りのひとつとして、自然が織り成す様々な表情をドローンで撮影し、Webサイト「NATURES.」やSNSを通じて公開しています。伊豆諸島の各島でも撮影を行っており、文章や写真とはまた違った角度から自然を感じられる方法として好評です。

<伊豆大島で撮影したドローン動画はこちら ↓>


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