春の美味しいシーズンを迎えたサワラを使った蒸し物と焼き物を紹介。サワラをソバとともに酒蒸しにした「信州蒸し」と、幽庵地に漬け込んで焼く「幽庵焼き」は、ひと手間かかるものの調理自体はとてもカンタン割烹風。春のおもてなしにぜひお試しあれ!
信州蒸し
材量……サワラ、ソバ(乾麺)、ほうれん草(小松菜や菜の花、春菊でもOK)、ニンジン、シイタケ、青ネギ。
調味料……白だし、ミリン、酒、薄口醤油、塩。
作り方
1・ほうれん草のお浸しを作っておく
たっぷりの湯を沸かし、ほうれん草の根本を入れて10秒ほど。そのあと全体を入れて10秒ほど。取り出して水にさらす。軽く絞って水気を切る。
2・ツユを作る
本格的にダシを取った方が美味しいですが、今回は市販のダシで手抜き。
かけソバのツユくらいの濃さで。今回は魚の味を活かしたかったので、白だし、ミリン、薄口醤油で作りました。そのツユでニンジンとシイタケも煮ちゃいます。
3・ソバをゆでる
後から蒸すので固めに茹でます。袋書きのゆで時間より1分ほど短く。茹で上がったら水にさらしてザルで水気を切ります。
4・サワラを切って観音開きにする
サワラを食べやすいサイズに切り分けた後、真ん中から包丁を入れ写真のように観音(かんのん)開きにする。
5・皿に盛って蒸す
サワラでソバを包む。ニンジン、シイタケを盛り、塩・酒を軽く振り、ラップをして10分ほど蒸す。
蒸し器がなくても大丈夫。鍋に水を張って沸騰させるだけでも十分です。
※蒸し上がりは食器がとても熱くなっているので気をつけてください。
6・蒸し上がったら熱々のツユを張る
熱々のツユを張って、ほうれん草のお浸しをそえ、刻みネギを振ったら完成。お好みでワサビを載せても美味しいですよ。
いろいろなバリエーションをお楽しみください
魚はタイ、キンメなど春が旬の白身の魚がおススメです。柔らかい白身がふんわりと蒸されて美味しいですよ。菜の花なんか添えるとグッと春っぽくなるでしょうね。
長野が名産のソバを作っているから「信州蒸し」と言います。「信濃蒸し」「そば蒸し」という場合もあります。長野の郷土料理というわけではないようです。
バリエーションはいろいろありまして、魚を薄切りにしてソバをくるんだり、はたまたソバで魚を巻いたり、横に添えるだけだったり。寒い日はツユをあんかけにして食べても美味しいです。
つづいては幽庵焼きを…。
幽庵焼き
材量…サワラ
調味料……酒、みりん、醤油。
1・幽庵地は1:1:1
酒、みりん、醤油を1:1:1の割合で地(漬け込む汁のこと)を作ります。ここにユズやカボスの輪切りなんかも加えるとさわやかな香りがつきます。今回は割愛。
その地に30分ほど漬け込みます。脂が多い魚は40分ほど。一晩漬けておいて翌日の朝ごはんや弁当のオカズに焼いてもいいですよ。
2・コゲつかないコツ~~中火&地をかけながら
ミリンと醤油が入っているのでコゲやすいです。中火で慎重に様子をうかがいながら。表面が乾いてきたらツユをかけてコゲないように。これで同時に照りを出していきます。
幽庵焼きは弁当にもピッタリ
幽安焼き、柚庵焼き、祐庵焼き、とも言います。江戸時代の茶人で、食通でもあった北村祐庵(堅田幽庵)が創案したと言われています。イナダ、サケ、カマスなんかも美味しいです。冷めても美味しいので翌朝焼いて、弁当に入れました。
ラインナップはシイタケとニンジンの炊き込みごはん、ほうれん草のお浸し、玉子焼き、ウインナ星人。右上の煮物はツナと昆布と大根とニンジンと油揚げ。前日の残り物です。
食材の残りを見事に使いまわす。我ながら素晴らしい創意工夫。ウインナ星人でお子さまも大喜び(我ながらバカなことをしていると思う)。でも、ここまでやると家族サービスを通り越して専業化されてしまうので気をつけてください。
おまけ~~ウインナ星人はこう作る
前回のウインナ星人が、野村マイケルルアマガ総合プロデューサーにウケたのでウインナ星人の作り方を。
今回の信州蒸しは、以前紹介した「ブリアラと白菜の土鍋蒸し」を教わった「あさとや」さんに教わりました。「あさとや」さんありがとう!!