もうすぐ6月ということで、野尻湖の解禁日から5月半ばまでの状況をざっくりお届けします。
野尻湖解禁日のハナシ
2017シーズンのスタートは4月22日。
当日の水温は湖全域で7℃前後でした。
今年は降雪量が比較的多く、湖の周囲は解禁日でも残雪多数。
昨年の同時期は10℃前後だったことから考えると、若干季節の進行は遅めと考えられる状況でのシーズンスタートだったと言えると思います。
岸辺にはチラホラと産卵で接岸したワカサギが見られる状況でしたが、ボイルなどはほとんど見えず。この時点で、スモールの活性はさほど高くなく、割りとキビシい初日かな? という印象でした。
ともあれ、予定通り。とりあえずはミドストでポロポロっと…。
他のアングラーはミドストやシャッドのドラッギング、または表層系でキャッチしていた模様。
最新ロッドは良いモノでした
ミドストといえば…。今年はレジットデザインのワイルドサイド。そしてフェンウィックのエイシスシリーズにミドスト専用機が登場しました。
定番だったテクナGPのミドストスペシャルを持っているアングラー的には、そっちとの使用感の差がかなりキニナルと思うのですが、同じくテクナGPユーザーのネコ人間的にも非常にキニナル点でしたので……、今回はレジットデザイン開発の鬼形さんに『記事書くので貸して下さい!』とおねだりして、ご厚意に甘えて使わせていただきました。ありがとうございます!
というわけで比較レビューしちゃいます。
ワイルドサイド64SUL ミドストスペシャルのおハナシ。
当日は両方のロッドに、それぞれミドスト用のジグヘッドリグをセットして使い比べてみました。
以下、個人的印象による、めっちゃ勝手なレビューです。
使用感は随分ハッキリと違いが出ました。
ざっくり言うと…
テクナGPのミドストSP→曲がり込む
ワイルドサイドのミドストSP→ハリがある
具体的な例を言えば、1/16OZ+3inシャッドシェイプをセットして振ったときに、ベリーまで曲がり込む感覚があるのがテクナGP。ベリーで止まる感覚があるのがワイルドサイド。ということです。
ではアクションの感覚は?
といえばここは甲乙付けがたい部分と言えます。なぜならば、そもそものマテリアルとしてテクナGPとワイルドサイドでは異なるからです。
双方ともにアラミド素材をブランクスにプライしたアラミドヴェイル、アラミドレインフォースメントという近い作りのロッドですが、使っているメインマテリアルは違うもの。多分ワイルドサイドの方が高弾性なんじゃないかなと思います。
なので、しなやかさの方向性が随分違う。
違うとは言え、それぞれで動かしやすさがあるので、若干の違いはあるものの慣れてしまえばどちらも問題なくミドストの動きを出すことが出来ます。
ガイドセッティングも大きく違います。
チタンSiCのニューコンセプトガイド(多分)という当時では軽いガイドを使っているテクナGPですが、ステンKガイドとは言え、小口径化が進んだワイルドサイドの最新ガイドセッティングと比べればモーメントは大きいし、スラックもより大きく出ます。
この辺り、好みの分かれる所ではあります。
スラックを多く出し気味にしてアクションを加えたい場合、小口径のワイルドサイドの場合、より多くのスラックを出すイメージで使う必要があります。
しかし、風の強い日などスラックが多く出てしまいがちな場合は、スラックの少ないワイルドサイドが圧倒的にコントローラブルです。
ガイド重量による振りやすさは、さすが専用機というべきか、古いテクナGPでも最新のワイルドサイドでも、使うリグやラインの太さに合わせたそれぞれの良さがあります。
パワーとか感度はどうなの?
というハナシですが、これは圧倒的にワイルドサイド! と言いたいところなんですが、復元力の高さという面ではテクナGPも最新のブランクスにヒケをとらない良さがあるのですよね…。
さてさて、ざっとした個人的な結論を言うと、フロロ3〜4lb&1/16oz+シャッドシェイプワームのジグヘッドリグを基準とした場合で、それより下(例えば低比重なアライブシャッドや1/32ozのリグとか)ならテクナGP。よりバルキーなもの…、チビアダーなどの4inクラスのワームとか1/16oz以上のウエイトを使ってもっと深いところを釣るならワイルドサイドを使う。
こんな使い分けをすると、より完璧な布陣だと個人的には思います。
ということで、できればデッキには常に両方おいておきたいというのがホンネ。
なので、結論としては、既にテクナGP使ってるアングラー的には追加で買うのがアリ。
ただしテクナも引退しなくて良いかなって所で。
こうなってくると、キニナルのはフェンウィックエイシスのミドストスペシャルですが…
5月後半のノジリ
さて、道具のハナシはここ迄にして野尻湖のハナシに戻しましょう。
スタート当初は遅めの季節進行だと思われていた野尻湖ですが、解禁日以降の天候に恵まれたこともあり、ゴールデンウィーク中に一気に水温が上がり、季節が進行します。
同時に、表層系への反応が解禁前後よりも良くなってきた様子です。
ウワサによるとゴールデンウィーク中にスポーニングベッドが出来始めたというハナシもありますが、5月12日には確実なベッドをいくつも確認。13日には雄がベッドにステイしはじめているところが点在。
ただし、この時点ではまだまだメスが卵を産んだあとと言う状況でもなく、メスを呼び込もうと頑張ってペアリングしてる様子でした。
この季節、各ボート店の釣果情報を見ていると、大体この季節に急激に釣果が伸びるタイミングがあると思います。
これが、いよいよ本格的なスポーニングシーズンが始まったという証拠です。
なので、今後時間が経つにつれて岬周りやディープフラットでのアフター狙いが本格化してきます。そうなるとより多彩な狙い方で釣れる、野尻湖のハイシーズン突入となりますのでお楽しみに。
あ、そうそう。スポーンと言えば切って離せないのがベッド周りの釣りです。
これに関しては、個人的には一切否定はしません。
なぜならば、野尻湖に関して言うと、この季節1〜5mのフラットなエリアやスポットに絡む所で釣ったバスはベッドを守っていた雄バスの可能性が極めて高いシーズンです。
ですから、ベッドと見て釣ろうがブラインドで釣ろうが、“釣った個体がベッドを守る雄では無い”と言い切ることはかなり難しいんです。
また、試せば分かることですが、どんなリグ、どんな釣り方だとしても、敵と認識した物体を雄スモールは口にします。しかも場合によっては完全に胃の中まで飲み込みますので、ベッドのサカナはエサを喰わないとは言えません。
なので、基本6月いっぱいはどこで釣った場合でも、ベッドの雄を釣っているつもりで、できるだけ優しくその場で逃がしてあげてくださいね。そうすれば、多分7月くらいには真っ黒な稚魚を桟橋あたりで一杯見かけることができると思うんで…。