ニジマスは、ちびっ子におすすめ
レジャーシーズン到来!
もっぱらインドア釣り堀で冬の寒さに耐えてきた「箱入り息子」を、屋外に開放する時がやってきました。
最近の彼、テレビの世界の「ヒーローもの」にすっかりハマっています。でも、やっぱり子供にはリアルな世界を元気に駆け回ってもらいたいもの。
それなら大きな空の下、釣りができれば一石二鳥。楽しく、たくさん釣れればさらによし。というわけで、今回の対戦相手は、ちびっ子にも釣りやすい「ニジマス」です。
「釣る・焼く・食べる」のフルコース
やって来たのは千葉県北部、手賀沼のほとりにある「手賀沼フィッシングセンター」さん。40年以上にわたって地元のファンに愛されてきた釣り堀です。
こちらの施設の目玉は、釣ったニジマスをわたぬきして、炭火で焼いて、その場で食べられる、というサービス(※土日祝日限定)。
「釣る・焼く・食べる」のフルコース。好奇心旺盛なキッズが食い付くことうけあいです。
貸し竿は1本1000円。制限時間はありません。
自分の竿を持ち込む場合も、同じ料金がかかります。ちなみにわが家は、この日のために買った竿とスピニングリールでのチャレンジです。
(初心者がスピニングリールに糸を巻く顛末は【保護者編】をご覧ください)
この釣り堀はエサ釣り専用で、ルアーは使用不可。僕は前日に釣り具屋さんに行き、仕掛けを一そろい買っておきました。
ちなみにエサはうどんです。制限なしでもらえます。
釣ったニジマスはすべて買い取りなので、釣りすぎにご注意!(※100グラム140円)
不測の事態
午前9時。期待に胸を膨らませて釣り場に向かうと、先客さんがいらっしゃいます。いいペースで釣れているようです。
「こんなふうに投げてね」。
僕が「お手本」の一投目を投げ入れたところで、いきなりトラブル発生。ラインがリールに絡まってしまいました。それをほどいていると今度は仕掛けが大混線。おやおや、前途多難です。
右サイドでは、お隣のお父さんが、慣れた手つきでニジマスを釣り上げていきます。わが家の焦りは募るばかりです。
“午前中の早め”を逃すと釣れなくなる――
それが、これまでに僕らが学んだセオリーです。僕は、すぱッとリールをあきらめて、竿の先端にラインを直結することに決めました。
ちょっと格好悪いけど、しょうがない。
救援物資
貴重な時間を20分ほど無駄にしてしまいました。気を取り直して釣りを再開します。
うどんのエサを入れると、すぐに突っつくような感触が。ウキも反応しています。竿を上げてみると、うどんだけが食べられています。うーん、やな予感。
「これ、釣れますよ」。
ここでまさかの助け舟。早々に釣りを終えたお隣さんが、あまった「ブドウ虫」を僕らにくれるというのです。これはありがたい。
もらったブドウ虫を針にかけ、仕切り直しの一投目をキャスト。そして、しばし待機。
さっそく本日最初のアタリがきました。
「竿上げろー!」
入れ食い
無事に1尾目の捕獲に成功しました。
よっぽどうれしかったのでしょう。息子は初めて釣ったニジマスを、迷わず手づかみしています。
それは小ぶりなニジマスです。でも、彼の小さな手には、ちょうどいいサイズ。
「なんておさかな?」と息子に聞かれ、「ニジマスだよ」と僕は言います。
すると息子は「にじまるかぁー」と納得しています。
ここを潮目と読んだ僕は、そろーりそろりと息子を連れて、恩人のお隣さんが釣りまくっていた位置へと移動。すると、今度は大きなサイズのニジマスが釣れました。
その後も勢いは止まらず。ガンガン釣れます。やはりこの位置が「ポイント」だったようです。
ヒーローになるとき
先ほど我われが陣取っていた場所では、一組のお母さんと娘さんが、なかなか釣れずに難儀しています。
これも何かの縁なのです。ブドウ虫をおすそ分けします。
しばらくすると、娘さんの歓声が聞こえてきました。ニジマスが釣れたのです。いい仕事するな、ブドウ虫。
たくさんのニジマスを釣り上げて、ハイテンションな息子のもとに、近くに住む親戚一家が駆け付けてくれました。
「“にじまる”10ぴきもつったよ!」。
大きな身振りと手振りを交えて、彼は釣った魚をみんなに見せてあげます。「すごいね」と褒められて、本当にうれしそう。
気分はまるで憧れの「ヒーロー」のようです。
そんなこんなで気が付けば、時間はもう、お昼どき。
「釣ったニジマス焼いて食べるよ」。
ニジマスの塩焼き
ニジマスを受付に持って行き、清算します。
この日の釣果は過去最高の9尾。重さはなんと1.4キロになりました。
ブドウ虫をくれたお隣さんに、あらためて感謝です。
【本日のお会計】
・貸し竿1本:1000円
・ニジマス買取(1.4キロ):1960円
・わたぬき&セルフ焼き(80円×6尾):480円
・わたぬきのみ(30円×3尾)※お持ち帰り用
合計:3530円
目の前でわたぬきしてもらいます。
わたぬきしたニジマスに串を通してもらったら、両面に思いっきり塩を振りかけます。
焼き始めはお腹側から。
この状態で30分ほど待ちます。炭火であぶられた脂が食欲をそそります。
背中側の焼きは10分くらい。その後、両側面を焦げ目がつく程度にあぶったら、本日のお昼ごはん「ニジマスの塩焼き」の完成です。
獲れたてのニジマスは身が柔らかく、川魚特有の臭みもありません。塩加減もちょうどよい。
「ニジマスってこんなにおいしかったっけ?」と、僕ら大人は驚きます。
子供たちは夢中でニジマスを頬張っています。
“にじまる”にもらった自信
うちの子は何事につけても慎重で、「それもまた個性」と僕は考えていました。ところが、今回のニジマス釣り以来、物事に積極的に取り組む姿勢が、生活の中の何気ない場面でしばしば見られるようになったのです。
これも「釣育」の一成果、といったところでしょうか。
親と子の絆も深まるニジマス釣り。
未来の釣り師が「ヒーロー」になった、よく晴れた春の一日でした。
【手賀沼フィッシングセンター】
住所:千葉県柏市曙橋字若鮎1
電話番号:04-7185-2424(代)
営業時間:8:30~17:00
定休日:月曜日(祝祭日の場合は翌日)
URL:http://www.teganuma-fish.com
※営業日・サービス等については施設にお問い合わせください。