千葉は館山にてイワシ釣り。ジグヘッドにマイクロワームを投入、初めて”イワシング”をやってみることに。案内人は、房総のマルチな釣りウマアングラー・渡邊長士氏と、当日の取材に急遽付き合ってくれたロデオクラフトの釣り神様・松本幸雄氏。プラス、今回は釣ったその場でお料理タイム。絶品イワシのイタリアンサンドを作ってみた。
ひさしぶりの『アモーレも喜ぶ!』の料理シリーズ。これまで、筆者が大好物のイタリアンを中心にいろんなメニューを作ってきたが・・・。
今回、メインとなる魚は、海に住む魚たちにとって、なくてはならない存在。私たち人間も、どこかで必ず口にしているほど日常的で身近な食物。みんな大好物の、とある魚にスポットを当ててみたい。それは・・・、
イワシだ。
イワシと言えどもいろんな種類があるが、今回はカタクチイワシについて詳しく見ていこう。
イワシは、おもにニシン科のマイワシ、ウルメイワシ。そして、カタクチイワシ科のカタクチイワシの3種が日本人にとって馴染み深いイワシである。海外では、カタクチイワシはアンチョビ(anchovy)の名で親しまれ、なくてはならない調味料として重宝されている。また、イタリアではアッチューガと呼ばれている。
旬は脂ののった秋頃(9〜11月)と言われているが、実は群れによって産卵期は異なり一概に旬を決めるのは難しい。春先や、入梅、真夏でも極上の脂を蓄えた群れがいるので、どのシーズンでも美味しく食べられるはずだ。
海では食物連鎖の土台にいて、「海の米」と言われるほど大変重要な役割を担っている。カツオ漁の活き餌としては高級魚であるが、陸に水揚げされると数が多いだけに安く、調理に手間がかかるだけに面倒臭がられる。
人にあげてもそれほど喜ばれないし、釣りでもあまり注目されない存在だが、じつは調理も簡単でかなり美味。そして、DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)の含有量が豊富で、血液サラサ、頭の働きが良くなり、美容もバッチリ。女性や子どもに食べさせたい魚NO.1?と言えるだろう。
去年、入梅の時期に千葉は館山にて、初めて”イワシング”をやってみた。案内人は、房総のマルチな釣りウマアングラー渡邊長士さん。そして、当日の取材に急遽付き合ってくれたロデオクラフトの釣り神様、松本幸雄さんだ。
釣りだって、サビキだとゲーム性は高くないが、以下の方法で釣れば、難しくてヒートアップすること間違いナシだ!
野外実釣編 魅惑なるイワシング
まずは、釣りをする前に海の状況をチェックしてみよう。イワシが群れでいないところで釣りをしたって、いつまでたっても釣れない。
さらに、今回はイワシを極小ワームで狙う”イワシング”。イワシの姿を見つけないことには始まらないのだ!
海中を覗くと、なんとイワシの群れが!! 巨大なボールのような形で回遊している。さっそく、ジグヘッドにマイクロワームを投入してイワシング開始!!
使うタックルは、アジング用のロッドとリールがあれば◎。そこに巻くラインはエステルやフロロがオススメだ。ジグヘッドも重さは、重くても1.5グラム程度で、軽いのだと0.3グラムまでを使い分けてみる。
しばらくすると、答えが返ってきた!!
アジングタックルで、イワシも釣れた!! それもスレ掛かりではなく、しっかりと口に掛かっている!! 当時はルアーでイワシが釣れるかなど半信半疑だった筆者だが、この光景でライトゲームの可能性が一気に広がったのを感じた瞬間だった。
しかしながら、さすが房総ソルトゲームの達人である。筆者たちが慣れない極小ジグヘッドに悪戦苦闘しているのを尻目にバシバシと釣り上げていく。
松本さんも、途中で合流してからサクッとイワシを釣り上げて、すでに自分の釣り遊びに熱中している。
それから、約十数分後。筆者にも念願のイワシが釣れた!! しかし・・・。
このお方だけは、なぜだか小サバがかかってきた。ウグイ将軍である。
「なんで、ワイだけサバなんや〜! ワイにもイワシ釣らせんかい!!」
はじめはイワシング?とナメてかかっていた将軍だが、さすがに自分だけ釣れないとなるとヒートアップしてくる。試行錯誤を繰り返すが、上がってくるのはサバ、サバ、サバ。
そんなウグイ将軍のことなどお構いナシに、イワシがスレる前に秘密兵器を投入! ここで「アミこませ」を海中に散布する!
そうすることで、海中のミノフスキー粒子の濃度が上がり、ワームをふわふわと空中を漂うことができ、イワシの活性も格段と上がるのだ!(注意!:この文は筆者の妄想100%が生み出した産物。決して信用しないように!!)
周りの釣り人たちは、まったくイワシには興味がない模様。イワシの活性は更に上がっていき、筆者たち4人がイワシ爆釣確変タイムに突入。
その日数時間の釣りで、50尾以上のカタクチイワシを釣りあげることに成功した。イワシングロケ、大成功である。この釣り、どうにかして流行らせることはできないだろうか・・・。
野外実調編 華麗なるイワシサンド
さて、大量に釣り上げたカタクチイワシをどう調理しようか。
幼魚はシラスとして食され、干せばジャコ、畳イワシ、目刺し、煮干し・・・と伝統的な利用法を挙げるだけでもキリがない。イワシは鮮度が落ちやすいが、保存食として利用すれば長くその味を楽しむことができる。日本で最初の缶詰も、なんとイワシなのだ。
「7回洗えばタイの味」とも言われ、他の高級魚にもに勝るとも劣らないこの魚。イタリアン好きな筆者としては、手軽でアウトドアの料理にもぴったりなイタリアンサンドをさっそく作ってみた。
〜材料(2~3人前)〜
●カタクチイワシ数尾●フランスパン数切れ●トマト1個●スライスチーズ3〜4枚●カットサラダ1袋
○オリーブオイル適量○塩適量○コショウ適量○にんにく適量(今回は、チップを使用)
①焼く
イワシはウロコと頭、内臓を取り、手開きにする。手開きの際、骨はとってもとらなくても良い。見た目を気にしたければ取り、骨までがっつり食べてカルシウムを摂りたい人はそのままで。包丁を使わず、簡単に行える。スキレット(フライパンでも可。小さい方が携帯に便利だ)にたっぷりのオリーブオイルとにんにくを入れて、弱火で温める。にんにくの香りが漂ってきたら、中火にしてイワシを投入。まずは皮面に火を通し、焼き色がついたら裏面を弱火でじっくり。
②具をサンド
等間隔に切ったフランスパンの中央に切れ目を入れ、カットサラダ、チーズ、そして焼きあがったイワシをニンニクごとパンの中に挟んであげれば完成までもう一息!!
③完成。ロケーションの良い場所で食す
最後にカットしたトマトをサンドすれば完成だ。
料理が完成して思った。「ここは館山。ロケーションの良い場所には困らない。せっかくなら気持ちの良い場所で食べたい!」と。
そこで、場所を海辺に移し、爽やかな潮風を浴びながら新聞の上に乗せていただく。これだけで、すでに気分はアメリカ西海岸だ。さっそく、みんなでイワシサンドを食してみる。
ザ・漢(おとこ)の料理! しかし、これがまた美味い!!
釣り初めは微妙だったウグイ将軍も、一口頬張ればご覧の通りの嬉シブい顔に。イタリアの風が口に広がって美味。食べ応え良く、昼下がりのランチとしては申し分ない! イワシの美味さ、ありがたさを再確認した。
次回のアモーレは、イワシ(マイワシ)料理をさらに探求すべく、自宅での本格料理編をお届けしようと思う! お楽しみに!