ジャンプライズ代表の井上友樹さんみずからが、「史上最高傑作」と言い表すNEWルアー「飛びキング」開発秘話Part2。今回は、これまでのルアー界の常識をくつがえす可能性をもつ、「飛びキング」という新作ルアーの革命力を徹底分析。
Part1はコチラ
ジャンプライズ・井上友樹が生み出した「革命的ルアー」とは?
革命力その1 [飛距離]
ひと昔前は同ウエイトにおいて、プラグとメタルジグの飛距離が並ぶことは考えられなかった…少なくとも「ぶっ飛び君」と「かっ飛び棒」(ジャンプライズ)の誕生以前は。
「ぶっ飛び君」&「かっ飛び棒」の開発によって、プラグでも同ウエイト条件でメタルジグと対等の飛距離が叩き出せることを井上友樹さんが証明してくれた。
そして、その数年後…井上さんは「飛びキング」によって、プラグでもメタルジグの飛距離を超えることを証明しようとしている。
井上友樹さん(以下井上)「無数に繰り返したキャストデータによると、自分が飛びキングをフルキャストした場合、同ウエイトの一般的なメタルジグよりも平均で5メートルほど飛びます。具体的には平均130メートル。この飛距離は現代の開発環境と、日々勉強を積んだ結果、ようやく到達できた開発力があって実現できた距離だと思っています」。
飛びキングのウエイトは40グラム(2017年7月プロト段階、以下データ部同)。全長は105ミリ。さらに特筆すべきは横方向のボディ肉厚で、12.5ミリもある。ちなみに、同ウエイトの一般的なメルルジグの場合、横方向の肉厚は7~7.5ミリになることが多い。そして平均全長は約70ミリ。
井上「飛びキングの肉厚感とシルエットの大きさが、ルアーとしての存在感のアピールに直結しています。さらに、このシルエットから発生する波動を考えると、その時点で魚を呼び寄せるチカラは圧倒的です。ルアーフィッシングにおいて飛距離は圧倒的な武器になります。今までメタルジグの独壇場だった遠距離戦の領域に、存在感のあるシルエットで乗り込むのだから、それは効果的ですよね(笑)」。
革命力その2 [アクション]
しかも、この「飛びキング」アクションはミノーライクなハイピッチが可能。
飛距離、シルエット、アクション、フォール。全領域において既存のルアーの壁を変えるときに、井上さんが最初に超えなければならない壁がルアー素材の壁だったという。
井上「従来のABS樹脂素材では無理でした。既存の壁を超えるためには、ルアー素材から見直す必要がありました」。
具体的な素材名は告げられないが、飛びキングではジャンプライズとしては初採用の素材が使われている。そのためリップ部分もクリアではない。
井上「理想のアクションを出すためには、エアルームの空気比重に近い軽い素材を使うことが重要です。さんざん探し回りしました(笑)。現状、市場にある一般的な素材で比重が軽いのはバルサです。ですけどバルサでジャンプライズ製ルアーの緻密な内部構造を制作するのは不可能です。そのため自分なりに研究を重ねて、今回の特殊素材に至りました。飛びキングのミノーライクなハイピッチアクションは、この新素材ありきで実現しました」。
その結果、スローリトリーブでもブレないハイピッチアクション。さらにリトリーブしてもシンキングペンシルのように浮上することなく、ボトムをキープできるキープ力。その上、ボトムから水深2メートルまで自在に探れるレンジコントロール力を兼ね備えた次世代型ルアーが完成した。
革命力3 [フォールスピード]
フル遠投してボトムを取る。そんな使い方をすることが多い「飛びキング」はウエイト一点集中型設計を採用。そのため荒天時や、潮流の速いフィールドでも、メタルジグを凌ぐスピードでキックバックしながら「ストン」とボトムまで一気に落ちる。結果的にボトム探知能力にも長けている。
100メートル超えの沖を攻略できてシルエットも大きい。さらにボトム20メートルも楽々と攻めるポテンシャルを保持しているが、アクションはミノーライクなハイピッチアクション。その上、荒天時でもボトムを迅速に取れて、ボトム探知能力も高い。