アブ・ガルシア ベイトリールレビュー:”レボLC6″は巻き物ルアーにマッチした軽量コンパクトモデル



伝統のアブ・ガルシアシリーズから、2017年にリリースされたベイトリール「レボLC6」は軽量かつコストパフォーマンスに秀でたアイテム。今回は、釣りプラ編集部安倍が実際に釣り場でのインプレを交えてレビューします。

アブ・ガルシア2017年新作ベイトリール

アブ・ガルシア「レボ LC6」は、ほかに「LT7」「LV7」の兄弟モデルとともに、2017年にリリースされたNEWモデル。

レボ LC6

自重:166グラム●ギア比:6.4:1●最大ライン巻取:64センチ●最大ドラグ力:5.5キロ●ラインキャパシティ:14ポンド100メートル●ベアリング:ボール6/ローラー1●価格:2万5000円(税抜き)

上位モデルである「レボ LTX-BF8」などくらべ、価格をおさえたミドルグレードモデルなのだが、そのスペックは上位機種に迫る部分も多い実力派だ。その詳細を見ていこう。

上位機種譲りのキャスト機構

LC6に搭載されているスプールとブレーキユニットは、上位機種にも採用されている「超々ジュラルミン製32ミリスプール」と「マグトラックスIIIブレーキシステム」。

マグトラックスIIIブレーキシステムはアブ・ガルシアが熟成を重ねてきたマグネットブレーキシステム。標準では3mm厚と1.5mm厚のマグネットがそれぞれ5個ずつ搭載されており、アングラーの好みや使用ルアー、状況に応じて細かく取り外して調節可能だ。

実釣時のブレーキ調整は主に外部ダイヤルで行う。ルアーのウエイトや風向きなどの条件変化に応じて、キメ細かく対応できる。

コンパクトかつ軽量なボディ

「レボ LC6」の自重は166グラム。ベイトフィネス専用モデルなどと比較するとわずかに差はあるものの、実際にフィールドで釣りをしてみた印象は「むしろスペック以上に軽い」というものだった。

特にロッドに取り付けた時のコンパクトさは、手の中にすっぽりと収まる感じで、バランスが取りやすかった。38ミリに設定された、リーフフットから最高部までの全高がその要因だろう。

ソフトクラッチと呼ばれる、クラッチ機構は適度なチカラで確実に作動し、よい意味でクラッチが気になることはなかった。



ハンドル&ドラグ

ハンドルはオールマイティな85ミリ長。滑りにくいEVAフラットノブとの相性もよく、巻き物ルアーでも軽快にリトリーブができた。

ドラグは上位機種と同機構の「カーボンマトリックスドラグ」で、最大ドラグ力は5.5キロ。バス釣りやソルトルアーでのベーシックなターゲットには十分な数値だろう。

内部のドライブギヤは「デュラギア ブラスギア」となっていて、上位機種に搭載されている「超々ジュラルミンギヤ」とは異なっている。

巻き物ルアーに適したセッティング

「レボ LC6」のギヤ比は6.4:1。昨今のベイトリールのハイギヤ化の中では、比較的低めのギヤ設定と思われる。しかし、10年以上前はギヤ比6クラスといえば、十分なハイギヤだったのが、時代の流れはギヤ比7が標準になりつつあるのが実情だろう。

実釣で使ったときは、巻き物ルアーから撃ち物まで幅広く使ったが、どちらも満足いく巻き上げ感だった。とくにポンパドール(ジャッカル)などのトップウォータールアー系は、ギヤ比7クラスだと速巻き傾向になりやすいが、「LC6」ならゆとりを持って巻くことができた。

ポンパドールなどのハネモノは、ゆっくりと巻くことが釣れる要素なることが多い。速巻きにならないスピードで巻けるのがうれしい。

ちなみに、兄弟モデルである「LV7」は、ギヤ比が7のハイギヤモデル。「LT7」は「LV7」と比べてラインキャパシティが少なく、よりベイトフィネス的な使い方に適している。自分のスタイルによって選べるのが魅力だ。

また、実釣で試してみてかなり使い勝手がよかったのが、兄弟モデル全てに採用されている「ルアーキーパー」。ギヤボックス側に取り付けられているパーツで、ルアーのフックやワームシンカーなどをかけられる。そして使わない時は、ボディの内部に収納できるスグレモノだ。これは上位機種にもぜひとも採用してほしい。

ルアーキーパー。(写真はLT7)

インプレ総括

実釣インプレは、利根川水系で行った。巻き物ルアーの引き心地はとても安心感があり、負荷の大きいクランクベイトでも一日投げ倒すことも可能だろう。マグネットブレーキも調節しやすく、ずば抜けた飛びとまではいかないが、状況に応じて調節すれば、かなり幅広いウエイトのルアーに対応できた。

流入河川の水門前でトップ系でワンバイトあったのち、撃ち物に切り替えて、杭にピッチングして、バスをキャッチできた

実際にバスを釣り上げたブレーバー57(ボトムアップ)のネコリグは、ネイルシンカーが1.3グラムで、いわばベイトフィネスチックなスタイル。それでも実際に釣りをするうえで、十分な距離のピッチングが可能だった。

ヒットルアーはブレーバー57(ボトムアップ)のスナッグレスネコリグ。ロッドは999.9ホワイトウルフ(ロデオクラフト)6フィート11インチ/12ポンドクラス

軽量かつキャスト性能も安定感のある「LC6」はメーカー希望価格で2万5000円で、実勢では1万円台で購入できる。

コストパフォーマンス的に考えれば、エントリーユーザーのステップアップにオススメなだけでなく、台数が必要なボーターアングラーにとっても購入候補といえるのではないだろうか。兄弟モデルの「LT7」「LV7」との使い分ければ、使用感を大きく変えることなく、幅広いルアーや状況に対応できるラインナップを組むことが可能だ。

ルアーマガジン本誌”3Gインプレ”も見逃すな!

今回のインプレは、ルアーマガジン本誌の「バスタックル3Gインプレッション」取材時に行った。本誌では、ほかにも「レボ MGエクストリーム」「レボ SLC-IB」のチェックをしている。3台の比較インプレについては、ルアーマガジン本誌をご覧いただきたい。

ご存知3Gテスター横沢鉄平が、レボシリーズ3グレードを辛口インプレ。

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