バス釣り界の次世代アングラーを発掘するべく、ルアーマガジン編集部フルカワがスタートさせた”勝手に特命釣行PLUS”。第3回に登場するのは、岡山出身・レイドジャパンスタッフの”カンタ”こと植盛幹太氏。〈前編〉では、8月の岡山メジャーリバーでスタートするやいなや、第一投目で49センチをキャッチ! その勢いはとどまることを知らず、スタートして3時間も経たないうちに、3本でのウエイトは5060グラムという驚異的なスコアを叩き出した。果たしてその後は…?〈後編〉
〈前編を読まれていない方はこちらから ↓〉
3本で5060グラム、驚異的なウエイトで迎えた後半。果たしてカンタ君は!?
お題を達成すべくソフトベイトを封印し、狙うべくはハードベイトで50アップ。足守川から倉敷川へ移動し、クランクを数投して見切りをつけた。
カンタ「雰囲気ないですね。ちょっとこの状況でハードベイトで50アップがくる気がしない。ちょっと想定外なんですがロングランします」
小一時間かけて移動した先は一体どこだ!?
カンタ「芦田川へ来ました。ある程度魚のいる場所が見えてるんで、ダッジで拾えればなと」
芦田川・・・、つい2日前に別の取材で全然釣れなかったことを知っているだけに『大丈夫かいな?』と思っていたのだが・・・。
カンタ「出た〜!!50はないけど、読みが当たっててうれしいっす!」
なんと、芦田川に来てからわずか40分、46センチ1600グラムを釣り上げたカンタ君。おいおいおい、マジかよ少年! 一体どんだけでかバス釣れば気が済むんや!
…ていうか、芦田川へ来た理由を教えてくださいな?
カンタ「流れです。時期的にもバスが流れを求めてるっていうのはあるんですけど、単純にハードベイトでだますにもカレントは欲しい。そういう意味で倉敷川は流れがなさすぎる。だからすぐ見切りました。芦田川は浅いけど、流れがあることはわかっていたし、バスが付きそうな場所もそこそこ見えてたんで読み通りって感じですね」
ここまで、ドンピシャでやることなすことハマってくれるとマジでかっこいい!
さて、再びアウトサイドの消波ブロック帯際をダッジで流していくカンタくん。
カンタ「よっしゃ、リミットメイク!」
ファッ!?
4尾目から20分後、またもダッジにヒット! さっきよりデカい!
サイズは46.5センチ、1660グラム。なんと5尾の合計、8320グラム!!!
当初、無理だと思っていた方のお題を大幅に超えるウエイト!!!
いや、僕が取材した中で陸王も含め、過去最高のウエイトなんですけど…w コレって陸王の芦田川水系戦で2日で17キロ釣って来た青木大介さんに匹敵するぐらいヤバいんじゃないの?
カンタ「そういえば、青木さんもめちゃくちゃ釣ってましたね。2日で17キロはちょっと、考えられないですね。正直、自分自身の釣りでも過去最高くらいなんで」。
そのポテンシャルを取材の本番で引き出せるカンタ君もすごいんですけど・・・。ちなみカンタくんの取材歴は、昨年のルアマガモバイル・本家「特命釣行」と今回の取材の2回のみ。普通、カメラ意識したり、緊張したりして、思ったようにいかないのが大半なんだけど、すげぇよ、アンタ・・・。
時間は11時50分、これからの展開に期待しかねぇ!
引き続き、芦田川。日が高くなって来たので、フロッグでのカバー撃ち。ちなみにフロッグで釣った場合もハードルアーと見なすことにしました。
神キャストがズバズバ決まるが、バイトはなく移動を決意。再び足守川へロングランすることに。
移動中の車内で気になったことをいくつか聞いてみました。
まずはコレ。
カンタ「あ、これは自分のマイブームをそこに置いておくことで運転中に閃いたりするときがあるんですよ。最近のテーマは「虫」です。あ、フルカワさんに聞いてみたかったんですけど、三原虫のテールのラバーって湾曲してるじゃないですか? あれってどうやって作ったらあんな風にラバーが曲がるんですかね?」。
い、いや知らんよ・・・・汗。
だけど、ダッジもそうだけど、釣ることだけじゃなくて自分で色々試行錯誤しているのは感心。いつか、カンタプロデュースのルアーが出たらきっと良いものができそうだ。
そして、もうひとつ。カンタ君のソフトルアーボックスを見せてもらうと大体装着されてるフックがナローゲイプ。
バギークローにもナロー使ってるけど、ワイドゲイプは使わないの?
カンタ「ほとんど使わないですね。やっぱりナローのメリットが大きすぎるんで、今はほとんどナローゲイプ。Zカスタム[カルティバ]、ワーム34[がまかつ]、ダブルエッジ[リューギ]なんかを使い分けてます。結局、アイとのギャップがあるんで針先が口の中で立ちやすいんですよ。それにナローだと、カバー撃っててもシャンクがボディに沿ってる分、すり抜けが良い。バギークローのような肉厚のワームだって、ちゃんとフッキングができるならナローでも全然余裕でフッキングします」
僕が20歳の頃は針はそこまで気にしてなかった気がするんですけど・・・。まぁそんなこんな話をしてるとあっという間に岡山に戻ってきました。
その後、クリークでフロッグ、本流でクランクやミノーで狙っていく展開。
カンタ君のレベルミノーの使い方が面白かったので動画を撮ってみました。野池で効くワザとリザーバーで効くワザの2つを公開です。どちらも使えるテクニックですぞ。
カンタ流レベルミノーテクニック動画
無念のタイムアウトでお題達成ならず!
しかし、その後はお題達成ならないうちに終了時刻に! やりきったカンタ君の心境はいかに?
カンタ「おつかれさまでした。いやぁ、惜しかっただけに余計悔しいですね。でも、自分でもあり得ないと思えるくらいの釣りもできたんで嬉しい気持ちも半分です。またチャンスがもらえた時にもっと見せるものができるように自分の核となるものを探して、実力を磨いておきます。あ、あとフルカワさんと釣りができなかったのも心残りですかねw」
いや、逆に選んでほしかった本命のお題引いてたら余裕の達成ですから・・・。モッテルけど、モッテなかったというか、僕的にはラッキーというか。でもいいもの見させてもらいやした!!
帰りに「あのお方」の家に行ってきました!
カンタ「金森さん、すいません。ダメでした」
金森「おつかれ! てか、俺完全に風呂上がりのおっさんになってるけど大丈夫? てか、フル(古川)からラインもらって途中経過は聞いたよ。5本で8キロ超えたんだって? いや、お前やり過ぎw たぶん、俺でも岡(友成さん)でもそのウエイトは出せないと思うわ」
カンタ「いや、自分的にも過去に経験ないくらいの出来過ぎです。午前中はエリア選択がうまくハマってくれました」
金森「それは俺も聞きたいなw どこ行ったの? 倉敷川?」
カンタ「いえ、メインは足守川です。倉敷も考えてたんですけど、今日のタイドとか色々考えると個体数は少ないけど、足守川の方がサイズは狙えると思って」
金森「足守川かぁ〜。コレ一応、全国の人が見るからあえて説明するけど、確かにコンディションの良い魚はいる川だけど、カンタの言う通り個体数は多くないよな」
カンタ「多くないです。ホントタイミングとかエリア選択間違えるとバスいないんじゃないかって思えるくらいです」
金森「そんな足守川で朝の数時間で3本5キロだっけ? 良い読みしてるよ。狙いは?」
カンタ「当初の予定では、朝は潮の関係で流れがないので強制的にカレントが発生する堰から近いクリークと本流をやってみようと思ったんです。そしたら、クリークの水門から思ったより水が流れてて朝イチは1スポットで2本。他の水門も見に行ったらやっぱりどこも水を流してたんでとにかくランガンしました。でも、結局当たらなくて、堰まで行って・・・」
金森「あの50アップか。2350グラムだっけ?いやはや、51であのクオリティはすごいわ。ブリブリだったもんな。何で獲ったの?」
カンタ「バトルホッグのシンカーフリーテキサスです」
金森「出た!タクミの十八番w」
カンタ「金森さんに『川の釣りがうまくなりたいならアイツのDVDは擦り切れるまで見ろ』って言われて、タイムマジック(発売元:地球丸)見まくりましたから」
金森「その後はハードの展開をするために芦田川まで行ってダッジでハメたってわけか。いや、参ったよ。取材でこんな釣り見せれるなんて正直思ってなかったからな。でも、しばらくはカンタのこのウエイトが特命釣行プラスの金字塔になるんじゃないの?w」
カンタ「青木さんに比べたらまだまだですよ」
金森「バカ!アイツと比べるなww」
フルカワ的辛口総合評価
ささ、なんだかんだ周りから評判の辛口評価。そんな評価を裏切らないためにも辛口で行きたいと思います。
総合評価「S」
いや、これでも辛口です。
ほんとは「SS」を付けても良いくらいなんですが、本人が天狗になっては困るのでこの評価。
いや、釣りは文句なしで上手い。たとえこの日、自分が後ろで釣りしてても釣れる自信ははっきり言ってない。そう思えるフィールドのポテンシャルで、金森さんもいってた通り、後ろで拾い釣りができるほどの個体がいないw それを当てるために、流れを読み、地形を読み、縛りのあるルアーで展開していって5本8キロの釣果は誰が見ても納得せざるを得ない。
これがたとえマグレだったとしても、その「マグレ」を起こせるポテンシャルがなければこの数字は不可能。今のバス釣りはそんなに甘くない。甘くてもこれはいけるのか?w
それに、ルアーも良く見ていて、自分なりの使い方もあるし、いろんなルアーをちゃんと使ってる。それにもっとこうしたらどうなるんだろう?っていう興味心もあって、研究熱心。いつか、ルアーも作れるアングラーになること間違いない。
しゃべりの方も、動画を見ればわかるとおり上手! NGなしの一発オッケーだったし。
ただひとつ!改善点を上げるならば、釣りが上手すぎて自分のしていること、狙っていること、やってることを編集者ないし、読者にレベルを合わせて話せないこと。ただ、何度も言うけれどそれくらい釣りが上手いというのは間違いないので、他誌編集部のみなさんも取材をオファーする際はそのつもりで行ってみてくださいね!
最後に言っとくけど、カンタ君20歳だからね! 僕が「伊藤巧」やベー!って思ったのは彼が27歳くらいのときだから、伸びしろ考えたらかなりやばいでしょ!! また絶対取材したい人リストにいれておきます!
以上!
いや〜早くもいい人材見つけちまったなぁ〜^^