ティムコ新作ギル型ビッグベイト”ブッチギル”開発秘話・続報【リアクションで食わせる新機軸I字系ルアー】



I字系プロップベイトの性能を持ったギル型ビッグベイトとして、ティムコが新型ルアー『ブッチギル』を開発していることを前回お伝えした。今回は開発に携わっているティムコ・大津清彰氏が、さらに詳細なコンセプトやルアーアクションを明らかにする。

プロップベイトの要素を組み込んだギル型ビッグベイト

ブッチギル・プロト(ティムコ)

●全長:約85ミリ●重量:約35ミリ

<前回記事↓>

釣りPLUS編集部:ギル型のビッグベイトにシンキングプロップベイトのコンセプトを融合させて開発中のブッチギル。全長は約85ミリ、重さは約35グラムとのことですが、シンキングとフローティング、どちらになるんでしょうか? 

大津清彰 おおつ・きよあきティムコでルアーの開発、サイトマスター広報、中部エリアの営業を担当。ホームは利根川で、TBCをメインにH−1などに出ている本格的なフィッシャーマンだ。ブラックバスの生態調査の経験もあり、ストマック調査などもしている。最近のブームはけものフレンズ。

大津さん:スローシンキングですね。水面直下から数十センチレンジのちょうどいい水深を引けるような、その沈み具合でウェイト調節しています。沈ませたい場合はウェイトを足してもらって、もっと浅い場所を引きたいときは、フックのサイズを下げることで調節できますよ。状況に合わせて、いろいろ変えて対応します。ちなみに、アゴの下は平らに設計してあるので板オモリが張りやすいですよ。また、ヘッドにルアーインジケーターなど、蛍光シールなどを張ってもらうとより使いやすいですね。

沈み具合を板オモリやフックサイズの変更で調整する。
フロントフックはノーマル。テールはフェザーフックになる予定。フェザーフックは、巻いたときにフックが起き上がりやすく、フッキング率がアップ。さらに、フックとペラが干渉しないので、ペラの回転がよいという特徴も。

ブッチギルは単なるI字系ビッグベイトではない

釣りPLUS編集部:では、具体的にはどのようにアクションさせて使うんでしょうか?

大津さん:ブッチギルは多彩なアクションが出るように作ってあるのが特徴です。基本的なアクションとしては、ステルスペッパーのようなI字のスローリトリーブ。ゆっくりと巻くことで、ボディを動かさずにペラだけ回転させながら一定レンジを引いてくることができます。デッドスローで巻いても、特注のペラはしっかりと回りますよ。そして、そこから引くスピードを上げていくと、今度はI字からS字へ変化するんです。

ストレート引きではステルスペッパーのような使用感。スピードを上げると、幅の狭いS字軌道に変化する。

釣りPLUS編集部:つまり、ゆっくり巻けばI字、速く巻くとS字にという可変アクションということですね。

大津さん:そうです。ジョイント部分にゴムを巻けば、よりI字に特化して使うことができますよ。また、フックサイズを下げて浮力を上げれば、ダブルスイッシャーのように水面を引くこともできます。

 そして、I字とS字の可変アクションに加えて、ジャークや連続トゥイッチも組み合わせることで、とても多彩なアプローチができるんです。例えば、I字で引いてきてバスが追ってきたらスピードを上げてS字にしたり、ワンジャークでリアクション的に誘ったりと、その日のバスのコンディションによっていろいろ使い分けることができるんです。チェイスしてきてバイトがあって乗らなくても、次のキャストでまったく別のアクションでアプローチすることができる、それがブッチギルです。

ジョイントの可動幅をおさえているので、ジャークやトゥイッチさせたときに移動距離を抑えたアクションが可能だ。
ストレートに引いてきて、ここぞという時にジャークを入れると、移動距離をおさえたスライドアクションを見せる。I字系ルアーでありがちな、追ってくるだけで口を使わないバスに対して「食わせ」のきっかけを与えられる。連続でトゥイッチを入れるのも有効だ。

関東リザーバーにドンピシャのコンセプト! 関西ビッグレイクでも試したい!

釣りPLUS編集部:ブッチギルは、どのようなフィールドで使ったらいいでしょう?

大津さん:テストでは、亀山ダムや豊英ダム、相模湖、津久井湖、西湖、利根川などでテストしています。琵琶湖や、野池でも効くでしょうね。ギルが多いフィールドではとくに効きますが、ギルが少ないフィールドでもちろんOK。

 とくに関東のリザーバーではよく釣れると思いますよ。ブッシュや立木、岩盤際や流れ込みなど、とにかく目に見える変化を狙ってブッチギルをアプローチしていけば、きっとバスに出会えるはずですよ。春から秋までのシーズン中は、いつでも釣果が期待できるルアーですね。

カバーに囲まれたリザーバーはブッチギルの超得意なフィールドだ。とにかくいろいろな場所に入れてバスを誘っていこう。

釣りPLUS編集部:大津さんはどんなタックルでブッチギルを使っていますか?

大津さん:ロッドはミディアムヘビークラスが投げやすくカバーにも入れやすいですね。重すぎる竿だとアクションさせつらいので、軽い設計のロッドを選びましょう。ラインはフロロ16〜20ポンドで。

 自分の場合は、次の2タックルで使うことが多いですね。近距離でピッチングで入れていく場合はやや張りのあるスーパーテクナの610MH、キャスティングで巻きながら食わせていく場合は、より柔軟性のあるエイシスの68MHをチョイスしています。

関東リザーバーにドンピシャのコンセプト! 関西ビッグレイクでも試したい!
<タックルデータ>
(上)
ロッド:フェンウィック エイシス68CMHJ(ティムコ)
リール:スコーピオン1501(シマノ)
ライン:シーガーR18バス16ポンド(クレハ)
(下)
ロッド:フェンウィック スーパーテクナ610CMHP+J(ティムコ)
リール:アルデバラン51HG(シマノ)
ライン:シーガーR18バス16ポンド(クレハ)

釣りPLUS編集部:話を聞いているだけでも、早く使いたくなってくるルアーですね。気になる発売時期は?

大津さん:発売は2018年春を予定しています。ビッグベイトが一番効くシーズンに間に合うようにリリースしますよ。もうしばらくお待ち下さい。

現在鋭意制作中のブッチギル。テストではかなりいい釣果が出ているということなので、発売までしばし待つべし!


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フェンウィック エイシス(ティムコ)

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スコーピオン(シマノ)

アルデバラン(シマノ)

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