エリアトラウトの基本・3段スプーンローテ+秘技・アクションスイッチ【ピストン西村】



エリアトラウトの釣りでは、サカナの状態によって、放流、セカンド、サードと攻め方が変わる。活性に合わせた攻め方が、最もアタリを引き出すのだ。”釣れた”が”釣った”になるためのベーシックにして絶対不変の法則を、エリアフィッシングのエキスパート・ピストン西村氏が伝授!

ピストン西村(ぴすとん にしむら)キャスティング日本橋店に勤務する敏腕店員でありながらエリアフィッシングのエキスパート。ゴッドハンズ、がまかつ、ムカイフィッシング、スタジオコンポジットのサポートを受ける。ブラックバスやアジングも得意。

ストロングなタイプ&カラーのスプーンで、エリアの状態マル分かり!!

釣り始めからアタリもなく、不意にパタパタと釣れて、また遠のくアタリ…。もっとエリアトラウトを楽しむなら、フィールドの状態に合わせた釣りを意識するべし。

西村「池のコンディションを把握するために、ルアーは強めの波動が出るものからスタートします。色は赤金、オレ金などから始めて、魚の活性が高いのか低いのかを判断していく。それがわからないと弱くしていくのかどうかもわからないですからね!」

「強い色やスプーンで反応があるなら、同じルアーサイズのまま波動を下げていったり、当たらないのであればサイズを下げるのか、弱い波動で食うのかを見ていく。そのために一番最初は波動の大きいものから入れていかないとわからないですから」。

取材場所みどりフィッシングエリア
養魚場に隣接した釣り池を有し、魚の輸送がないためトラウトは引きが強く元気で綺麗なのが特徴。完全な地下水を利用しており水温は一年を通して安定し、池の底に11 ヶ所の給水口があり魚が均等に分散しているので釣りやすい。

【釣り始め&放流直後】フレッシュな状態のトラウトは、強い釣りをしたモン勝ち!

養殖池で育てられたマスたちは、当然ながらほぼルアーなど見たことがなく、スプーンへの反応がとても高い。エリアにもよるが、放流があったら放流に強いルアーやカラーをセレクトすべし。なかでも中層を水押とフラッシングで攻められるスプーンは対放流の王道だ。この状態は、放流や放流直後、略語で放直と呼ばれる。また、池の状態がわからない釣り始めも、強いルアーから入った方がよい。活性が高い個体がいればすぐに反応があるし、アタリがなければアピールを下げてアジャストしていく。

放流風景。タイムサービス? ボーナスステージ!?

カラーは赤金、オレ金と呼ばれるカラーが放流の定番。ゴールドベースに赤やオレンジが配色されたカラーだ。トップトーナメンターも必ずといっていほど持っている、定番色。

このような配色のほかに、片側が赤で、裏側が金という組み合わせもある。写真は彩斗[ゴッドハンズ]

西村さんは、放流にイーリア1.8グラムを投入する。ファストリトリーブだと、ヒラ打ち気味に泳ぎ、アピール。スローに引けばロールの強いナチュラルな泳ぎになる2WAYスプーン。スピードでアピール、泳ぎの質が変えられる。

イーリヤ1.8グラム[ゴッドハンズ]

【第2段階】落ち着き始めた放流トラウトを狙うため、強さを「落とす」

放流直後のフィーバー的アタリ連発状態が弱まってくると、次への段階。放流魚が落ち着いた状態を釣る。ルアーパワーを弱めたり、ルアーカラーを変えたり、落ち着かせたりする。一般的には、【セカンド】と呼ばれるカラーを使う。西村さんは、ライガ2.2グラムとフウガ0.8グラムで様子をみる。いずれにせよボトムからレンジを切っていくのが西村流だ。

ライガ2.2グラム[ゴッドハンズ]
フウガ0.8グラム[ゴッドハンズ]

【三番手】アタリが止んだ隣のアイツに差をつける“絶妙波動”

カラーだけ、放流、セカンド、サードとローテーションしてもアタリの連鎖が続かない…。エンジョイ派だが、釣れるパターンに超敏感な西村さんは3つ目の手札として、リリースされたばかりのラビンを投入する。強すぎず、弱すぎない絶妙な今期大定番となりうる!

ラビン1.0グラム[ゴッドハンズ]


【秘技・アクスションスイッチ】ロッドワークで動きを変えろ!

「ラビンやフウガは、ロッドを立てて巻いたときと寝かして巻いたときとアクションが変わるんです。ロッドを立てて巻くとロールが強くなるんですよ。今日は表層のロールで誘うとよく釣れますね。みんなに狙われている表層の魚はロールだけのアクションによく反応したりするのでオススメです」

ロッドを立てに構えるとロールの動きに

「逆に魚が少し深い場合、カウント3くらいのレンジにいる魚を上に浮かせたいときにはロッドを寝かして使います。こうするとウォブリングが強くなって食い上げさせるように釣っていくことができるんです。ひとつのルアーでふたつの誘いができるのでお得ですよね」

サカナが深いとき、ウォブルを強くしたいときはロッドを横に

さらなる連発テク&激ヤバタックルセッティング!

楽しい=釣れる、を追求する西村さんのテクニック&メソッドは、トーナメンターにも引けを取らないどころか、一歩先を行くものも多い。『ルアーマガジン マス王』では、そんな西村さんを徹底取材し、あふれ出す西村タクティクスを煮詰めてフルカラーでコンテンツ化!!! さあキャスティング日本橋店さん(もしくはお近くの釣具店または本屋さん)へGO!!!!!!

『ルアーマガジン マス王』本誌では、佐藤輝一さんがトーナメントスタイル、ピストン西村さんがエンジョイスタイルのスプーニングについて徹底解説!
【佐藤輝一&ピストン西村 ふたりのゴッドハンドが魅せるスタイル別スプーニングの極意】
・トーナメントスタイル「放流の魚が厳しくなった準決勝・決勝ではカラーの差が如実に出てくる」(佐藤)
・エンジョイスタイル「強波動アピールカラーからスタートすることで魚の活性を正しく判断できる」(西村)

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