エリアトラウトの最重要レンジのひとつ、ボトム。不思議なほどトラウトが反応するボトムの釣りで、独走するルアーがある。それが『キメラエアー』。縦釣り、ボトム、豆スプーンと呼ばれ、禁じ手レベルの釣果を誇るメソッドだ。開祖ネオスタイルと、その深淵をのぞこう。
ネオスタイル×ボトムゲームの法則
ボトムゲームにおけるフッキングが、トラウトの下アゴ…、もしくは外掛かりになることが多い。それに気が付いているアングラーは少なくないと思われる。もちろん、ネオスタイル代表のネオさんも、かなり以前から把握していた。
「トラウトはボトムにあるスプーンの、スプリットリング辺りに食い付くことが多いです。でも、アングラーはそんな細かいことまで分からないので、当然その段階でもアワセを入れます。結果的に下アゴの外掛かりになることが多くなります」。
この場合のスプリットリングとは、ラインアイ側のスプリットリングのこと。現状のネオスタイルのスプーンはフロントフック仕様なので、スプリットリング辺りにバイトしたトラウトも、フッキングに持ち込むことが可能だ。
だが、本来のリアフック仕様のスプーンの場合、ラインアイ側のスプリットリングとリアフックの針先の距離は遠い…。トラウトの俊敏な反射速度を考えると、その距離は絶望的…と言わざるを得ないほど離れている。
「ボトムゲームに限った話ではありませんが、現状のネオスタイルの釣りはフロントフックが前提になります」。
ところで…なぜネオさんはボトムのスプーンに反応するトラウトの動きを、そこまで鮮明に把握できているのだろうか…?
「それは…しつこいくらいに繰り返し水中映像で確認しているからです。自分の釣りを水中カメラで撮影して確認することがライフワークなんです(笑)。トラウトはボトムに置いてあるモノを食うのでさえ得意ではありません。だから…ボトムで動いているモノはさらに食うのが苦手です。ボトムに置いておくだけでもミスをするので、ボトムで動いているモノのミスバイト率はかなり高いです」。
トラウトの好反応とフッキング率の高さは別問題!
前提として、トラウトのボトムに対する反応率は決して低くはない。当然、ボトムで動いているモノへの反応率も低くはない。メタルバイブーレーションに代表される、ボトムのハイスピードリアクションゲームにトラウトが好反応を示すのは周知の事実だ。
だが…反応とフッキングは違う。
ルアーゲームはフッキングして始めて成立する。反応させるだけでは釣りは成立しない。結果的にフッキングに持ち込める可能性が高いメソッドの方が、釣りの安定感も高い。
「自分は動かすとしても、ゆっくりとしか動かしません。ずっとボトムに定位させていても存在をアピールできないので、軽くゆっくり動かして誘います。そして止めて食わせる…そんなイメージです」。
「デジ巻きも激しくはやりません。ゆっくりと行います。それは水中映像で、ボトムでの激しい動きは食い損ねることが多いことを何度も確認しているからです。もちろん、激しい動きでもフッキングすることもあります。ですが、そのフッキングは、本当はもっと効率的にフッキングに持ち込めた可能性がある中での…フッキングということになります」。
『キメラエアー』そして『ボトムキラー』
そんなネオさんがボトムゲームで使用している特殊なスプーン…そのひとつが『キメラエアー』。0.18グラムの超軽量スプーンで、かなりのロングセラーかつ爆発的な人気を誇る。
「ボトムには結局のところ、藻や泥などの堆積物があります。豆スプーンでボトムゲームを行う際には、そうした堆積物の下に潜ってしまうケースが多々あります。自分の経験上、その確率が高くなるのが0.6グラムです。それ以上、重いと藻や泥の下に潜ってしまいます」。
「キメラエアーは0.18グラムです。藻の下に潜ってしまう可能性は低いですが、なにしろ軽いので飛ばすのが難しい(笑)。そのため、もう少し飛距離が欲しいときにはキメラエアープラス0.6グラムを使います」。
キメラエアーシリーズは通常の豆スプーンよりもボディ幅が広い。そのため、より一層ボトムの藻や泥の中に沈みにくいのが特徴。
「あとは、『ボトムキラータイプS』の0.4グラムも使います。いずれにしても、万が一ファーストフォールで藻の中に潜ってしまっても、誘えば再び藻の上に出る…というイメージです。正しく使えば本当に釣れますよ」。
そんなネオ流ボトムゲームだが、実はネオスタイルにとってボトムはスタイル一部に過ぎない。しかも、現在のネオスタイルの主流はボトムでもなければ、縦の釣りでもない。そんな現在のネオスタイル最新型は『ルアーマガジン マス王』で詳しく解説! 正直…本当にネオスタイルの威力はすさまじい!!!
孤高の超人・ネオが繰り広げる”ネオスタイル”メソッドについては、『ルアーマガジン マス王』掲載の「目指すは1投1尾の奥義! 止まらないネオスタイル!」にてさらに深く掘り下げています。
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