歴史に残る”艇王”相模湖戦で伊藤巧を支えた脳内BGM【ロクマルオーバーの舞台裏】



2017年12月6日に事は起きた。ルアーマガジンモバイルの人気企画『艇王2017チャンピオンカーニバル』で伊藤巧選手が最初に釣り上げた魚が、なんと自己記録を超える驚愕のロクマルオーバーだったのだ。その情報は瞬く間に拡散、SNS界隈で話題となり相模湖のロコアングラーまでもが騒然となった。果たして、あの魚は偶然か?もしくは必然か? その真相は『ルアーマガジン2018年3月号』に記されているが、ここではあの時伊藤氏の頭の中で流れていたBGMについて紹介しよう。


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“辛い釣り”を展開し続ける状況から引き出した伊藤巧ロクマルオーバー!

艇王チャンピオンカーニバルの結果は周知の通り、初日はロクマルを筆頭に2日目も50アップを釣った伊藤さんが、初日の奥田学さんのウエイトを破り見事逆転優勝を果たした。

結果だけ見ればハイウエイトの相模湖であったが、基本的にノーフィッシュと隣り合わせだったのは言うまでもない。事実、卓越した技術を持っている赤羽修弥さんでも2日間ノーフィッシュを食らう状況下であり、プロアングラーですら厳しいという現実がそこにあった。

それは、奥田さん、そして勝利した伊藤さんにも同じことが言えただろう。だからこそ、伊藤さんはパワーフィネスという”点”の釣りを展開し続けなければならなかった。しかも、狙っているのはイチかバチかの超級個体。

その魚を釣るには、”時合”というキーワードを主軸に、ルアー、ディスタンス、アプローチなどが高精度で要求されるため、無数の選択肢から正解のみを貫き続けるような極めて難事な作業を繰り返さなければならず、卓越した技術を持つ伊藤さんでさえ、ミスの許されない状況下に、神経を擦り減らしていた。

ゆえに、あの日伊藤さんが最も口にした言葉は「辛い」「キツい」といったネガティブなワードであった。伊藤さんはその”辛い釣り”についてこう言及した。

伊藤「魚の思考レベルが高すぎて、着水音がした後にルアーが近づいてくるってことを学習しているんですよね。だから、あのカバーの下についていると考えたときに、まず着水音を抑えなければいけない。”ルアーが来た”ということを悟らせない無の状態から、ルアーをバスの近くへ送り届けなければいけないんです。

エンジンを遠くで切って、エレキで近づいてパワーは限りなく弱め、アプローチポジションに入ってからは完全にエレキを踏まない、もしくは踏むなら踏み続けて、ディスタンスは普段の1.5倍の距離。そこまでして人間の気配を悟られないように細心の注意を払いました。

もっと言えば、ルアー回収の時にルアーがカバーを越えたらロッドを弾いてルアーを空中に出して回収してもいました。回収時の水押しでバスの側線にスモラバの存在を訴えないようにするためです。

なにもかも気づかせない。

気づいてないうちに目の前にルアーが来るってことを演出していたんです」

1そうしてようやく掴んだ最初の1尾があのロクマルだったのだ。

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極限状態に追い込まれた伊藤巧。その時、脳内を駆け巡っていた一曲がコレ。

そんな辛い釣りを展開していた伊藤さんの頭の中で常に流れていた曲があるという。まずはそちらをご覧いただきたい。

ラウドなサウンドにキャッチーなリフ、そしてポップなメロディーとスクリーモテイストを入れたシャウトが特徴のRPG系バンド『魔法少女になり隊』。メンバーの奇抜な衣装もさることながら、PVにはあのゲーム界のカリスマ”高橋名人”が出まくり…、と突っ込みどころ満載。なんだけど、なぜかクセになってしまう一曲。まさに歌という魔法だ。個人的にはギターの明治さんがモロタイプ・・・・///

パッケージもSFCソフトのパッケージを彷彿させる手の込み具合。

伊藤さんがこの曲と出会ったキッカケとは?

伊藤「アナタのせいですよ(笑)。艇王直前にふるちゃん(編集部・古川)のクルマで一緒に取材に行った時に、ずーーーっと流れてるから耳に残っちゃって(笑)。でも、なんか聞いてると元気が出るというか、辛くても頑張ろう的な歌詞だったと思うんで、辛い釣りで気持ちが折れそうな時にこの曲を思い出してました。

意外と釣りの時に支えになる曲ってあるんですよね。夏の利根川でパワーフィネスやってるときはL’Arc~en~cielの『瞳の住人』がよく頭の中で再生されますね。あのサビがスモラバをバスに見上げてほしいときにピッタリで(笑)。

話が逸れましたが、とにかくあの辛い釣りで最初の来てくれたバスがあの魚だったっていうのは、本当にうれしかった。まさに『ありがとう~』って感じです(笑)」

その想いが届いて、革命を起こしてしまった・・・まさに「革命のタクミ」‼

・・・・おあとがよろしいようで、今日はこの辺で・・・・!

プラで得た見立てや釣り方は『ルアーマガジン2018年3月号』に詳細を記しているので、そちらもこの曲と合わせて読んでみると、何かヒントが掴めるかもしれない・・・!?



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