アジングの魅力をお伝えする集中連載企画「誰でも楽しめるハマる”アジングA to Z”」。前回はアジングがなぜ面白い釣りなのかをざっくりと解説。簡単でありながら奥深さを伴う…という点でアジングは最強なのだが、興味を持ったもののタックルの選び方が分からないという諸兄に向けて、今回はスタートアップのためのロッド選びについて、奥深さを覗かせつつ解説しよう。
釣りそのものが初心者のアナタへ
さて、実はアジングは2つの釣りスタイルに大別されます。ひとつは〈ノセ〉の釣り。もうひとつは〈カケ〉の釣り。ちょっと玄人っぽく書いてみましたが、まぁなんてことはありません。
〈ノセ〉とは、投げたルアーにオートマチックにアジがフッキング(ハリがかり)してくれることを意識した釣り方。
〈カケ〉の釣りとは、アジがルアーに喰い付いたことを感知して、釣り人が能動的にロッドをあおりフッキングさせる釣り方。
もうお気づきだと思いますが、釣りとして簡単なのは〈ノセ〉の釣りです。なので、釣りの経験の少ない方がアジングを始められる場合は、〈ノセ〉の釣りを意識したロッドやリール、そしてハリやワームを選べばよいでしょう。
さて、もう少し〈ノセ〉のアジングについて解説しましょう。最近、様々な気象条件や環境変化により、アジが食べるエサが「プランクトン」にシフトしています。プランクトン以外にどんなエサがあるのかというと、イワシの稚魚などの魚類ですね。ですが、魚類などのエサよりも、ふよふよ水中や水面を漂う「プランクトン」系のエサの方が、アジのエサとして捕食されているのです。
ルアーは「疑似餌」と言われているように、エサを模して効果を発揮する釣具です。アジ釣りにおいては、このプランクトンを模したルアーや、動かし方をすればいいワケです。〈ノセ〉の釣りは、どちらかというとこのプランクトンを意識したルアーや動かし方をしてアジを誘う釣り方です。時代にマッチしている上に、釣り方も簡単なんですよね。
投げて、ルアーを流すだけ(落とすだけ)
さぁ、ビギナーにも簡単、〈ノセ〉を意識したアジングの方法を数行で解説します。これで、あなたもアジを釣ることができるハズ!
1)ジグヘッドフックにワームをセットして、キャスト!
2)着水したら少しだけ糸のふけ(たるみ)をとってフォール(ルアーを沈める)
3)ある程度沈めたら、ゆっくりロッドを立てていく(さびく)。つまり、落としたルアーを手前にゆっくり寄せていく
これだけで釣れます! あら簡単! この釣りを最近提唱しているのは、ライトゲーム専門メーカー「サーティフォー」でアジングの基礎を作った家邊克己さんです。
『ルアーマガジンソルト2018年6月号』にて、家邊さんが最先端の誰でも釣れるアジングを解説しますので、さらにご興味のある方は本屋にてお買い求めくださいね。
〈ノセ〉の釣り、スタートアップのロッド選び
…ということで、このノセの釣りに必要なロッドとはどんなロッドか。基本的に、アジングロッドは各社から発売されており、〈ノセ〉〈カケ〉両方対応だとか、〈カケ〉専用だとかそういう言葉が飛び交っております。でも、オートマチックなフッキングをサポートしてくれるアジングロッドの明確なタイプが存在します。釣具屋さんで、ちょっと得意気にこう言ってみてください。
「ソリッドティップのアジングロッド、ビギナー用が欲しいのですが…」
「ソリッドティップ」について解説すると、それだけでひと記事かけてしまうのですが、簡単に言うと、繊細なアタリにも追従して柔軟に曲がってくれる竿の穂先のことです。普通のロッドの穂先はカーボンの中空なのですが、ソリッドティップという穂先はカーボンないしグラスのソリッド(中空でなく繊維を束ねている構造)になっています。まぁ、単純に中空の穂先の釣り竿より、ぐんにゃり少ない力で曲がると考えていただければOKです。
ビギナー向けアジングロッドおすすめ一覧
皆さんが指名買いできるように、おすすめロッドをいくつか羅列しておきました。〈ノセ〉向きなソリッドティップの機種一覧です。
個人的にはルアマガファミリーが手がけるブランド『LML』の「MOBILE5AJING-ROD」を推しますが…(笑)
月下美人76UL-S[DAIWA]
アジングといえば月下美人。DAIWA派なら、コレ。
bFO-68S / bFO-74S[ティクト]
アジング王・トミー敦さんが開発に関わる超最先端ブランドですよ!
ガイドポスト LHR-69[サーティフォー]
アジングレジェンド家邊克己さん。ノセの釣りといえば、ここかもしれません!
トリプルクロス TCX-S632AJI / TCX-S682AJI[メジャークラフト]
リーズナブルで高品質。アジングをとりあえず始めるならメジャクラロッド! おすすめアリ過ぎです。
ソアレ SS アジング S608ULS&S702ULS[シマノ]
リールもシマノだしロッドもというコーディネイトにこだわる方はこちらで。良質な商品が揃っています。
MOBILE 5 AJING 2TIP[ルアーマガジンリンクス]
いずれ詳しくやりますが、〈ノセ〉と〈カケ〉が高いレベルで両立できる2本の穂先が付いたロッドを提供。革新的ですよ!
繊細にしなやかに曲がる穂先がなぜ〈ノセ〉の釣りにいいのか?
このぐんにゃりと繊細にしなやかに曲がる穂先がなぜ〈ノセ〉の釣りにいいかと言うと、
アジがルアーを見つけてしゅぽっと吸い込む
↓
穂先が柔らかいので、弱い吸い込みでも口の中にルアーが入る
↓
フックが口の中にひっかかる
↓
魚が何かの拍子に反転して泳いだり、方向を変えたりする
↓
竿先が柔らかいので動きに追従する
↓
魚が違和感を感じず動きを加速する!
↓
フッキング(ほぼ自動的に)
だいたいこんなロジックです。まぁ、細かいことはいいんです。なんか、ルアーをふよふよ流してたら、アジが元気にルアーに喰い付き、なおかつ気がついたらフッキングしてる! と思ってください。
簡単ゆえに、いずれ〈ノセ〉の釣りはつまらなく感じるようになる?
結論を言うと、そういうことはないかと思いますので、アジングを極めて長く遊びたいと思っている方もご安心ください。よりノセるにはどうするか。ノセで対応できないときはカケがいるんだとか、あらゆる方向に面白さが広がっていきますよ!
さぁ、とりあえずは釣具屋へGO! 先ほどの「ソリッドティップのアジングロッドください」というワードで店員さんのオススメを聞きつつ、あとは自分の好みで選んでみてください。ロッドが決まれば次はリール、そしてライン。そいでもってルアーとフック! まずは手となるロッドに注目してみました。残りはまた後日連載で!