【自称・編集部釣行日数No.1!誰得?フルカワの釣行備忘録!第9回】[釣りPLUS]にて既報の通り、バス釣り雑誌4誌(バサー、ロッド&リール、アングリングバス、ルアーマガジン)スタッフによる年に一度の交流戦「メディアウォーズ エピソード2」で優勝&ビッグフィッシュ賞を獲得した、チームルアマガ(フルカワ&イマムラペア)。その奇跡的な勝利を呼び込んだパターンを(自慢げに)公開する。
本番3週間前!?のプリプラクティス
釣りプラスをご覧の皆さま、こんばんにちは。
「メディアウォーズ エピソード2」に参戦した我々チームルアマガ(フルカワ&イマムラペア)。プラクティスから当日のパターンの流れについて、僭越ながらここで書かせていただきます。
プラクティスは直前に2日ぐらい行きたかったのですが、別冊の校正作業もあって直前1日しか行けないだろう(後にコレが効いてくることになるとは思わなかった)ということで、本番から3週間も早いプリプラクティスへ。
プリプラ前のイメージでは、洲の野原は一発ビッグはありそうだけどデコもありえるギャンブルゲーム。それもあって、この時期の新利根川で個人的に実績も高く、ある程度地形を把握している松屋前~下流の水門が手堅いかなということで、新利根川下流域をメインに考えていました。
以前にレポートした釣行(2017年5月)でも良いサイズが釣れてくれました。
さて、春ということもあり、プリ狙いの巻き展開で固めたいなと。そのため、スピナーベイトはもちろん、少しレンジの入るスモールクランクや…、
タフった時の巻きであるシャッドで…、
強・中・弱の巻きをメインに川筋全体を素早くサーチしつつ、魚探掛けして地形を把握していこうと考えました。
…が、しかし、朝イチ期待のエリアは不発。時間を変えて入り直すためにも、一度上流までを巻きながら魚探でチェックしていきました。早春ということもあり、ファーストブレイク付近をメインに時折浅い場所を巻けども巻けどもバイトはない・・・。夕方までにあった魚信はスピナーベイトにもんどりうったバイトミスが1発。
そしてプラ同行したフクシゲに・・・
コイが一発・・・。
結局、夕方にメインエリアに戻り色々試すもバイトはなく、「これといった手ごたえはない」というのが収穫でした。
直前プラまでの期間中、松屋ボートのブログを毎日チェック
さて、プリプラの後は編集作業が佳境ということもあり、松屋ボートのブログ釣果情報を毎日チェックすることにしました。
直前までの感想は、プリプラと全然変わってないなと…。
巻きの展開では、H1を制した佐々木さんや鋼派優勝経験のある谷川さんに勝てるワケがないので、このタフな状況は自分にとってプラスだなとポジティブに捉えることにしました。
そこで、直前プラではエリアをガラッと変え、州の野原で巻き+フィネスを入れていくというプランを立てました。
ギリギリまで今ひとつな直前プラクティス
そして試合前日。パートナーであるイマムラとともにプラクティス。
イマムラ曰く、「洲の野原なら80%食うピンスポットを知っている」
…と根拠のないことを自信満々に語りだしました(笑) ココでそのポイントを明かすのは彼のためにもやめておきますが、要はボーターなら誰でも知ってるハードボトムの張り出しのことで。いちおうブレーバーのネコリグを入れてみましたが、当然「80%食う」などという美味い話はなくノーバイト。
予定通り、洲の野原をぐるりと一周巻きつつも、水中の変化にはタクミ流ヘビキャロで素早くフィネスなサーチをしていくことにしました。
〈タクミ流ヘビキャロの詳細は下記リンク参照 ↓〉
手応えが一切ない中、後続のあの人がビッグフィッシュ!
スピナーベイトとクランクをメインに僕が巻き、イマムラはクランクとカバー撃ちでフォローしていきましたが、バイトはなし。
ふと振り返ると、すぐ後ろにはなんとドラハンコンビの二人(テッペイ&フカポンペア)が同じストレッチを流していました。しかもよく見るとテッペイさんの竿がぐにゃりと曲がっているではありませんか。
それはもう愕然とするビッグフィッシュ・・・。テッペイさんが釣ったのは、僕がキワにスピナーベイト通し、イマムラが適度にテキサスリグを入れていたマットカバー。
フルカワ「いたね」
イマムラ「いるね」
二人で顔を見合わせました(笑)
確かにマットカバーをよく見ると裏にはエビがいるところもあったり、水温も15度前後で安定していることを考えると、そこに入ってきた魚が抜ける必要がないなと。地形の変化や沈みモノを探して探りつつも、洲の野原に無数とあるマットカバー付近を巻いたり撃ったりしてみました。
…が、釣れません(苦笑)
後ろからチームドラハンがジワジワと距離を詰め、妙技水道の手前にて。
テッペイ「妙技水道行ってくる」
フルカワ「僕はこの水路見てみます」
テッペイ「フルカワそこやるの? じゃぁ俺も」
妙技水道手前の水路の左岸にドラハン、右岸に僕たちという謎の展開に。
すると、ほどなくして鉄平さんの竿がまた曲がりました。それがまた良い魚で、正直僕はこの瞬間プッツンしました。
闇・古川(明日絶対にぶっ倒してやる・・・)
ちょうどプッツンしたタイミングで風が吹いてきたので、魚が差してきそうな地形の変化(イマムラが「80%食う」と言っていた場所と似たようなエリア)をヘビキャロとネコリグで丁寧にサーチ。すると、僕のネコリグにズシリと重たいバイトが!
フルカワ「食ってるけどどうしようか?」
イマムラ「あ~そういうことか・・・」
そう、周りには数艇の選手とオカッパリがいたこともあり、迂闊に魚を釣るわけにはいかない状況でした。
イマムラ「バスじゃないかもしれないし、魚体は見ておいた方がいいんじゃない?」
という、なんともごもっともなアドバイスをくれたので巻きアワセを入れ、そのままボートを沖に逃がしました。
すると、水面付近に上がってきたのは1300gクラスのキッカーサイズ! すかさず、松本幸雄さんに教わった針に触れずにバラす方法でオートリリースしました。
その後はヘビキャロでもバイトが多数あり、タイミング次第で魚が入ることを確信した次第。
結果的に今村が「80%食う」と言ったスポットが手応え抜群とは(笑) ただその”タイミング”がいつ来るのかわからないためギャンブル要素が高く、抑えのパターンが欲しいとも感じました。
とはいえ、下船寸前までプラスの手応えを得られず、「試合では水中の地形変化をあちこち回り切るしかないな」と諦めていました。
帰着寸前にバックアップパターン確立!?「瞬テキ」ヤバし!
下船時間30分前にボート屋前まで戻り、ブログでよく釣果が上がっていた「松屋前のオダ」を仕方なしにやってみることにしました。
始めの数投はネコリグを入れていたのですが、「こんなのみんなやってるよな・・・」と思うところもあり、ちょうど『ルアーマガジン5月号』の校正を終えたばかりだったので、試しに誌面で紹介した「瞬テキ」を入れてみました。
すると、ものの20分で5バイト1フィッシュ!
バイト数に対してのキャッチ率の低さは、シンカーフリーのテキサスをオダの中で使っているため、シンカーとワームの位置関係によっては掛かりがどうしても浅くなってしまうがゆえ。
ただ、「めちゃくちゃ食う!」という大きな手応えを感じ、試合当日に洲の野原で魚が獲れないとしても、オダの瞬テキなら多少時間をかければリミットは揃えられるという自信を得ることができました。
プラ後、瞬テキという強力なバックアップを元に考察。
…というわけでプラ終了。手応えはこんな感じ。
・水中の地形変化はタイミング次第でイージーだけどギャンブル。
・オダの瞬テキはバイトに対するキャッチ率は低いが獲れる自信はある。ただし魚が小さい。
そこである仮説を立てました。
マットの下は放射冷却から守ってくれる上に、エサもいる。やはり魚が抜ける必要がないのでは?
ハイプレッシャーな松屋オダ同様、バスは居るけど食わないのだとしたら?
そこで思いついたのが、かつて木村建太さんの取材やノリーズ諸富真二くんのガイドで学んだ『パンチング』。これなら、普通の人が撃てないマットの下を狙えるうえに、スピードによるリアクションを掛けられるぞと。
琵琶湖で学んだ感覚から、1オンスではストレス。1+1/2オンスではテンプラキャストで勢いをつけなければ入らなそう・・・。そうなるとマットの下が浅いカスミ水系ではその下の魚を驚かせることになるので、着水は静かにかつマットを貫通させる必要がある。
「2オンスしかない!」
ただ、カスミ水系でパンチングをやるなんて思ってもいなかったので、専用のロッドどころか、シンカーも持ってきていない。宿も予約しているため、家にも帰れない。
そこで、急いでバニキこと馬場拓也さんのいる釣具店「SITE51」へ向かいました。
バニキ「え!? 2オンスのビーンズシンカーかスリムシンカーですか…。スミマセン、カスミ水系でそんなシンカーあんまり売れないんで取り扱ってないんですよ。ホントごめんなさい・・・・」
そんなバニキの言葉に、唯一お店にあったワームより長い鉛の1オンスシンカーを買うしかないのかと諦めかけていたその時、バニキがバックヤードからセール品のシンカーの山を持ってきてくれたのです。
バニキ「この中なら、あるかもしれないです!」
その通り、この中にあったのです、きらりと光るレアメタルの塊が!! そうして夜なべしてでき上がったのが、このリグ ↓
3つの釣りを軸に試合に臨む
無事にパンチング用リグを手に入れたものの、ぶっつけ本番で試す釣りになってしまうため、僕とイマムラが宿で考えたプランは以下の通り。
メインエリア:洲の野原
メインパターン1:水中の地形変化で差したてのイージーでクオリティの良い魚を釣る。
メインパターン2:パターン1が機能しない場合、状況が変わるまで周辺のマットカバーをひたすら撃つ。
バックアップパターン:ノーフィッシュで終わりそうな場合、新利根川へ戻り、瞬テキでリミットを揃える。
試合当日は、メディアウォーズ以外にも松屋から大会、本湖ではWBS開幕戦、それ以外にも休日によるフィッシングプレッシャーがあることも考え、差したてのイージーな魚かリアクションで無理矢理食わせる釣りに絞り、巻きの展開は捨てることにしました。
そして、いざ試合開始。
試合当日。前日立てた必勝プランに基づき、真っ先に洲の野原へ。
頼りにしていた「イマムラピンスポット(略してイマピン)」でしたが、朝は不発。風や光量の変化があるまでパンチングしても釣れず、昼が過ぎました。
昼過ぎに吹いた風はプラとは真逆の西風。ウインディーサイドのマットを撃ちながらイマピンまで戻ろうと思ったその時・・・、
水深50センチくらいのマットの下でリフト&フォールを繰り返し、3回目のリフトで突き上げバイト! 誘ってる間に寄ってきたのか、ずっと品定めされていたのかわからないけど、上げの軌道で食って来たからにはそこそこ気難しい魚だったんじゃないかと推測しました。手持ちのバネばかりで測ると1300ちょい! ナイスキッカーだと、思わず叫びましたw
そこからはマットを撃ちつつも、地形変化でのフィネスを延々と繰り返しましたが、怪しいバイトが数回あったのみ。
終了時間が残り1時間近くになり、「この魚を活かすためにもリミットが必須」と思い、松屋前のオダに着いたのが終了40分前。しかし、別のアングラーが撃っていたためポイントに入れず、周囲をテキトーにやりつつ、ポイントに入れたのは15分くらい前でした。
そこからの10分で瞬テキに3バイト!! しかし、どれも途中でバラしてしまい、「やってしまった・・・」感満載の気持ちで帰着したのです。
終わってみればタフだったメディアウォーズ・エピソード2
終わってみれば、なんとウエイインする選手が皆1本。途中で「あれ?もしかしてワンチャンあるかも・・・」と心臓がバクバクし始めました。
そして、金澤さん&佐々木さんペアが・・・
チームドラハン・テッペイさんが良い魚を持ち込み・・・
僕が最後の検量・・・。「湖上で測ったバネばかりが壊れてなければ、優勝・・・・」そう思うと口からすべての内臓が飛び出そうになりましたが、堪えに堪えいざ検量ッ!!
結果は・・・・
金澤さん&佐々木さんペアと340gという僅差でなんとか優勝できました!!!
試合終了後に佐々木さんから聞いた話だと、前々日のプラでは倒れアシが被さるようなカバー撃ちで8バイトもあったとか? もし前々日にプラしてそんなバイトを取っていたら、パンチングなんて絶対しなかったかなと。ある意味、プラに行けなかった運に助けられたかもしれません。
「ロクマルを釣る」以外に目標のひとつであった「メディアウォーズで優勝する」を達成でき、ホントに感無量です。カスミ水系で2オンスパンチなんていう破天荒なリグに食ってくれた、この愛おしいバスは一生忘れることはないだろうなとww
次は「メディアウォーズを連覇する」を目標に、来年まで精進したいと思います。来年はおそらくダム湖。リザーバー、苦手なんだよなぁ・・・・。