ソルトルアーフィッシングに興味を持ち、これから始めて海へ釣りにいこうとしているソルトアングラー1年生諸君。何を揃えれば良いのか、いつ、どこに行けば魚が釣れるのか。右も左もわからないことだらけな方々のために、基本のキに立ち返ったベーシックな記事をお届けしよう。第3回は実釣編。釣り道具を揃えたら、スニーカーでも気軽に行けるフィールドで実際に釣りをしてみよう。というわけで、折りたたみ自転車で機動力アップ&てくてく歩きながら釣る「テクトロ」について紹介する。
都市部近郊で気軽に、そしてシーバスを釣る方法
都市港湾部を中心に、アーバンサイドを縦横無尽に走り回る運河や河川は、シーバスにとって格好の棲家だ。なおかつ、整備されているエリアが多いので、その多くがス二ーカースタイルで釣りができるという気軽さが魅力的だ。初心者の方も、シーバスフィッシングを始めるならこういったエリアからスタートすると良いが、しかし、スタートするとはいえこの広大なエリアをどう攻略すべきものか・・・。今回は、そんな初めての場所でも効率良く探して釣る一例をご紹介。シーバスを釣るヒントに役立ててみてほしい。
機動力を上げて橋脚をスピーディーにまわる
河川や港湾部など、あらゆるシチュエーションが揃う都市近郊のシーバスフィッシングにおいて、その場所の開拓やポイント移動に欠かせないアイテムがある。それは、折りたたみ自転車だ。
釣り場付近に駐車スペースがない。自宅からフィールドが遠い。そのふたつの悩みを解決するのが、車に折りたたみ自転車を積むスタイル。折りたたみ自転車があればスピーディーなラン&ガンが可能になると同時に、車の駐車スペース問題も解決。タイミングを見計らってポイントを探し、その移動にも時間がかからないので、効率を上げてバスとの出会える確率を増やすことができる。
小回りが利くので、駐車スペースにも困らない自転車を使いこなせば、どんな小規模ポイントでもターゲットにできる。人があまり通えないところでも、自転車なら足を伸ばせる。広大な湾奥エリアでシーバスを探すのが、苦ではなく逆に楽しくなってくるだろう。
まずは橋脚から攻めよ!
シーバスフィッシングにおいて重要なストラクチャーとなるのが、目に見える橋脚。初心者の方は、ひとまず橋脚付近をしらみつぶしに探っていくことをオススメする。どんな橋脚にでもシーバスが大抵付いているもので、だからこそ多くのポイントを巡ることが釣果アップの秘訣なのだ。数投キャストしてみて、いなければ即移動。ベイトフィッシュの生命感を感じたり、何かしらの反応があって脈アリと判断すれば粘ってもよし。
橋脚周りを狙うポイントとしては、流れがヨレている箇所、外灯による明暗部。当たり前に目に見え、責められるところを丁寧に、精度高くルアーを通すようになると必釣にかぎりなく近づく。効率よくラン&ガンを繰り返してポイントを開拓していけば、さらに数もサイズも狙えるようになるはずだ。
ノーキャストで釣れる!? 「テクトロ」って何だ?
「キャストが苦手」とお嘆きの貴兄に朗報! 投げて巻くだけがシーバス釣りではない。獲物は以外にも足元にいるのだ。ルアーを落としてラインを出したら、あとは歩くだけでオートマティックに釣れるのが、この”テク”テク歩いて、ルアーを”トロ”ーリングさせる『テクトロ』。誰でも歩くだけで簡単に釣れちゃう!? テクトロの基本をここでマスターしよう。
テクトロを行うときの最強のアイテム、それは「スニーカー」だ。特に、足音の小さなスニーカーだと、歩くときの振動や音が小さく、近くを泳いでいるシーバスにも感づかれにくいという利点がある。軽くて疲れにくく、気軽に履けるスニーカーが最強というのならこれはもう履くっきゃない。
竿先を水面へ向けるのが基本だが、そのとき通常のグリッピングだと手首を返す必要があり無理が生じる。そこで、このように箸を持つような感覚で軽く握ることで無理なくテクトロが可能になる。そして、歩くときのスピードはルアーがしっかりと泳ぐ最低限の速度が基本。手元にルアーの動きを感じながら歩くようにしよう。
河川におけるテクトロのポイントは、流れがあって全体的に水深が浅めのエリアを攻めること。そして、直線的な河川よりも蛇行した河川の方が水中の変化に富んでいてシーバスの付き場が多い。特に、インサイド(カーブの内側)は夜間にフィーディング(捕食)で浅場へと向かうシーバスを狙いやすいポイントだ。
逆に、アウトサイドはどうだろうか? 流れの当たるカーブ外側は水深が深く、日中でもナーバスになっているシーバスの隠れ家になることが多い。さらに、護岸の変化や沈んでいる障害物、消波ブロック、浮きゴミといったより複雑なストラクチャーが絡むとなお良い。狙いづらいのがネックだが、そんな場所ほど魚は多いのだ。
テクトロを行うにあたって注意したい点は、まずは岸際に竿先を近づけ過ぎないこと。近づけ過ぎると、岸に付着するカラス貝やカキにルアーが当たって動かなくなったり、根がかったりすることがある。最低でも50センチは離してテクトロしよう。そして、デイゲームであれば水面に自分の影を落とすのはNG。自らの影は護岸の中に収めて、シーバスに無用なプレッシャーを与えないように心がけたい。夜中でも、ライトアップされたエリアの場合は要注意。
数も狙えて70センチを超えるような大型も飛び出してくるのがテクトロのスゴいところ。良い条件にはめることができれば、誰でも簡単に歩くだけで釣れることができる。初心者の方にこそ是非試していただきたい技なので、きっちりマスターして、とにかくテクテク歩いてみよう!