春はでかイカのシーズン。キロ半、いや目標は大きく2kgオーバーの野望を胸に藻場を撃ち、回遊を待つエギンガーは多いはず。日中エギングの達人、湯川マサタカ氏もその一人だ。「デイゲームででかイカを獲るには、攻め方に応じてロッドを使い分けるのもひとつの手ですわ(笑)」と話す氏の右腕には、春イカ捕獲の秘訣が!
シャロー撃ちだけでは成立しないのが春の”でかイカ”ハンティング
湯川さんのエギングの特徴は、大きく分けると二つ。ひとつはボトムを丁寧に探るベーシックな釣り。もうひとつは水深1mを切るような浅場の水中の変化をテンポ良く撃つラン&ガンだ。とくに好きなのは後者。
湯川「シャロー撃ちは、活性の高いイカがいれば勝負が早い(笑)。使うエギは”クリンチ・カエル跳びアッパー3.0号”。ロッドはしなやかで取り回しやすい”セフィアエクスチューンS804L+”(※エギ、ロッドはシマノ。以下同)。でも春は使うエギが大きめになるし、産卵場近くで捕食を意識するイカの回遊待ちもします。攻め方やシチュエーションによってロッドを使い分けると、より効率良く釣りが楽しめます」
春のでかイカ狩り[CASE1]シャローを撃ち、回遊を待つ二刀流
湯川「アマモやホンダワラなどの藻場は、春のでかイカ狙いの教科書的なスポット。また、回遊待ちをする磯の岬先端に行く途中に、撃ちたくなる浅い岩礁帯があることも実は多い。浅いといっても水温が高い夏、秋と違って、春は水深2mまでがシャローの範疇。春は同じエリアでシャロー撃ちもするし、回遊待ちもする。でも、ショアの釣りでタックルを2セット持つと機動力が落ちますよね」
[CASE1]対応ロッド:3.0号のエギが軽快に操作でき、でかイカを浮かせるパワーが必要
湯川「春はクリンチ・エクスカウンター3.5号や3.8号をメインに使いますが、シャローではカエル跳びアッパー3.0号を投げて軽快に操作したい。藻場撃ちや回遊待ちでかけたでかイカを浮かせるバットパワーもほしい。それを形にしたロッドが、セフィアエクスチューンS805ML+です。僕が使うロッドの中では強めで、回遊待ちでエクスカウンター3.8号を遠投してボトムに落としても楽に操作できます。長さ的にも取り回しやすく、多少風に吹かれてもシャープに振り抜いて飛距離を伸ばせます」
湯川「ブランクスはスパイラルXコアで軽くて強い。赤系のモンスターも視野に入れて開発されたパワーのあるロッドですが、ティップはソフチューブトップでしなやかで高感度。エギの操作性が高く、水中の情報も感知しやすいです。ただ硬いだけではなく、繊細さも持ちあわせています。S804L+をよりでかイカ向きに強化した感じのロッドですね」
春のでかイカ狩り[CASE2]”変化点”に合わせてボトムをじっくり探る回遊待ち
湯川「春は回遊待ちも重要な戦略になります。釣り場は、磯の岬先端や堤防先端など潮通しの良い場所で、湾や港の奥に藻場があるなど近くに産卵場が絡めば、でかイカが回ってくる確率が高まります。時合は、朝マヅメの空が白む瞬間や、日中でも潮止まり前後の潮が変化するタイミングでイカが口を使いやすい。照度や潮の変化点でエギを水に浸けておくことが重要になり、そのためには前への移動距離を抑えたシャクりでボトムをじっくり探ります」
[CASE2]対応ロッド:遠投してボトムのエギを跳ね上げやすいしなやかなロングロッドが向く
湯川「回遊待ちで使うエギは、クリンチ・エクスカウンター3.5号、3.8号。遠投してボトムをとりますが、じっくり探るために前への移動距離を抑えるには、糸フケを瞬間的に張るように縦にシャクります。いわゆるスラックジャークで、パンパンッと縦に跳ね上げながら前進を最小限に抑えたダートでアピールします。そのためにはしなやかで長めのロッドが有利で、回遊待ちがメインのときは、僕はセフィアエクスチューンS808L+を使います。ティップが硬いと、前へ引っ張りすぎてしまいやすいですからね」
湯川「S808L+はとにかく飛ぶ。沖のサオ抜けスポット狙いにも良いです。しなやかなソフチューブトップで潮の重さが感知しやすく、潮が効いて回ってきそうだぞ! とイカの気配が感じやすいです。しなやかで長くてもダルさはなく、戻りも早い。ムチのようにしなやかでシャープなS804L+の遠投性能を高めたロッドと言えます」
※写真のロッドはすべてプロトタイプ(2018年6月発売予定)
湯川マサタカさんが語る、デイゲームででかイカを獲るロッドを使い分け方について、さらに詳しい内容は『ルアーマガジンソルト2018年6月号』の実釣記事をチェック!