7月6日〜8日の3日間、奈良県・七色ダムを舞台に開催されたJBトップ50第3戦『東レ・ソラロームCUP』が終了。結果は、サイトフィッシングの天才との呼び声高い藤田京弥選手が、トップ50昇格からわずか3戦目にしてトップカテゴリー初優勝! およそ20年に及ぶJBトップカテゴリー史上において、ルーキーが優勝を獲得したのは初めての出来事。また史上最年少優勝記録を更新、かつ七色ダム3DAYSレコードも塗り替えた。これを事件と呼ばずして何と呼ぶのか。10年にひとりの逸材、弱冠22歳。末恐ろしいトーナメントプロに今こそ注目せよ!
最終日帰着寸前24分前、バスフィッシングの神が舞い降りた!
最終日の11時28分、この日7尾目のキャッチとなる495グラムを300グラムと入れ替え。
京弥「まだ500グラム前後が2本いるのか…」
この時、ライブウェルには5尾推定3500グラムが控えていた。
京弥「今日は晴れ。予選2日間のように雨パワーはない。おそらく僕が有利になると思う」
サイトフィッシングにおいては「誰にも負けない!」と自負する京弥選手だが、思った以上にスコアが伸びない。大型の数が明らかに減っているばかりか、数も少ない。この日は直前プラクティスから数えれば5日目。50人の精鋭達に攻め尽くされた試練の本戦最終日となった。3500では逆転優勝への望みは薄い、なおかつ背後から差し切られる可能性も低くはない。
京弥「ラスト12時40分まで、ここでやります!」
通称S字コーナーエリアから、再度入り直したのは西ノ川。七色ダムの中でもよりクリア度の高い流域。大型バスの数も多いが、眼で見えるだけにルアーそのもの及びアクションまでをも学習した個体が少なくない。ひとことで言えば難攻不落だ。
しかし、京弥選手はここを最終日のメインエリアに選択。世の評判なぞどこ吹く風。朝イチこそ多くの選手が入るも太陽の位置が高くなる頃には掃けてほぼ貸切状態に。午前中の大半を過ごし、手を撃ち尽くしたとも言える西ノ川に勝算はまだあるのだろうか。
到着したのは12時23分。残す実釣時間はわずか17分間。13時帰着までの航程を考えれば、20分のマージンをとっておくことは必然だ…すると!
京弥「ワハハハハ! 人生でこんなこと初めてです! これで負けてしまうなら仕方がない!」
12時36分、奇跡は起きた!
推定1キロフィッシュをキャッチして、495グラムと入れ替え。5尾リミットの総重量は優に4キロを超えた。
はたして、いったい何が京弥選手の身に起こったのか。知れば、きっと「藤田京弥、半端ない!」と感じるはずだ。その詳細は7月26日発売の『ルアーマガジン2018年9月号』でぜひご確認いただきたい。
強豪を唸らせる高値安定のサイトフィッシング特化型。末恐ろしい超新星
今戦の前日プレビューでは、現代の強豪2選手に七色ダム戦に賭ける意気込みを聞いたことはご存知だろう。
小森嗣彦「今までは青木選手、それにサイトの流儀が異なるが山岡選手の後は入りたくないと思ってきた。しかし、今季は『もうひとり』増えた」
青木大介「小林選手は突拍子もない爆弾(笑)。山岡選手、小森選手はまぁ無難に上位に来るでしょうね。ていうか、『サイトしかしない彼』を注目しといたほうがいいですよ。他の釣りはまだ覚えていなくても、サイトに関しては思いっきりキテますよ」
小森、青木の両雄が事前から恐れていた超大型ルーキーが、想像以上の大躍進! 予選2日間は雨が強く、上記2選手を含む強豪たちが苦戦を強いられたなかで、雨間のわずかな時間を活かしてハイウェイトを重ねたのが京弥選手だった。ポイント制の予選順位は首位、最終日からのウェイト制に向けては暫定2位で通過。
青木「ね? (京弥選手が上位に)来たでしょう?」
続く第4戦桧原湖も要注目! 前人未到の2連勝も視野に入ったか?
●トップカテゴリー初優勝
●ルーキー初年度初優勝
●七色ダム3DAYSレコード更新
●トップカテゴリー史上最年少優勝
藤田京弥選手の”初”尽くしで締め括った2018JBトップ50第3戦七色ダム。
2016年にJBプロデビューしてわずか3年目の今季にトップカテゴリー・トップ50にスピード昇格。そしてわずか3戦目にして、早々と選手の誰もが思い焦がれる優勝カップをその手に。
昨季までに獲得した優勝の盾およびカップは9つ。クリアウォーターの河口湖を中心に得た戦果は、今季に入りマスターズ第2戦三瀬谷ダムにおいてついには2桁に突入。続く今戦では11個めを獲得することになった。
かつてのインタビューでは「七色ダムと桧原湖の僕に注目してほしいです!」と語ったが、その言葉通りにサラリと七色ダムで優勝。前戦の篠塚亮選手同様に、有言実行を果たした。この9月に開催される第4戦桧原湖では、はたしてどんな活躍を魅せてくれるのか。
年間2勝? いや、前人未到の2連勝?
その能力たるや、未知数。破竹の勢いを魅せる藤田京弥選手の一挙一動から、今後も目が離せそうにない。