“オルブライトノット”を使いこなしてロックフィッシュをもっと釣る!【エキスパート折本隆由が指南】



太さの異なるラインを結び付ける方法として使われることの多い「オルブライトノット」。「すばやく結べれば釣りの時間が延びる=釣果も上がる」と考えるエキスパート・折本隆由氏が、ロックフィッシュ(根魚)を釣る際にこの結び方を愛用している理由を掘り下げたい。

おりもと・たかよし 様々なジャンルのルアーフィッシングを得意としており、なかでもロックフィッシュゲームに深い造詣を持つエキスパート。独自かつ論理的な考え方に共感するファン多し。オーリーの愛称でもおなじみ。

そもそもオルブライトノットはどんなノットなのか

折本さんがロックフィッシュゲームの際、メインライン(PEライン)とリーダー(フロロライン)を結束するのに用いている方法がオルブライトノット。
詳細に関しては本誌で紹介しているが、イメージとしては↓イラストを参照してほしい。

折り返したリーダーにメインラインを巻き付けているだけのシンプルなノットであり、多くのアングラーが採用している”FGノット”に比べると非常に簡単だ。

折本「正直な話、結束強度の高いFGノットほどの力はありません(笑)。オルブライトノットだと、75パーセント程度の強度でしょう。ですがいくつかのポイントに注意すれば、限りなく100パーセントに近づけることができる。それにオルブライトノットならではのメリットもあるんです!」

折本さんが分析する摩擦系ノットの弱み

折本「FGノットをはじめとした摩擦系ノットは確かに強いです。そしてキャスト時にストレスになりがちな結び目も小さくてすみます。ですが、そこに摩擦系ノットの弱点があるんです」

ロックフィッシュゲームではこんな磯が主戦場となることが多い。

折本「摩擦系ノットを使われている方は、たくさん練習して満足のいく強く美しい結び目ができるようになっているかと思います。ですが、そのノットを手早く釣り場で組めますか? ロックフィッシュゲームは根掛かりとの闘いでもあります。つまり、現場でノットを組まざるを得ない場面が多くなりがちなんです」

折本「そうなってくると、いかに強く美しいノットが組めるとしても、時間をかけてしまってはもったいないし、素早く作ってすぐに切れてしまっては本末転倒。もちろん、素早く確実に組めるのなら話は別ですが…」

折本「つまり、摩擦系ノットの弱点とは、釣り場で強くて美しい結び目を素早く組むことが難しいという点。そして場合によってはそのことを心配して、メインラインやリーダーのダメージに目をつぶりがちだということです。ですが、オルブライトノットであれば結束方法が簡単な分、安定した強度を素早く出せます。だから、ラインの傷に気が付いたら積極的に組み直すのが苦にならないわけです」

オルブライトノットを強くするために

折本「先にも紹介した通り、オルブライトノットは摩擦系ノットほどの強度はありません。そこでオルブライトノットの強度を100パーセントに近づけるためのいくつかのポイントを紹介します」


ポイント1:最適なPEラインを選ぶ

折本「PEラインとリーダーの結束が難しい理由のひとつが、異なる材質のライン同士を結ぼうとするからです。一般的なPEライン(繊維)とフロロライン(樹脂)を結ぶために摩擦系ノットが多く使われる理由は、異なる材質のラインを結ぶ際にそれだけ摩擦が必要となってしまうからなんです。

そこでおすすめしたいPEラインが、デュエルの『アーマードF』シリーズです」

折本「このシリーズのPEラインは、簡単に説明すると、フロロ樹脂でコーティングされたPEライン。だからリーダーと結束するときにも樹脂と樹脂の結束になり、がっちり食い込んでくれて、オルブライトノットでも高い強度を出しやすいんです。

また、普通のPEラインでもオルブライトノットの巻き付ける回数を増やす(=摩擦抵抗を増やす)ことでカバーすることもできます」


ポイント2:タックルを考える

折本「リーダーとメインラインの結束部分から切れてしまって一番後悔するのが魚をかけた時ですが、そうならいためにもタックルバランスはしっかりと考えるべきです。特に初心者の方の場合、ノット以前の問題で切られることは多いと思いますよ」

折本「魚のパワーに対してしっかりとクッションになってくれる竿を使えていますか? 必要以上の力がかかった時にちゃんとラインが出るようなドラグの調整も重要です。また、 ラインが切れる前に伸びるような針を使うのもアリですよね。

・竿の曲がりを利用する
・ドラグを調整する
・フックの太さ

ノットは簡単なものを覚えるのでかまわないので、以上のような点に関しても、よく考えてみてください。釣り全体のパフォーマンスが向上しますよ」


ポイント3:ラインチェック

折本「ラインチェックはこまめにしましょう。ルアーにつながる結び目からリーダー、メインラインとその結束部分あたりまでは使っているうちにダメージがたまりがちですからね。そして気になる箇所があるのなら、結び直す。オルブライトノットなら時間がかかりませんし、常に結びたての強い状態を維持しやすいわけです。難しいノットを組んだからって、いつまでもリーダーを変えないのに比べたらよほど安心ですよね」



折本さんがオルブライトノットを愛用している理由

折本「みんなノットを難しく考えすぎなんです。もっとタックル全体のバランスを考慮すれば、簡単な方法で済む。そして根掛かりしたり、痛んだりしてリーダーを組みなおす場面になった時に、素早く確実に結べるほうがメリットは大きい」

折本「極端な話、釣果にもつながります。何せ、魚を一匹でも多く釣るためには、水中にルアーが入っている必要があるんですからね。せっかくの休日を釣りに充てても、そのほとんどの時間がノットを組む時間になってしまってはもったいない。素早く結んでルアーを投げましょうよと。

そういった様々な点を考慮した上で、自分はオルブライトノットを使っているんです」

[おまけ1:オルブライトノットの結び目対策はどうしていますか? →「リーダーの長さはキャスト時のたらし分程度として、巻き込まないようにしています」]

[おまけ2:折本さんは摩擦系ノットは使わないのですか? →「オフショアの釣りなど、根掛かりの心配がない釣りでは使うことがあります」]

『ルアーマガジン・ソルト9月号』ではその他のノットも掲載!

現在発売中の『ルアーマガジン・ソルト2018年9月号』では、エキスパートアングラーの折本隆由さん・藤原真一郎さん・小沼正弥さん・湯川マサタカさんが、魚種別に愛用するリーダーとメインラインの結束方法(ノット)を紹介している。また、折本さんによるエコギアワームの使い分け記事も掲載されているので、そちらもぜひチェックしてほしい!!

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