ポン付けで簡単!リールカスタムをやってみよう!【やまけんの“釣りに行ってもいい?”#05】



「釣れる魚はなんでも釣る。釣れない魚はなんとかして釣る」をモットーに、魚を求めて東西南北どこへでも行きまくる道具道楽アングラー”やまけん”氏による連載企画「無節操アングラーやまけんの”釣りに行ってもいい?”」。今回はリールのカスタムについて。サードパーティーのパーツを使って、完全分解せずにポン付け(加工しないで取り付ける)で簡単にマイリールを作る方法を紹介する。

完全分解不要!メンテ程度の作業でリールはカスタムできちゃうんです。

こんにちは! 昨今は無節操に色々な釣りをしまくっているので忘れられがちですが、実は渓流ベイトの人、やまけんです。

さてさて。「リールのカスタムって難しいんですよね!?」なんてことをしばしば尋ねられる昨今。

サードパーティー(社外メーカー)から様々なパーツが発売されていて、「全部まるっとカスタムパーツを組み込みたい!」となると完全分解が必要だったり、それなりの専門知識や道具が必要だったり、技術に自信のない方はなかなか上手くいかない、なんてこともありますが…。基本的にリールカスタムはそんなに難しいことをしなくてもOKなんです!

…ということで、今回は完全分解が要らない範囲で、つまりメンテナンス程度の技術でできるリールカスタムを紹介します! ちなみにポン付け(加工しない取り付けカスタム)ですので、元に戻すのも簡単!

[注:ただし、一度パーツを入れてしまうとそこからは自己責任。メーカーの保証や修理が受けられなくなってしまう場合もあるので、あくまで自己責任であることを理解しつつこの先を読んで下さい。さらに、カスタムパーツはリールメーカー側の「安心して、壊れないで、誰でも使える」メリットを削って、特化した機能を付加する部品です。欠点を補うというものではなく、何かをマイナスして、何かをプラスする部品ですので、特性を理解した上で組み込んでもらえればと思います]

今回のカスタムベースは、シマノのカルカッタコンクエストBFS(右ハンドル)。渓流でのルアーフィッシングをテーマにして、超軽量スプールとショートハンドルを入れ、よりフィネス向けにカスタムしてみます。

スプールとハンドル、この2つを換えるだけで結構変わっちゃうんです。

まずはパーツ購入。どのパーツが適合するかは、カスタムパーツメーカーのホームページに細かく書かれています。

この適合表、正直文字ばっかりで読み飛ばしたくなるかと思うのですが、ちゃんと読んでカスタムしたいリールに適合しているか確認してから購入してくださいね。

[ちなみに「適合表を読むのがめんどくさい」とか「よくわからないから読まない」という方・・・きっと向いてないだけなので、カスタムしてくれるお店に任せちゃいましょう(笑)]

そんなこんなで、パーツの一覧はこんな感じ。今回はカスタムパーツメーカーの老舗Avail製のパーツで統一しました。

【ハンドル】

シマノ用オフセットハンドル75mm
HD-SH-LT-75(ガンメタ)
リテーナー(ガンメタ)
アルミ製ハンドルナット右ネジ(ガンメタ)

【ノブ】

ウッド平ノブ縞黒檀 ×2
アルミ製 GMノブキャップ(ガンメタ) ×2
ステンレスボールベアリング・7X4X2.5  4個セット

【スタードラグ】

ヘキサゴナスタードラグ2 SD-HEX2-SH(ガンメタ)

【スプール】

Microcast Spool 17CNQ15R
補助マグネット 8個セット

すげぇ簡単!何せ入れ替えるだけ!

では、まずはスプールから。これは軽量で空気抵抗の大きいルアーを投げたい渓流用ベイトリールでは特に効いてくるパーツです。

ノーマルスプールの重量は実測8g、マイクロキャストスプールはなんと4.9g! 約38%以上の軽量化!

軽量のスプールに換装するので、スプール強度(特に軸など)がノーマルよりも落ちますが、それでもそう簡単に曲がったり壊れたりするレベルではないかと思います。

[もちろん引張強度の強いPEラインなどを使って根掛かりからギューっと引っ張って外すなんて使い方はできませんのでご注意を(ノーマルでもやめた方がいいですよねw)]

スプールはベアリングも組み込み済みですので、サイドカップを開けて、ノーマルと入れ替えるだけでOK! もっと回転性能を!という方はベアリングの脱脂がオススメですが、今回は簡単カスタムなので省略。それでも十分にパーツの効果を感じられると思います。

ハンドルの換装はドレスアップ以外に意味があるの?

最近ではメーカー側でもどんどんリールの軽量化を進めていて、ハンドルで重量を減らせる割合が少なくなってきました。

今回もハンドル周りのパーツ一式交換での重量差は1.3g。約5%の軽量化です。このぐらいだと重量差を体感するのは難しいかと思いますが、実はハンドルを換える理由は「ハンドル長」にあります。

渓流魚よりも比較的サイズの大きなブラックバスを想定しているリールの場合、ある程度の巻取りパワーが欲しいので、長いハンドル長が必要になります。

今回は渓流用ベイトリールを想定したカスタムですので、小さい半径ですばやく回せる範囲(全長75mm)をチョイス。よりスピーディーに巻き取ることができるようにしました。

また、ドレスアップ効果を狙って黒檀のノブを取り付け。ウッドノブは渓流タックルに良く似合います。

[ハンドル+ノブの組み合わせはメーカーごとに微妙にパーツが違ってくるので、組み上げの際に説明書をよく読んで下さい]

ハンドルナットは右ハンドルの場合と左ハンドルの場合では回転方向が違うので要注意! 回らない方向に回して壊してしまわないようにしてください。

ちなみに、ハンドルナットを外す時は専用のレンチがオススメです。傷が付きにくく、しっかりと力を掛けることができます。

スタードラグははめ込む時にややコツが要りますが、クリック音を出すための白いパーツの向きを確認しながら入れれば問題なく入るはずです。



最後にマグネットを追加

今回は超浅溝のスプールをチョイスしたので、マグネットとの距離が離れてしまいます。ブレーキが効き辛くなることを防ぐためにマグネットを追加。

ペタペタと1枚ずつくっつけるだけなので、これもめちゃめちゃ簡単です。

こんな感じであっと言う間に完成!

ノーマルのガンメタリックカラーを邪魔しないように、今回はすべてのパーツをガンメタリックで統一。一見するとパーツが変わっていないようですが実はしっかりカスタムされているという”大人な感じ”を狙ってみました。

皆様、あくまでもカスタムは自己責任ではありますが、いじったリールにはより愛着が湧くのもまた事実。ガッシガシにリールをいじる入口として、ポン付けだけの簡単カスタム。ぜひ挑戦してみてください!

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お問い合わせ・お申込み:ペンション「アンティーズハウス」TEL: 025-783-3442
http://www.bekkoame.ne.jp/ro/kyo/
詳しくはTRY-ANGLE HPのイベント欄をご覧ください。
https://try-angle-fishing.com/event/180825.html

やまけんプロフィール

やまけん(山犬):道具道楽アングラー。魚を求めて東西南北どこへでも! モットーは「釣れる魚はなんでも釣る。釣れない魚はなんとかして釣る」 釣具メーカー「TRY-ANGLE」代表。

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