夏は激シブ? 関東は激シブ? 全国的に見ても決してパラダイスとは言えない関東のエギング事情だが、オフシーズンとさえ呼ばれる夏でも釣果を魅せたのが、国内はもとより世界で活躍する凄腕エギンガーの川上英佑氏。「ただし、潮選びと場所選びは重要。どんな季節でもそうですが」 まだ間に合う真夏エギングのキモを解説いただこう。
夏の関東で最大2kg(!!)までを連発の激釣劇!
取材は7月上旬、梅雨明け直後に敢行。場所は三浦半島で、関東屈指のエギング激戦区。その模様は現在発売中の『ルアーマガジン・ソルト2018年9月号』に収録済みだ。
驚くべきは、例年であれば収束しつつある春産卵期の名残りが7月を迎えてもなおポテンシャルをキープしていたこと。1キロクラスを中心に何と2キロ(!!)もキャッチ! ここが関東であることを忘れそうになったほどだ。
誌面では同号の発売日に合わせ、7月末から8月中にかけての関東イカ攻略法を解説。しかし、現在は既に8月中旬。お盆でも、いや8月下旬でもイカは釣れるのか? そこが知りたい。
[真夏のキモ・その1]潮が大きく動く時間帯を探せ!
「ご心配なく。朝から日中にかけて大きく動く春の潮から、夕方以降の夏の潮に変わるだけで、チャンスは平等です」
川上さんはこう解説して、関東はもちろん、全国のエギンガーに希望を与えてくれた。お近くの釣り場を目安にタイドグラフを確認すれば、どの時間帯に大きく潮が動くのかは一目瞭然だろう。
「それと、夏の日中は人間の体力が持たない(笑)。夕方以降、朝マズメまでが涼しいと思うので、釣行時間の選び方も大切です」
真夏日が続くこの季節、無理は禁物。「日没後の1時間はどの季節でも釣れる時間帯」との目安も。ただし、夜間は足場の安全性を確保できる釣り場選びも重要だ。
[真夏のキモ・その2]地図を片手に、張り出した地形を探せ!
「昨年(=2017年)もお盆前後でも十分な釣果は出ていますよ。場所は城ヶ島で、8月の20日くらいに800〜900グラムが出ています」
論より証拠。川上さんは季節を問わず釣行して、従来の夏は不釣の定説を覆す。具体的な地名も挙げてくれたが、地形としてはどんな場所を選ぶべきなのか。
「ズバリ涼しい潮が通る場所。単純にマップを頼りに、潮通しが良い場所を探すだけです。沖へ張り出している地形、岬状の地形ですね」
紙の地図がなくてもスマホですぐに検索可能。空撮マップもあれば水深差もわかりやすい。足場から浅場が続く場所ではなく、ニアディープ。深場が近い場所のほうがイカも岸に近づきやすいはずだ。
本格シーズンの秋を控えた真夏、エギのダウンサイズも考慮に
そうこうしているうちに、夏は過ぎ去っていく。9月中はまだ夏のパターンを引きずりながらも、下旬ともなれば地域によっては完全な秋パターンへと移行していくだろう。
取材日に使用したエギは、定番のエギ王K3.5号を軸に、エギーノぴょんぴょんサーチ3.5号など。しかし、秋ともなれば、小型のイカも増え、エギもダウンサイズする場面も出てくる。当日は夏のみならず秋をも見据えたモデルとして川上さんが持参したのが『エギ王Qライブサーチ』だ。
イカに聞こえやすい周波数のサウンドを発生するラトル入りで、広範囲から数多くのエギを呼び寄せるハイアピールタイプがこのモデル。
「濁り潮には茶系、薄明るい朝は青系、夕方はオレンジなど、周りの風景にマッチさせたカラーローテーションが僕の基本です」。
従来の15色に加え、新たな10色がここぞというシーンで活躍必至。2.5号と3号は既に店頭に並んでいるので、気になる方は是非。
世界のカワカミ、秋の攻略法はしばし待たれよ!
万が一、イカが不釣でも、他のルアーフィッシング対象魚の活性も高いのが真夏という季節。アゲインストの風や想定外の強風時、またフィッシュイーター達が接岸してイカの姿が消える…なんてことも少なくない。
そんな非常事態のためにも用意して位起きたいのがメタルジグ。取材当日に同行した児島玲子さんは「イカのみと考えず、ダメなら青物」と不撓不屈の精神を語ってくれた。「だって、釣れたほうが楽しいでしょ」。ごもっともです。
エギケースの隅に数個忍ばせておきたい定番ジグ。ナブラ発生時などに直撃せよ。エギングタックルでもキャスト可能な51mm(18g)や55mm(25g)などがおすすめだ。価格はオープン。
夏を満喫して、秋の準備も整えた。さぁ、あとは釣りに出かけるだけだ。ところで、秋はどう攻略すべきか。
世界のカワカミが解説する秋イカ攻略法は、9月末に発売が予定されている『エギング王vol.23』に収録予定。乞うご期待!
[今回紹介した川上英佑さんと児島玲子さんのタンデムエギング釣行、『ルアーマガジン・ソルト2018年9月号』の「関東・夏イカ戦線異状アリ!児島玲子&川上英佑 in 三浦」にて詳細をレポートしているので、関東エギンガーの皆さんはぜひそちらもご覧あれ!]