ホンダ新型”クロスカブ110″を駆って、渓流釣り×シングルキャンプを満喫



今年(2018年)で生誕60周年を迎えた、ホンダが世界に誇る名車「スーパーカブ」。その記念すべき年に、姉妹モデルである『クロスカブ110/50』が装いも新たに登場。釣りを始めとしたアウトドア派の熱い注目を一身に集めている。そこでルアーマガジン・リバー編集部では、『クロスカブ110』を渓流釣行に持ち出してみることに。1泊2日のスケジュールで目指したのは山梨県の名川・桂川。「バイク×渓流×キャンプ」という”欲張り”フィッシングスタイルを実践してみた。 

リニューアルしてさらに楽しくなった『クロスカブ110』

今回の旅をともにしたのは、2018年にリニューアルした『クロスカブ110』。ホンダが世界に誇る名車「スーパーカブ」の姉妹モデルである。スーパーカブはどちらかというと配達などの業務で使われることが多いビジネス車。それに対し、このスタイリッシュなデザインを持つクロスカブは、ちょっとした買い物から日本を一周するような長旅まで、様々な用途に使える”遊べるカブ”と言える。

スーパーカブをベースに、アウトドアテイスト満載で仕上げられた『クロスカブ』は、2013年に初代モデルが登場して以来、往年の名車「CT110」通称”ハンターカブ”を彷彿とさせる風貌も相まって、高い人気を集めてきた。今回のモデルチェンジに際しては、レッグシールドを外し、本体と同色のフレームカバーを採用、さらにヘッドライトの小型化などにより、とてもスリムでスタイリッシュな印象に。ヘッドライトからリヤフェンダーまで流れるようなデザインが特徴的だ。またタンデムステップの追加により、二人乗りが可能になったのも嬉しい。

(左)”ハンターカブ”の名で親しまれたCT110(右)2013年に発売されたクロスカブ110初代モデル[写真提供:WEBヤングマシン]young-machine.com
小型のLEDライトを囲うフレーム上にはシュラフマット等、小さな荷物も積載可能だ。
こちらがリアキャリア。カブ同様に荷物がたくさん積める。シングルキャンプギアなら余裕だ。
タンデムステップの追加で二人乗りが可能になったのも嬉しい。長距離移動時では硬さが気になるため、座面となるリアキャリアには、スーパーカブ用のダブルシートに換装することが勧められる。
排気量は110cc。40km/Lは下らないという圧倒的な低燃費。
クロスカブのシフトチェンジはつま先とカカトで踏み込むタイプ。分厚いウエーディングシューズを履いたままでも問題なし!
右の前ブレーキには、坂道でも駐車可能なパーキングロックを装備。

クロスカブ110[本田技研工業]
●総排気量:109cc
●車両定員:2名
●カラー:全3色(パールシャイニングイエロー/マグナレッド/カムフラージュグリーン)
●価格:33万4800円(税込)
※バリエーションとして『クロスカブ50』もあり。

クロスカブ110と共に都心からのアクセス抜群な桂川へ

さて、『クロスカブ110』を駆って1泊2日の渓流野宿旅に出向いたのは、バイクと釣りをこよなく愛し、アウトドアギアのプロデュース等も手がける櫻井伸樹氏。以下、氏によるレポートをお届けしよう。

櫻井伸樹(さくらいのぶき)/エディター&ライター。20代よりツーリング雑誌の編集者として全国をバイクで巡る。40歳でフリーに。バイク旅、キャンプとアウトドア全般が好きで、最近はテント、ハットなどアウトドアギアのプロデュースも手がける。

今回訪れた桂川というフィールドは、都心からのアクセスも良好な人気河川。解禁日には数多の太公望たちが竿を出し、川岸にずらりと並ぶ姿が風物詩ともなっている。そして、この川の大きな魅力は「スーパーヤマメ」にある。毎年40㎝オーバーの釣果も聞こえてくるほどだ。今回目標としたのは尺前後のヤマメである。

川沿いを走ってはポイントを見つけては、即、入渓。ダメなら次へ。なんという気軽さと自由さ。下半身がずぶ濡れだと、クルマに乗る場合は何かと気を使うが、クロスカブならまったく問題なし。

渓流バイク旅+キャンプ場泊がおもしろい

シングルキャンプ道具一式を荷台に積んで目指した桂川。野宿もいいが、渓流と言えども市街地なので、今回はキャンプ場を利用することに。ここは「月尾根自然の森」(山梨県大月市梁川町立野106)。雑木林の中にテントを設営し、夜の焚き火の準備を進める。

まばらな雑木林の中でテントを立て、焚き火台を設置。薪を集めてノコギリとナイフで細かく割っていると、辺りが暗くなってきた。
持ち込んだのはシングルキャンプ道具一式。一人でちびちびと食事を作るのもまた楽しい。
バイクとテントと焚き火。爆ぜる薪の音だけが周辺にこだまする。
翌朝は4時半起床。さくっとカップ麺を食べて体を起こし、ゲーターを履き、ロッドを担いでクロスカブに飛び乗る。どこでも行けるし、気軽にポイントを巡れるのは、クロスカブならでは!

見事な銀輪の桂川ヤマメもゲット!

川沿いを流し「これは!」というポイントを見つけては、クロスカブを停めて入渓しルアーを投げる。そこがダメなら次へ。軽快なクロスカブはとにかく小回りが利く。車だと駐車に困るような場面でもまったくストレスがない。だからちょっと気になるポイントへも躊躇なく入っていける。これが今回の渓流釣行スタイルの最大の利点だ。そして、木漏れ日が眩しい午後、2つ目のポイントでミノーがひったくられた。恰幅のいいレインボーだ。その後、小ぶりだがイワナの顔も見られたし、何より美しい銀輪の桂川らしいヤマメをキャッチすることができた。



どうしても釣れない時はストリームタイプの管理釣り場もあり

こちらは桂川の流域にある「奈良子釣りセンター」。ポンドタイプの釣り場と、奈良子川をそのまま利用したストリームタイプの釣り場を擁す管理釣り場だ。リバーキーパーの渡辺勲さんは、桂川フリークでもあるので「どうしても釣れない……」場合は、情報収集がてら訪れてみるのもいいだろう。

バイクに乗りたいけど免許が…、という方に朗報! クロスカブに乗れる「AT小型免許」は最短2日で取得可能

さて、今回ご紹介した『クロスカブ110』は、スーパーカブと同様にシフトペダルによる変速方式で、クラッチ操作を必要としない。そのため、クラッチ不要のオートマチック車かつ125ccまでのバイクが対象となる「AT小型限定普通二輪免許」を取得すれば運転OKだ。

このAT小型二輪免許、これまで取得するのに最短3日かかっていたのだが、2018年7月より最短2日に短縮され、より取得しやすくなった(普通免許保持者の場合)。詳細についてはHonda公式Webサイト内でも紹介しているので、参考にしていただきたい。

『クロスカブ110』のスペックや詳細はこちらのリンクから!