風はエギングの大敵。凡人では何をしているかわからなってしまうような強風でも、しっかりイカをキャッチするのが、”エギング番長”重見典宏氏だ。その直伝のワザは「風が吹いたらエギを重くして操作する」。次の休日に風が吹いても釣りになるエギング術を伝授する。
風が弱い場合、エギはノーマルタイプが良い理由
「秋の小型イカを狙うとき以外、エギは年がら年中、エギ番長3.5号がメイン」という重見さん。ノーマルタイプのエギだ。
重見「ノーマルタイプは、PEラインの浮力と抵抗でラインテンションを抜いてもゆっくり沈む。潮になじませるようにナチュラルにフォールできる。イカにとっては美味しそうに見える姿勢や。もっとゆっくり落としたければXS(エクストラスローシンキング)。ただし、エギが軽いほど、風の影響を受けやすい」
風裏に入っても、立ち位置を考慮しても、かわせない風がある
風が吹いたら風裏エリアに入る。あるいは風を背または正面から受ける立ち位置をとるのが風対策の基本だ。
重見「取材のときは、予報で風速10mと言われても風裏を探して現場に立つ。風裏というても元々風が強いから、風が巻いて入ってくる。風を背にしても強い風でラインが吹き上がる。こうなるとノーマルでは太刀打ちできません。どんなに良いエギでもフォール中にビクッと動いたらイカは抱かへん。せやから風の強い日は重いエギを操作する釣りをする」
強風下はラインを張って重いエギの沈下速度と姿勢をコントロール
重いエギとはディープタイプのこと。操作するというのは、どういうことなのだろう?
重見「重いエギはフリーフォールだと頭を下にストンッと落ちる。だからラインを張ってゆっくりフォールさせる。イカにとって美味しそうに見える速度と姿勢にコントロールする。これが重いエギを操作するということ。エギ番長3.5号D(ファストシンキング)でも風の影響を受けるときはXD(エクストラファストシンキング)。ディープタイプ=深場専用ではないということや」
ディープタイプはノーマルより釣りのテンポが早くなる。秋イカにも対応
では、ディープタイプのエギのシャクり方は違うのか?
重見「ボトムをとってシャクる。そこは一緒。スラックジャークでも2段シャクリでもワンピッチでも何でもええ。ただ、カーブフォールになるので、ノーマルタイプより釣りのテンポが早くなる。強い向かい風でXDを使うと沈むのは速いし、ラインが風で押されるから忙しい釣りになる。秋が深まると季節風が吹きやすくなる。秋のイカはやる気がある。テンポの速い釣りは、秋イカ攻略にも合ってるということや」
ラインの変化でアタリをとってかける。強風下でも”番長”流を貫く
風が強いと着底やアタリがわかりにくいという人も多いはずだ。
重見「ラインメンディングで水面のラインをできるだけ真っ直ぐにして、水面上の風下側にふくらんでいたラインがフワフワ踊りだしたら着底。カーブフォール中のアタリは、手元に伝わることもあるし、底でもないのにラインの動きが止まる。あるいは張っていたラインがたるむとか、ラインの変化でアタリをとってかける。だからワシは、風が強くてもシャクったらのってた、ということはない」
高比重ラインも強風対策に欠かせないアイテム
一般的なPEラインの比重1弱に対し、重見さんが使用するPEラインは0.5号で比重1.24。
重見「普通のPEラインは風でフワフワ流されやすい。PEワイルドジャークエギは高比重PEで、風が吹いても影響を受けにくく、潮にも馴染みやすい。エギの(フォール)姿勢を安定させやすいから釣れるということや」
『エギング王Vol.23』&『ルアーマガジンソルト2018年12月号』には、さらに詳しい内容を掲載
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