星の数ほどある釣具の中から、話題のアイテムをピックアップして紹介!! 生まれた経緯から使い方、時には「ルアマガプラス」だからこそ読めるマル秘話まで、まるっとお届け! 今回はタックルから便利グッズまで幅広く展開する「スラッシュ」のグルーパー(ハタ類)用ロッド「グルーパーシーフ」シリーズをピックアップ! テスターの佐々木さんからお話を伺ったぞ。
グルーパーシーフ GROUPER THIEF(スラッシュ)
アングラーの要望を具現化することに定評のあるスラッシュが、2018年にグルーパー(=ハタ類)用ロッドのグルーパーシーフをスピニング・ベイトの各1アイテムずつリリース!
スラッシュと言えば、エギングやライトゲーム系ロッドではすでに数々の名品をリリースしていることでも知られているが、今回の対ロックフィッシュ用ロッドは一体どういった点で優れているのか?
その真価を、スラッシュのテスター・佐々木友也氏にお聞きしたぞ。
グルーパーの習性に基づく論理的なコンセプト
ーー「ベイトロッドとスピニングロッドの2アイテムを展開していますが、共通するコンセプトはありますか?」
佐々木さん「グルーパーフィッシングの醍醐味と言えば、はやりその強烈な引き。とすると、魚に負けない強いパワーが必須となってきます。そのため、共通コンセプトと言いうならば、強靭な“ハイトルクアクション”ですかね」
ーー「弱いとだめなのでしょうか?」
佐々木さん「グルーパー類はロックフィッシュとも呼ばれることからもわかる通り、岩場や消波ブロックといった複雑で硬い障害物(根)の周りに生息しています。そのため、弱いロッドで魚をかけた場合、主導権を奪えずそういった根に潜られてしまい、釣り上げることが難しくなってしまうんです」
ーー「ということは、魚がヒットしたら障害物に逃げられる前に、できるだけ素早く釣り上げられるようなロッドが適しているのですね!!」
佐々木さん「その通りです。そのため、グルーパーシーフにはスラッシュのお家芸である技術・ヘリカルXを採用することで、グルーパーに負けない強靭なパワーを持たせているんです。さらに、このパワーの恩恵として、大型魚がヒットした時にもネット無しで抜き上げられるので、釣り場での装備を最小限にできてなおかつ安全に釣りをすることが可能なんです!」
ボトム狙いのガチンコベイトロッド・グルーパーシーフ GTC-762H
ーー「2種類のロッドは対応するリールが違いますが、それぞれどういった特徴があるのでしょうか?」
佐々木さん「ではまず、ベイトロッドのGTC-762Hからお話しします」
■グルーパーシーフ GTC-762H
●長さ:229cm
●継数:2ピース
●重量:172g
●適合ルアー:10~56g
●適合ライン:12~30lb(フロロカーボン)/0.8~2.0号(PE)
●価格:15,000円(税抜)
佐々木さん「こちらはずばり、ボトムコンタクトを意識したセッティングのロッド。つまり、掛けた魚をいかに根に潜らせず、浮き上がらせられるかを突き詰めています。と言ってもただ硬いだけのロッドではなくて、バイト時の吸い込みに対応する食い込みの良さも追及してありますよ」
ーー「グルーパー狙いとしてはまさにど真ん中の設計。なるほど。だからこそのベイトタックルなんですね」
佐々木さん「そうなんです。また、ベイトリールの特定としては瞬間的なパワーに優れている他にも、キャスティングアキュラシーに優れているという点があります。その利点を生かせるよう、7ft6inch(229cm)と少し短めのレングスに設定しています。これにより、磯場の足元をしっかりと狙ったり、消波ブロックの穴釣りでも扱いやすくなっています。もちろん、ボートからのグルーパーゲームでも使いやすいはずですよ」
スイミングメソッドに最適化したスピニング・グルーパーシーフ GTS-862M
ーー「それでは続いてスピニングのほうをお願いします」
佐々木さん「スピニングロッドはGTS-862M。その名の通り、ベイトロッドに比べて2段階パワーは下ですが、1フィート長い設計のロッドとなっています」
■グルーパーシーフ GTC-862M
●長さ:259cm
●継数:2ピース
●重量:175g
●適合ルアー:5~30g
●適合ライン:12~20lb(フロロカーボン)/0.6~1.5号(PE)
●価格:16,000円(税抜)
佐々木さん「グルーパーフィッシングの主なターゲットは2種類いまして、ひとつは根回りに潜み、まさしくロックフィッシュなアカハタ。そしてもう一種類が、根の上に浮き、ベイトフィッシュを活発に追い掛け回すオオモンハタで、この862Mは後者を狙うことを想定したロッドなんです」
ーー「そもそもこの2魚種は釣り方が違うのでしょうか?」
佐々木さん「アカハタはボトムをとったあと、リフト&フォールなどでボトム付近を狙いますが、オオモンハタは、ルアーの着底後にストレートリトリーブで泳がせるスイミングで中層を狙っていくんです」
ーー「ということであれば、GTS-862Mはスイミングを想定したロッドなんですね」
佐々木さん「そういうことになります。なので、スイミング中のバイトでもはじかないよう、しっかりと食い込んでくれるティップ設計にしているのがポイントですね。スピニングなのは、中層を狙うのであれば広範囲を効率的に探れるよう、遠投性能が重要になってくるからです」
ーー「8ftオーバーという長さもやはり遠投性のためですか?」
佐々木さん「もちろんそれもありますが、磯や消波ブロック帯など、足場の高い釣り場でもきっちりと足元まで引ききることができるという点でも重要です。また、パワー表記はMですが、共通コンセプトのパワフルさとこの長さのおかげもあって、大型のグルーパーにも主導権を渡すことなくファイトができますよ。」
あらゆるロックフィッシュを狙える「グルーパーシーフ」
佐々木さん「スラッシュ的にはハタ用を前面に押し出していますが、その設計はロックフィッシュ全般に対応するスペックです。自分の出身でもある東北地方以北であれば、アイナメやクロソイなどを狙うのにも最適です」
佐々木さん「手にしただけでは硬いだけなのかなという印象かもしれませんが、すべてはグルーパーをはじめとしたロックフィッシュを確実に獲るための設計。値段も手ごろなので、ぜひ使ってみてください!!