【バックスライド系高比重ワームの食わせとリアクション】吉田撃的三弾活用『ボムスライド』秋冬必釣リグ公開!!



ポストスポーン以降、カバー攻略の要として多くのアングラーが起用しているバックスライド系高比重ワーム。なかでも、長いスライド幅が特徴の「ボムスライド(ガンクラフト)」は、昨年の発売以降、各地で実績を上げている人気アイテムのひとつだ。しかし秋が深まるにつれて徐々に出番は少なくなっていくという人がほとんどでは? 今回は、生みの親であり、年間を通じて「ボムスライド」で好釣果を叩き出している吉田撃さんに、これからの季節に欠かせない“バックスライドセッティング以外のリグ”をご紹介いただこう。



バックスライドが効かなくなったら来シーズンまで出番なし? ありえないでしょ。

他の追従を許さない長距離バックスライドがボムスライドの持ち味であり、アシ際などシャローカバーをタイトに攻めていくのが春~秋のもっとも基本となる使い方。フックは「T・N・Sオフセット#5/0(ハヤブサ)」がベストマッチ。

上の写真のように、重心が後方にくるようフックをセットし、ノーシンカーでフォールさせたときボムスライドはアングラー側ではなく、後ろへスライドしながら沈んでいく。

そのナチュラルな姿勢と絶妙なスローフォールがバスを魅了するのはご存知の通り。今シーズンも、このワームのお世話になったアングラーはたくさんいるはずだ。

ところが、ターンオーバーや水温の低下に伴ってバスの活性が下がり釣りづらくなるにつれ、高比重バックスライド系ワームをラインの先に結ぶ機会は減っていく。

それはきっと、この手のワームに対しての「バックスライドで使うもの」という先入観があまりにも強過ぎるからではないか。

文字どおり後方へとスライドしながら沈んでいくのが”バックスライド系ワーム”の持ち味だが…。

晩秋以降のタフな状況下でバスに口を使わせる、”食わせ”と”リアクション”というキーワードを意識したとき、たしかにそのアクション自体は得策ではないかもしれない。

しかしながら、ボムスライドはバックスライドがすべてではない。撃さんは、以下3つのリグを軸に、これから迎える難しい時期を乗り切っているのだ。

ボムスライドの潜在能力を引き出す3つのリグ
その1【ノーシンカーリグ(順付け)】

シンカーがないぶん、狙うレンジは効率の面から限定されるが、風もなく穏やかで天気が良い日などバスがニュートラルな状態で浮いているようなときに有効。

バックスライド仕様と違い、フリーフォールさせればそのまま真下へ落ちていくため、狙った障害物をタイトに攻めることができる。また、ラインアイ側にパーツがないため障害物をクリアしやすい。

フックは「パワーステージ#4/0(ハヤブサ)」。

ボムスライドの潜在能力を引き出す3つのリグ
その2【チェリーリグ(順付け)】

一点でのシェイクやステイなど食わせの誘いに長け、なおかつスピーディーな横移動でリアクションも狙えるいいトコ取りのリグ。

撃さんはやや長めのワイヤ(約5cm ※編集部実測)に「パワーステージ#4/0(ハヤブサ)」をセットしたチェリーリグを使用。
シンカーは「バザーズワームシンカーTGバレット1/8~1/4oz(DAIWA)」。

■楕円のボディが不規則な動きを生む!!
ウエイトがボディから離れたチェリーリグとのバランスにより、楕円形の断面をもつボムスライドは障害物を乗り越えたときなどにトリッキーなフォールアクションを生む。ただしチェリーの場合、その構造上アームやシンカーが抵抗となり、スピードのある縦方向への跳ねる動きは演出しづらい。


ボムスライドの潜在能力を引き出す3つのリグ
その3【ジグヘッドリグ(フットボール)】

アウトサイドベンドなど水深のあるブレイクや、足もとから深くなっている垂直護岸を狙っていく際に多用するのがフットボールヘッドとの組み合わせ。

ジグヘッドは「シューティングボール(ハヤブサ)」の3/8もしくは1/4ozを水深やバスの活性に応じてセレクト。

吉田「秋以降、タフになればなるほど縦の動きが効いてくる。霞水系の護岸なんかは足元をバーチカルでバンバンやっちゃいますね。フラッシングはないけれど、俺のなかではメタルバイブの感覚です」



持ちを良くするためヘッドとワーム本体を固定!!

使っているときにシューティングボールとボムスライドがズレてしまうストレスを解消するため、ヘッド部分に瞬間接着剤をたらして固定してしまうのが撃さん流だ。

ここに挙げた3つのリグは、上から食わせ要素が強い順にならべてあり、下へいくほどリアクション要素が増す

とはいえ、ノーシンカーリグによるリアクションのワザもあるし、ジグヘッドリグでも食わせの誘いは可能である。

「ただし、これから寒くなればなるほどそもそもリアクションを得意とするフットボールの出番は増えていきますね」と、撃さん。

いずれにせよ、セットするリグを変えることでさまざまな場面に対応できる汎用性の広さがワームの強味であり、ボムスライドもまた例外ではないということ。固定観念にとらわれない自由な発想がその潜在能力を引き出すのだ。

この秋冬はこれらのリグを試すだけでなく、自分なりの工夫でボムスライドの新たな使い方を見つけ出してみてはいかがだろうか。

■吉田撃(よしだ・げき)
1982年生まれ。軽快なトークと、学生時代に野球で鍛えたフィジカルを武器に、リズムを刻むようにナイスフィッシュを手にしていくバスフィッシングエンターテイナー。ボムスライドは、撃さんプロデュースのルアー第一弾にして群雄割拠のバックスライドカテゴリーにありながら確固たる地位を築き上げた高比重ワームだ。

11月26日発売の『ルアーマガジン1月号』では、ここで紹介したリグの具体的なアクションも網羅。根がかりロストを回避するための、撃さんのロッドワークは必見です。

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