【2018 Kota’s American Dream参戦記】カスミにあの男が帰ってきた!! ~琵琶湖ガイド・杉村和哉はアメリカンバスの夢を見るか2018・後編~



プロアングラー・桐山孝太郎さんの主催するブラックバス・ワンデーペアトーナメント「Kota’s American Dream」が、さる11月3日に開催された。釣りPLUSでは昨年同様、同大会に参戦する琵琶湖からの刺客(?)杉村和哉さんに完全密着!! その奮闘の様子の第3回目をお届け。いよいよ最終回です!

■杉村和哉(すぎむら・かずや)
琵琶湖ガイドという、釣りバカの究極系ともいえる生業を選んだワイルドガイ。ビッグフィールドに身をおきながらも、ピンスポットを射抜くカバー撃ちが得意。あと野池×巻き物も得意……? バスキャットのPUMA FTD に乗っていることがきっかけで、アメドリに参戦。写真は昨年のアメドリのトレーラーウェイインシーン。右手に持つ魚でBigFish賞を獲得した。また、メガバスプロスタッフとしても有名。

■フクシゲ
杉村さんに琵琶湖でガイドしてもらったことがきっかけで(?)アメドリに参戦することになった元ルアマガ編集部員(現在はルアーマガジン・ソルト編集部)。写真はガイドしてもらった際に釣れた奇跡のロクマル。

琵琶湖ガイド・杉村和哉はアメリカバスの夢を見るか2018・中編

Kota’s American Dream」、通称アメドリは、霞ヶ浦・北浦水系で行われるブラックバスのワンデーペアトーナメント。アメリカで活躍するプロアングラー・桐山孝太郎さんが主催する大人気大会だ。

この大会の優勝チームは、メインスポンサーでもある老舗バスボートメーカー「Bass Cat」から、アメリカで行われる大会へ招待してもらえるという、まさしくアメリカンドリーム!!なイベント。

釣りPLUSでは、昨年に引き続き、琵琶湖ガイドにしてバスキャット製ボートのオーナー・杉村和哉さんに密着。今回はその第3回目。

これまでのお話

前編

中編

ドラマは最後におこるもの!?

絶好のフライト順により、最も有望視していた夜越川に入れたものの反応が無く、そこから北利根川、常陸利根川と移動を繰り返すも一向にキャッチに至らない杉村さん&フクシゲチーム。

帰着時間が目前に迫り、最終ポイントとして入った水原エリアにて奇跡は起こる!!

デカいッス!デカいッス!!

なんとバックシートでシャッディングXを投げていたフクシゲにビッグバイト!!

これはあまりにも貴重な1尾!!

何としても逃してはならないと、慎重にやり取りをするフクシゲ。

・・・・・・慎重だったとはいえ、やけに時間がかかる。

ファイトは強烈過ぎてちっとも浮いてこない。

ああ。

そうか。

ここは霞ヶ浦。

厄介な奴だよ! 君は!

アメリカナマズでした(しかもスレ)。

RE:ドラマは最後におこるもの!?

気を取り直しまして……。

絶好のフライト順により、最も有望視していた夜越川に入れたものの反応が無く、そこから北利根川、常陸利根川と移動を繰り返すも一向にキャッチに至らない杉村さん&フクシゲチーム。

エリアの端のほうでフクシゲのシャッディングXがアメナマに引っ掛かった様子を冷静に見ていた杉村さんは、ルアーをシャッディングXからシャッディングX55に変更。

エリアをさらに北上しつつ、石積みを舐めるようにトレースしていく。

と、程なくして、

杉村さんのロッド・ヴァルキリーが弧を描く!!

ん? ん? またアメナマ!?

杉村「バスですよ! バス!! 一応、ランディングお願いします!!」

昨年同様、杉村さんのかけたバスをフクシゲが……ランディング成功!!

杉村さん、待望の1尾目をキャッチ!!

杉村「時間がかかりましたけどなんとか1尾目!! 浅いエリアに入ったので潜行深度の浅いシャッディングX55にしたら来ましたよ!! さあ残り時間はありません。このままマリーナに向かいながらシャッドを投げていきましょう!!」

すかさずフクシゲもシャッディングX55にルアーを変更し、キャストを続けていく。

石積みのそばに投げ、ルアーの潜行角度とボトムへの傾斜がシンクロするイメージでリトリーブ。

石積みと石積みの合間や角周り、杭の絡むポイントは特に念入りに……

しかし……。

杉村「さすがにもう限界ですね。帰着しましょうか」

無念のタイムアップ!

無事帰着申請を行い、ひねり出した1尾をもって早速検量へと向かった。

検量→表彰式。史上初の2勝目!?

もしかしたら杉村さん以外NBNFかもしれない……フクシゲはそんな淡すぎる期待を抱いてみる。

しかし、現在のトップは3キロというアナウンスが耳に入ってしまい絶望……。

それではいざ検量!!

結果は……

770グラム

くぅ~……

わかってはいたけど……

悔しいです……!

と、そうこうしているうちに、いよいよ上位陣が決定!

第3位:倉本剛さん・鹿住大輔さんチーム(3本3310グラム)

第3位はチームルートフィッシング!

琵琶湖で効くならと、マグナムクランクのSKTマグナムを中心に展開!! 記録ではなく、記憶に残るナイスフィッシュだ!!

準優勝:香取潤一さん・西村嘉高さんチーム(3本3540g)

準優勝は僅差でノリーズ&ジャッカルのプロスタッフチーム! 3位との差はわずか230g!

恋瀬川まで90分かけたロングドライブを敢行し、ファイボスやチビツインのフリーリグでキャッチしていったとか。

優勝:斎藤真也さん・大石智洋さんチーム(3本4380g)

2018アメリカンドリームを制したのは、圧巻のウェイトを持ち込んだ斎藤さん&大石さんチーム。

パワーホグのヘビキャロとTN60で霞ヶ浦の浚渫を狙って速攻リミットメイク!!

インタビュー時には、「良く釣れる湖でした」とうそぶいて会場を湧かせる一場面も。

そして何を隠そう、斎藤さんは、2014年のアメドリでも優勝!

アメドリ史上初の2回目の優勝、つまり2度目のアメリカ行きの切符を手に入れたのだ!!



アメドリ名物・大ジャンケン大会!

釣りのイベントではおなじみのジャンケン大会だが、アメドリはその豪華さが違う!

レアルアーからアメリカで活躍するアングラーのトーナメントシャツ、偏光グラスなどお馴染みのアイテムはもちろん……

魚探

パワーポールも!!

さらに参加者が200人を超えるとバスボートが出るとの噂も……!?

とにかく賞品数が多く、最終的には”ご自由にお持ちください”状態に!!

釣れても釣れなくても、参加者全員が笑顔になれる素敵なトーナメントなのだ!!

4日間のカスミ生活を終えて……

杉村さん、お疲れ様でした!この数日間、いかがでしたか?

杉村「そうですね。酸いも甘いもすべてが詰まった4日間でした(笑)」

酸いはまさに今日ですね(笑)。

甘いはプラクティスの時でしょうか。

杉村「そうなんです。練習ではよく釣れました。それも45センチくらい。エリアもルアーもあっていたんでしょうね」

ところが、当日は一変してしまったと。

杉村「持っている(把握している)エリアをどんどん出したけどダメでした。釣れるけどサイズの期待が持てないと想定し、あらかじめ捨てていた北浦上流にはいかなかったのでわからないですけどね。それでも結局は、一番の保険にと思っていた場所(水原)に救われました。これも練習で各エリアを回ったからこそたどり着けた1尾かなと思いますね」

練習の努力が報われているのですね!!

杉村「色々な場所、時間に釣れていたので、それに翻弄された面もあります(笑)。今回は時間配分のミスが大きかった」

体感的にも、朝一で入った夜越川で釣りをする時間が長かったですよね。

杉村「去年のビッグフィッシュ賞を釣ったエリアであり、もちろん練習でも釣っていて、相性のいいエリアかなと。という話をしたら、小森さんも相性がいいならやるべきだといってくれて。ただ今日は上流の水温が低かったせいか、ほかのエリアに引っ張られてしまっていたようで、魚は薄かったみたいですね」

大きい魚を3尾釣らないといけない試合ですから、ビッグフィッシュの期待が持てるエリアはやらないわけにはいかないですもんね。

杉村「そうなんです。800~1000gなら釣れるエリアはありましたが、それでは勝てないので捨てた感じです」

普段は琵琶湖での釣り(ガイド)がメインの杉村さんからすると、霞ヶ浦水系での釣りはいかがでしたか?

杉村「本当に、妙な癖のあるフィールドだなと(笑)。ただ、全国各地での釣りを琵琶湖での釣りにフィードバックしたいとおもっているので、多くのことを学べるのかなと思います。特にこういったタフなフィールドに身を投じることで、柔軟な発想を学べました。」

これに懲りず(?)にまた来年も頑張ってください!!

ノーバイトノーフィッシュの人間がいて(フクシゲ)、貴重な1尾をなんとか絞り出したアングラーがいる(杉村さん)。しかしその一方で、3本4キロオーバーという驚きのスコアを叩き出す参加者がいる。

同日、同じ制限時間、同じエリアで釣りをしているのにも関わらず、だ。

なぜ釣れなかったのか?

どのようにしてウェイトを伸ばすことができたのか?

その日の釣りの答え合わせがすぐにできてしまう。

それこそがトーナメントの魅力なのであろう。

バス釣りの競技に興味を持ったのならぜひ、トーナメントに参加してみてほしい。

今回のアメドリなら、自前のバスボートを持っていなくとも、レンタル艇での参加もOK

その他、よく行くフィールドのそばでもきっと行われているはず。

バスフィッシングのより深い部分に触れられるトーナメントをぜひ!!

主な使用タックル

タックルセッティングは写真手前から順番に。

カバー撃ち用(ドンパス5グラムテキサスほか)
●ロッド:ヴァルキリーVKC-611MH[メガバス]
●リール:ジリオンTW 1516SHL[DAIWA]
●ライン:フロロ16ポンド

巻き用(ソニックサイド、ロビンブレード)
●ロッド:ヴァルキリーVKC-66M[メガバス]
●リール:ジリオンTW 1516HL[DAIWA]
●ライン:フロロ14ポンド

シャッド・ベイトネコ(シャッディングX、ネコリグ)
●ロッド:ヴァルキリーVKC-67ML[メガバス]
●リール:アルデバランBFSXG[シマノ]
●ライン:フロロ8ポンド

シャッド(シャッディングX55)
●ロッド:ヴァルキリーVKS-611M[メガバス]
●リール:ステラC2500S[シマノ]
●ライン:フロロ4ポンド

杉村さんが深く開発にかかわった竿・ヴァルキリーシリーズは、琵琶湖のみならず霞ヶ浦水系でもその実力をいかんなく発揮!!

実際に触って、魚をかけてみたい人は杉村さんのガイドが間違いない!!

全てのタックルをレンタルしてくれるので、手ぶらでもOKなのがありがたい!!

【2018 Kota’s American Dream参戦記】

前編はこちら。

中編はこちら!

杉村さんの関連記事