シマノ(SHIMANO)の上位機種リール、ヴァンキッシュ(Vanquish)がフルモデルチェンジを受けた。前モデルがリリースされたのが2016年なので、3年目のリニューアルとなる。軽量感に定評のあるリールだが、今回のリニューアルでさらに軽くなるという荒業を成し遂げた。もちろん、軽くなっただけではない。より軽く、より強く、そして飛ぶようになった、NEWヴァンキッシュの詳細をお伝えしよう。
鈴木斉さん、嶋田仁正さん、そして堀田光哉さん、並み居るインストラクター陣が手にした瞬間に驚いた理由
リールにさらなる進化の余地があるということ自体、驚きなのだが、その進化が手にした瞬間に伝わるというのは、開発にかなりの苦労があったのではないか。
インストラクター陣が、新しいヴァンキッシュを手にして驚いた理由とは、ズバリ、その軽さだ。
例えば、16ヴァンキッシュ3000が210gなのに対し、新しいヴァンキッシュ3000は実に25gものダイエットに成功し、185gとなっている。200gを切るどころか、15gも下回っている。これだけ軽くなれば、持った瞬間に違いがわかるというのもうなずける。
具体的にどこを軽くしたのか?
ここまでの軽量化は、特定のいち部分だけでなし得るものではない。各パーツの各部材を徹底的に見直し、総合的に大きな軽量化につなげたというのが正しいだろう。
その一例がハンドル。ボディへの装着部分の軸には、従来ステンレスを用いていたのだが、新しいヴァンキッシュはなんとチタン合金を採用している。
4000MHGの場合、ドラグノブで1g、ローターで3g、ボディ部で14.5g、ハンドルで7gの軽量化を実現。トータルで25gのダイエットとなっているのだ。
リールが軽いとなにかいいのか? まずは、タックルの操作性の向上が挙げられる。重いタックルと軽いタックルでは、軽い方が操作性が高いのは自明の理。また、1日中使い続けることでの疲労度も大きく変わってくるだろう。
次に、感度の向上という点も見逃せない。ルアーからラインを通して送られてくる情報を、より鮮明に感じ取れる。ルアーが今、どういう状況にあるのか? 潮流は? 魚からの反応は? そういった釣果に直結する情報を、リールが軽いとよりしっかりと受け取れる。つまり、感度性能の向上に寄与していると言えるのである。
16ヴァンキッシュと比較し、唯一、重量が増加したスプール
ここまで、ヴァンキッシュの軽量化にフォーカスを絞ってきたが、資料を見ると、16ヴァンキッシュと比較してスプール重量は増加している。これは、スプールのライン収納部分のロングストローク化が影響している。
軽量化を犠牲にしてまで、新しいヴァンキッシュのスプールをロングストローク化したのは、ルアーの飛距離を伸ばすためである。
複数のキャスターによる実験でも、ノーマルストロークの16ヴァンキッシュと比較し、ロングストロークの19ヴァンキッシュは4%程度の飛距離向上を果たしたという結果が出ている。
4%というと少なく感じるかもしれないが、50mの飛距離が52m、70mが72.8mとなるということなので、体感としてはかなり大きく感じるだろう。
HAGANEボディ、HAGANEギア、Xプロテクト搭載のフルスペック!
軽くて飛ぶ、最新鋭リールにとってこれ以上ない武器を持つヴァンキッシュだが、それだけではない。HAGANEボディ、HAGANEギアをもちろん採用しており、タフな剛性感もしっかりと実現。さらに、Xプロテクト防水も搭載しているので、塩ガミのトラブルも大幅に低減されている。これ以上の性能が必要なのか? というほどのフルスペック仕様となっている。
全サイズ、2019年3月リリース! 価格帯は57,000~59,800円
番手のラインナップは1000番~5000番まで幅広くラインナップ。あらゆるソルトルアーゲームに対応している。気になるリリースのタイミングは2019年3月というアナウンス。
価格帯は57,000~59,800円となる。16ヴァンキッシュと比較すると、価格はややアップしているが、これだけの性能の向上を考えると、むしろこの程度でよく収まったと考えるべきなのかもしれない。
シマノが従来から打ち出しているクイックレスポンスシリーズの最高峰となるNEWヴァンキッシュ、是非各地のフィッシングショーで展示される実機で試してみてほしい。