「陸王」2019シーズン初戦「伊藤巧×金森隆志」。その取材班の舞台裏に迫った密着レポート。いよいよ決着する2日目、最終日の模様をお届けします!
【DAY.2】[05:15]コンビニ駐車場
2019年4月5日(金)。陸王2日目。
昨日より15分遅くロビーに集合し、近くにあるコンビニへ。ここで朝食を調達したあと、今日の流れを説明します。
[05:30]スタート!
今日は金森さんではなく、伊藤さんチームと行動を共にします。ちなみ伊藤さんチームは、動画カメラマンの菱沼さん、担当編集者のマイケルP、そしてスチールカメラマンの土屋さんと私の4名で行動します。
[06:10]釣り開始。伊藤さんチーム
朝イチのポイントに入り、すぐにキャストを開始する伊藤さん。ほんの少しの距離も小走りで駆けていきます。澄んだ朝の空気の中、水面に映る雑木林と動く人の影、そのシルエットが美しい。
人の気配を最小限にするよう、あまり近づかず土手の上から見守ります。振り返るとレンコン畑が広がっており、早朝にもかかわらず、農家の方が収穫をしています。
伊藤さんは一定の歩幅と速度で歩きながら、丁寧に、繰り返し川べりを打っています。
この日の気温は5度。昨日に比べて3度上がっただけでずいぶん温かく、岸辺に咲いた菜の花や空を飛ぶ旅客機を眺めながら、「あー、のどかでいい気分だなー」と思っていました。
そう、この声が聞こえるまでは……。
伊藤さん「移動します!」
そう言うと、車を止めた場所まで駆け足で戻ります。そのあとを取材班も走って追いかけます。結局のどかだったのは朝のこの時間だけで、以降はこの「移動します!」に翻弄されることになります。
[07:30]別のポイントへ
次のエリアに車を停車するとすぐに準備をはじめ、駆け足でポイントへ。
咲き誇る桜並木には目もくれず、ランガンを繰り返します。10mほど先のポイントに移動する際もダッシュ。
そして、しばらくすると聞こえてくる声……。
伊藤さん「移動します!」
[09:00]恐怖の野鳥観察所
そして、着いた先が今回最大の難所「恐怖の野鳥観察小屋」です。
【説明しよう!「恐怖の野鳥観察小屋」とは約50haの湿地草原に設置された野鳥を観測できる小屋である。駐車場がある展望デッキから750m先にあり、もちろん車では入れないのだ!】
実は前日にも伊藤さんチームはこのポイントに入っており、同行したマイケルPからも「あれはヤバイよ」と事前に言われていました。実際、歩き始めると小屋のあまりの遠さにクラクラしてきます。
小走りしつつようやく辿り着いた先には、すでに釣りはじめている伊藤さんの姿が……。
そしてしばらく釣ったあと、「移動します」の声とともに、来た道を戻りマス。。。。
[10:00]さらに次のポイントへ
移動し別のポイントへ、さらにまた別のポイントへと移動していきます。
やはりすごいのは、移動してハズすことも当然あるのですが、「あー」とか「うー」とか「釣れないなー」とか一切言わないこと。冷静さを失わず、伊藤さんは淡々とキャストしていき……
「移動します!」
「………」
そして、着いた先は…。
どーーーーーーんっ!
そう本日2度目の「恐怖の野鳥観察小屋」です。。。
伊藤さんは「午前中にもう1回、あそこに入り直したいので、行きます」と言うと、もう走り始めています。こうなりゃ半ばヤケです。片道750m、往復で1.5km。それを午前中だけで2本です。
ちなみに菱沼カメラマンとマイケルPは前日と合わせて3本目です。これはほぼ部活です。タクミ部。これが真夏だったら……。死ぬと思います!
[12:00]昼休憩
ようやく12時になり、昼休憩へ。ただし、今日は12:45まで。昨日と同じく、コンビニに向かいます。朝から動き回っているので、腹ペコです。カレーを買って、車に戻って食べはじめると、途中合流したマシモPが車の窓を叩きます。
「もう移動するらしいよ」「へっ……!? まだカレー3口くらいしか食べてないんですけど……」「仕方ないじゃん。陸王なんだから」あ、そうですね……。
というわけで、頬張れるだけ頬張り、残りは諦めて、伊藤さんの後を追うことに。
[12:45]波乱の午後の幕開け
12:45になり、午後の部スタート。ちなみにこの日のストップフィッシングは15:00。昨日より断然時間がありません。1秒でも惜しむように、猛スピードでダッシュします。着いたポイントは強風吹きすさむ、長く伸びた護岸エリア。
と、ポイントに入ってすぐに事件が発生。伊藤さんのカバンがない! 伊藤さんの手持ちカバンが見当たらないのです。急遽、撮影していた動画を巻き戻して確認したところ、あの片道750mある「野鳥観察小屋」に忘れてきたことが判明……。
協議の結果、まだ一度もあそこに行っていないマシモPが取りに行くことに。
気をとり直して釣りを再開。しばらくしてマシモPから「無事カバンを発見した」との連絡が入り安堵していたところで、またしても事件発生! この日最大のピンチが訪れます。
さらなる事件発生
今度は伊藤さんの「クルマのカギ」がないっ!!
胸ポケットに入れていたはずのカギが見当たらないとのこと。一度車に戻って確認しても、やっぱりありません。「もしかしたら、ダッシュしたときに落としたのかも……」。ということなのですが、いかんせん場所が、膝ほどもある草が生い茂る土手。見た目ではまったくわかりません。
急遽マシモPにも連絡したところ、カバンを取ってきた帰りにホームセンターに寄り、熊手を買ってきてくれました。
ここから約1時間以上、熊手を片手にカギ探しに没頭します(ですので、釣りの写真はありません……)。
そのあいだは伊藤さんも移動できないため、同じ場所で釣り続けます。しかし、どれだけ探しても見つかりません。
捜索範囲も広いため、もう無理だと判断してマイケルPがJAFを呼びます。どうにかレッカーで引っ張ってもらうしかない……。と、諦めていたその時!
土手の上で、鍵を片手に怪しげなダンスするマシモPの姿がっ!!
どうやら、「伊藤さんが一度ルアーを取りに車に戻った」との話をマイケルPから聞き、そのルート上を探していたところ、土手の上で偶然(本人曰く、明快な推理の結果)発見したとのこと。さすが! マシモP!
[15:00]ストップフィッシング
丁度そのころ、ストップフィッシングが迫ってきていたため、伊藤さんには終了まで知らせずに続行。そして15:00になり、ついにタイムアップ! 2日間の陸王初戦が終了しました。
まだカギが見つかったことを知らず、最後のコメント撮りを行う伊藤さん。それが終わったあと、マイケルPがドッキリを仕掛けます(その模様はたぶんDVDで!※ナイスリアクションでした)。
[16:15]最終結果発表
ホテルに戻ると、借りていた会議室で結果発表の収録に入ります。テーブルをセットしてカメラチェックを行います。
そして、いよいよ最終結果の発表!!
奇しくもマイケルPが予想したとおり、シビれる対決となりました。総合スコアを書いたスケッチブックを見ながら、互いの感想、戦略、釣り方などを語り合います。
そしてついに、ついに収録が終了ーー!
長く、そして熱い2日間にわたる戦いの幕が下りました。金森さん、伊藤さん、そしてスタッフのみなさん、2日間お疲れ様でした!
気になる勝敗の結果や、勝負の様子は次回『ルアーマガジン6月号』(4月26日発売)で掲載しますので、お楽しみに!
というわけで、いかがでしたか? 少しは「陸王」の雰囲気が伝わったでしょうか?
個人的には2日間とてもハードでしたが、終わってみると色々なことを感じ、とても良い経験をさせてもらいました。また不慣れな私の同行に、嫌な顔ひとつぜず、接していただいたお二人には感謝しかありません。本当にありがとうございました!
次回も機会があれば、ぜひ取材に行かせてください、局長!(ただし、真夏以外で)
【DAY.2】最後の番外編
収録が終わったのが、17:30。このあと金森さんはそのまま静岡に行き、翌朝には仙台に向かうとのこと。また伊藤さんも翌日、釣り取材をこなし、さらにその次の日からはアメリカという超ハードスケジュール。
にもかかわらず、収録後残って約1時間にわたり、今回の陸王や今後の釣りについて、真剣に話合っていました。
その貪欲さと釣りに対する愛情の深さには、ほんとうに頭が下がる思いです。
(了)