テイルウォークのアジング用ロッド・アジストシリーズの最新作「スーパーアジストTZ」。全3本からなるラインナップは、苦戦している時にこそその効果を発揮してくれるという。その真実を、木村壮大さんに語って頂いた。
木村壮大(きむら・そうだい)
横浜在住のソルトアングラー。特にアジ・メバルを中心としたライトゲームを得意としている。単純な釣果第一の釣りではなく、そこにいたるまでのプロセスを重視。釣れている状況では敢えて真逆のことを試すことで、釣りの引き出しを増やすことに喜びを感じる。曰く、「釣りの上手い人ではなく、釣りに詳しい人になりたい」。
真実1:チタンパーツがもたらした2つの高感度設計
木村「スーパーアジストTZのグリップには、アルミに比べて質量は有るものの、硬質のチタン製パーツを多く使っています。オリジナルのアジストTZから踏襲しているブランクスが貫通しているかの様なバットエンドのホールと合わさることにより、反響をこもらせない乾いた感度を実現しています」
木村「ところで、高性能ロッドの一つの目指すべき指針として“軽量化”があり、最新鋭のロッドは確かに非常に軽いものが多いです。ところが、軽いロッドほど、組み合わせるリールも軽くないとバランスが取りづらいんです」
木村「スーパーアジストTZではグリップにチタンパーツを採用することで、例えば200gを超えるリールをセットして使ったとしてもバランスが取れる設計になっています。つまり、数字上の重量よりも軽く感じられる。そして持ち重りを感じにくいということは、ルアーそのものの重さを感じ取りやすいということを意味しており、ルアーを持っていかれるようなアタリはもちろん、ラインがフッとたるむようなアタリも察知しやすい。手元に伝わる振動とはまた別の感度の良さを持ち合わせているわけです」
真実2:絶妙な長さのリアグリップ
木村「このリアグリップですが、個人的には“セミダブルハンドルグリップ”と呼んでいます。これは、シングルハンドルでもダブルハンドルでも投げられる、ギリギリの長さに設計してあるんです」
木村「また、リアグリップがこの短さであれば、冬の厚着でも袖口なんかに引っ掛かりにくいですし、堤防越しの釣りでも邪魔になりにくいんです」
木村「本来であれば、ここまで短いグリップでは難しいのですが、そこは前述のとおり、チタンパーツを使用した設計のおかげでバランスがとりやすくなっているんですよ」
真実3:細分化されたラインナップ
木村「スーパーアジストTZは3機種をラインナップしており、それぞれに適したシチュエーションや使い方があるんです」
52/SSL
木村「このモデルは、センシティブソリッドティップモデル」
木村「カーボンソリッドティップ仕様のロッドで、任意のレンジを泳がしたり、イメージ通りにジグ単を操作させやすい設計になっていますので、再現性を求める釣りに適しています。その一方で、極端に軽かったり重かったりするジグヘッドは使いにくいです」
60/STT
木村「60/STTは、センシティブチューブラーモデルになります」
木村「ティップはカーボンチューブラー。潮がカッ飛んでいるようなシチュエーションなどにおいて、重めのジグ単を操作するのに適しています。また、メタルジグにも対応します。ただし、ティップに張りがあるので、ショートバイトの多い時や、ジグヘッドの細やかな操作には向いていません」
53/TISL
木村「これはチタンソリッドティップモデルになります」
木村「その名の通り、素材にチタンを使用したティップを搭載しています。抜群の食い込みの良さが武器であり、豆アジのバイトをも絡みとりますが、積極的にジグヘッドを操作するような釣りにはティップが入りすぎてしまいます。その点を活かし、出来るだけルアーを動かしたくない様なアプローチは得意です」
使い分けることで、釣果が変わる!
木村「上記の通り、スーパーアジストTZのモデルにはそれぞれ得意なシチュエーションと苦手なシチュエーションがあります。そこでおすすめしたいのが、2本のタックルを使い分けるスタイルです」
木村「例えば1本はオリジナルのアジストTZでもかまいません。アジストTZなら、1本でも比較的様々なシチュエーションに対応できるスペックですので、やりたいこと、苦手な釣りに合わせた2本目のロッドとしてスーパーアジストTZがあればいいわけです」
目的を持ってロッドを使い分ける。
ルアーフィッシングの中でも屈指の繊細さを誇り、居ても釣れない状況の多いアジングだからこそ、道具によって釣果が変わる。
スーパーアジストTZを使い分ければ、この事実にも容易に気が付けるはずだ。