伝説の餌木「エギ王」を自在に操る専用ロッド。カラマレッティ/EGI-OH-STICK(エギ王スティック)開発秘話 #01



さて、5月21日発売のルアーマガジンソルト7月号では公開させていただきましたが、さまざまな問い合わせを頂いております、エギ王専用ロッド。その名もエギ王スティックの発売がついに決定。大人気餌木・「エギ王」の発売元「YAMASHITA(ヤマシタ)」と、名竿「Calamaretti(カラマレッティ)」シリーズを開発する「OLYMPIC(オリムピック)」。そして、我々チーム「LUREMAGA(ルアマガ)」がタッグを組み実現した「自在にエギを扱える操作感と研ぎ澄ませた情報感度」というコンセプトを追い求めたエギングロッド。全容を解説します。



藻にエギがスタック。せっかくなのでがっつり曲げてみた。「3〜4キロも余裕ですね。靭やかなのにパワーがあり不思議な感じです」この後、シャープなシャクリを入れて藻切りを行いエギを回収。「シャクるとキレがある。でもティップは追従してエギを水中に留めておける…。ちょっと凄いロッドですよ(笑)」

「エギ王専用ロッド」は、緻密なやりとりを幾度も行い開発された。

この開発が始まったのは2017年末。大人気のエギ王がルアーマガジンソルト誌の定例企画「タックルオブ・ザ・イヤー」のエギ部門で人気首位を獲得したことに遡る。エギ王はYAMASHITAが誇る、エギシリーズの名称だが、どの釣具店にも並び、なおかつ、本当によく釣れる定番エギシリーズだ。幾度も同誌タックル・オブ・ザ・イヤーに輝いたのも頷ける高い完成度を誇る。

その人気エギに注目し、専用ロッドを作ってみるのはどうかとルアーマガジンソルトスタッフが同社に提案したところ、YAMASHITAが快諾。そして、最高のパフォーマンスを発揮できるよう、日本の老舗ロッドメーカーとして知られるOLYMPICにそのロッドの開発を依頼した。

YAMASHITAからはエギングマイスターとして知られる川上英佑さんが主に開発に参画し、完全バックアップ体制。メディアなどで一線を張るエギングアングラーの中では、非常にロジカルにエギングを解析し、緻密かつ的確なエギングを展開するのが川上さんだ。スタッフも絶大な信頼を寄せているアングラーのひとり。

かわかみ・えいすけ。大人気エギ、エギ王の発売元となるYAMASHITAのエギングマイスターのひとり。メディアのエギンガーの中では、非常にロジカルにエギングを解きほぐし、そのテクニックをわかりやすく解説できる稀有なアングラー。エギ王を知り尽くし、そのプロモーターとして、エギングそのものの普及のために日本だけでなく、世界でエギングを普及する伝道師。エギングのパイオニアメーカーとしての、巨大コミュニティ「エギ王COMMUNITY」の情報量についても注目して欲しい。

川上さんは、取材やエギングの啓蒙活動、商品開発のために、全国各地のフィールドに立ちその経験も豊富。同社のエギ王を使いこなすまさにマイスターということもあり、まさにこのロッドの開発には適任だったと言える。実際に開発にサンプルロッドのフィードバックに関しては、まさに率先して理想を追い求め、製造元にアクションの提案を緻密に行ってくれた。

OLYMPICは日本製ブランクを製造できる、国内でも数少ないロッドサプライヤーで、高性能ロッドマテリアルを提供する東レとの関係性も深いことから、それらの高性能マテリアル群の製造ノウハウも非常に高いことでも知られている。また、オートクレーブ製法と呼ばれる最新技術で作られた超最先端のロッド群を発表するなど(東レ・カーボンマジック社とのコラボ)、先鋭的な技術を惜しみなく「釣り竿」に投入し、注目を集めている。

そのOLYMPICでロッドの開発やプロデュースを担当する藤原功太郎さんが陣頭指揮をとってくださった。

ふじわら・こうたろう OLYMPICのロッド開発に関わるキーマン。今回のエギ王スティックのコンセプトを汲み取り、ベースとして同社の人気エギングロッドブランド「カラマレッティ」をベースに開発を薦めてくれた。自身もマルチにルアー釣りを楽しんでおり、最近は特にチヌ釣りに傾倒しているとか。





OLYMPICの看板エギングロッドシリーズからのフィードバック

同社エギングロッドの看板ブランドと言えば、カラマレッティシリーズ。まさにそのカラマレッティシリーズを母体に開発を進めていくことになったのだ。現場にまずは数種類の機種を持ち込み、じっくりと実釣で使い込んだ。

そこから、エギングマイスターの川上さんがアクションを吟味して機種絞り込み、さらに実釣で使い込む。そして、そのロッド1本、1本に対して、エギ王を扱う上での良い点、悪い点を評価シートに明記し、理想のアクションに近づけるための要望をOLYMPICに提出した。