紛らわしいタイトル!? ロードランナーといえば田辺哲男さん率いるノリーズの、ロッドブランド…と想像するのはバスアングラーだけ!? 知ってる人ももちろん多いだろうが、ロードランナーとは北アメリカ大陸に生息するオオミチバシリという鳥。でも、なぜ田辺さんはロッドにロードランナーという名を冠したのか…。ご本人に聞いてみました。
NHK・Eテレ『ダーウィンが来た!」
日曜の夜7時30分は必ずコレ! という人も多いはず。子どものみならず、大人も魅了する生物の謎系ドキュメンタリー番組だ。そして今週8/4の放送は、「爆走鳥!ロードランナー」回が放送される。今一度、ロードランナーに対する理解を深めるため視聴してはいかがかな? 可愛らしくも地上を走るという特異な鳥の生物譚に期待が高まる!
ロードランナーの由来は…鳥と、アメ車!?
ロードランナーをロッドブランドネームとして据えた話を、田辺さんに改めて聞きたい! アメリカでのエピソードなんかも伺えたら…と思い電話してみると、やはり多忙なスケジュールで忙しそう。そこを何とか!と突貫インタビューしました。
小学生時代の田辺さんとマッスルカー
田辺「まず、ベースとなる出会いは小学校時代なんだよ、実は(笑)。プリムスというカーメーカーの、ロードランナーというクルマとの出会いなんだな。当時住んでいた横浜で見かけたんだけど、その格好良さにビビっときたね。そのころ、おそらく最も速い400馬力に迫るマッスルカー。ルックスとスピードに、幼い俺もヤられたってワケ(笑)」。
プリムスのロードランナーは、映画『ワイルドスピード』シリーズでも数回登場! クラシカルでレーシーな姿に見覚えがある人も少なくない!?
田辺哲男、初期のアメリカトレイルと、人生を賭けた「疾走」
当時もアメリカ最高峰、B.A.S.S.のインビテーショナルトーナメント。そのトーナメントで、1993年に田辺さんは日本人初となる優勝をもぎ取った。単身渡米し、長距離をトレイルするトーナメント生活。奇しくも、自分の右腕となるロッドのプロトタイプを背負っての闘い…。
田辺「長い道中、猛スピードで道を横切る影が見えてさ。なんだ?と思ったら、鳥。これがロードランナーか!と。たかが鳥なんだけど、アメリカで生活を送る中、俺の中で際立った存在になってきて…」。
マッスルカー、ロードランナーの由来は、時速40キロで地上を走る希有な鳥だった。幼少時のほのかな憧れと、異国の地で単身戦い続ける自分と、異形の鳥。何かがつながった。
田辺「俺もロードランナーも、孤独に、自分の生を賭けて走ってる。こいつは生きるため、俺も生きるため。そしてこの試作のロッドも、売るため、コマーシャリズムのためではなく、自分が生きるため、戦うためだけに作っている。それで、ロードランナー」。
アイツすげえ超っ速いし、一生懸命走るんだよな〜、と感慨深げに話してくれた田辺さん。孤独に、何もない景色のアメリカでクルマを走らせているとき、単身疾走するロードランナーを見て強い共感を覚えたのか…。
アメリカ転戦という現場で、テストされまくったロードランナーの原器。これまで書籍やメディアでさんざん語られてきたロードランナー誕生のエピソードだが、改めて伺うと、孤高の田辺さんの原初を感じることができた。田辺哲男さん、ありがとうございました!