え!? ちょっとまって、これ、凄くないですか!? 斬新で緻密。初めて目にした時から、このワームの開発者にお話を伺ってみたかった。「テトラワークス」で発表されたアジング用のワームの作り込みが異次元すぎたのだ。初めに断っておくと、この記事は広告でもステマでも忖度でもないです。純粋に「凄い」と感じたので、読者のみなさんに紹介したくなったのです。
数インチのワームに広がる斬新な発想「チョップ(テトラワークス)」
テトラワークスはご存知DUO社のライトゲーム全般を網羅するソルトルアーブランド。そのテトラワークスでルアーなどの開発を行なっているのが萩原徹さん。実は萩原さんは古くからワームなどの設計に携わって来たエンジニアでありアングラーだ。簡単に言えば熟練、ベテランの職人アングラーで、なおかつ、知る人ぞ知る多くのヒットワームを静かに送り出して来た人でもあります。
実はこのチョップの造形を見た時から、この萩原さんに直でお話を伺ってみたかったのだ。先日の取材でそれが叶い、根掘り葉掘りこの衝撃的なワームについてお話をようやく聞くことができた。
まずは、チョップの写真を見ていただきましょう。
こちらはチョップの上でもあり下でもある。
斜めリブという、有りそうで無かった造形
一見すると、普通のファット系アジングワームに見えてしまった人もいるかもしれない。35mmという小さいワームだけに尚更です。しかし、このチョップ。コロンブスの卵的発想のギミックが内包されているのです。
そう、斜めリブ! 実は、この斜めリブの造形。過去に採用したワームが思い当たらないのです。
リップ的にワンパーツ入っているようなワームはもしかしてあったかもしれない。でもそれですら、記憶のストックから出てこない。ルアマガプラスのライター陣に確認のために話を聞くも、「リブで斜め??ありそうだけど無いな」と口を揃えるのです….。
で、この斜めリブの造形が何が凄いって、もうお気づきの方も多いかと思いますが、上下を変えてフックに差し替えたらどうなりますでしょうか??
水を受けて抵抗になる方向と、水を流して沈みやすくなる方向にリブが切られていますから、フォールスピードが調整できるっ! つまりひとつのワーム、ひとつのジグヘッドでフォールスピードが変えられる。あ、ありそうで無かったこの発想に驚愕っ! 萩原さん天才すぎる。
「いや、実は構想自体はずっと温めていたんです。難しい造形だったんですが、DUOの技術ならあっさりできるよ!と確信し、なら作るしかないだろうと(笑)」
大型のワームならまだしも、アジングのように繊細かつ小さなワームともなると、技術がいるのはわかる。なるほど、できそうでできなかったのか….。
「上下の方向でフォールスピードが変わるのもそうなんですが、左右でも当然変わりますからね。奥に送り込みたい、手前に寄せたいみたいな調整も可能なんです」
!? いや、でも、我々専門誌編集者のひねくれ方と言えば、PEラインのバックラッシュよりもひどいわけで。こんな小さなワームで、このリブでホントにアクションというかフォールスピードなんて変わります?なーんて意地悪な質問も。
「今日の取材時に体感してもらえばよかったですね。単純に操作しているだけで手元に伝わる操作感が違いますよ」
その話を受けて、後日確認してみたところ。………。違う。フォールスピードも当然抵抗感も! このリブ….効いてるっ!
斜めリブというアイデアばかりに目が行きがちだが、アジングワームとしての機能も微に入り細に入り素晴らしいのだ。アジのバイトの癖や好きなアクションなどについても目を向け調整に調整を重ねている。
「リブの数もこれ以上多くするとダメなんです。最初、実は今の4つのリブよりも多かったんですが、スレたアジを攻めている時に、興味を持って追いかけてくるのですが直前で見切る事案が発生して、なぜなんだろうなぁと。で、リブを爪切りで減らしていったんですよね。そしたら反応が良くなって。アジって動きすぎるのって良く無いじゃないですか。リブが多いと変な動きというか、いらない波動がでるのか、見切ることがわかったんですよね。なので、調整しました」
アジのバイトの癖に対応した吸い込みやすい形状。なんてキーワードはもちろん精査されている。とにかく、きっちりと丁寧に、作り込まれているのだ。上の話なんてのは、そういった調整の一例にすぎない。
しかし、萩原さん。戻りますけどこの斜めリブのアイデア…..。いろいろなワームに使えますよね。ブラックバス用のワームとか….。もっと大型のワームとか。
「気づかれた方も多いとは思います(笑)」
ちょっとまてよ。ここまで、面白いエピソードがワームひとつにあるってことは、もしかして他のワームも? チョップの斬新さに目が行きまくっていましたが….。
「じゃ、次はバーニーなんですけど、このツインテールの機能なんですが….」
全ての話を聴き終わってびっくり…..。その他のワームに組み込まれたギミックも、ちょっと尋常じゃないじゃないですか。ツインテールのバーニー。ストレートピンテールのピピン、豆アジ専用のメガロパ。それぞれのワームに込められたこだわりが凄い….。アジングという極小のワームに、これだけの機能を持たせているとは。
ということで、ちょっと長くなるのでその他のワームの話については、また後日。いや、冗談抜きで大注目ですよ!「テトラワークス」と萩原さんに!